« 鎌倉文学館「漱石からの手紙 漱石への手紙」 | Main | 映画「夜に生きる」 »

映画「メッセージ」


*ネタバレ、結末まで触れています。


映画「メッセージ」

5月20日(土)に見に行きました。

ルイーズは言語学者。娘を亡くした思い出、夢に囚われている。
ある日、大学での講義を始めようとしていたところ、学生の数はいつもより少なく、
次々と携帯に着信がある。学生にいわれてテレビニュースをつけてみると、
世界のいくつかの場所で上空に浮かぶ巨大な物体が映し出された。宇宙船の飛来。
軍からの訪問者がくる。宇宙人からのメッセージかと思われる録音を聞かされるが、
ルイーズは録音ではなく直接でないとわからないと答える。
招聘され、宇宙船の側へ行くことになる。ヘリで同乗していたのは物理学者の
イアンだった。チームを組んで、ヘプタポッドと名づけた宇宙人との交流をはかる。
コミュニケーションをとるための互いの言葉は、通じ合うようになるのか。

テッド・チャンの短編小説が原作だそうです。が、私は読んだことない。
原作がすごく人気あるのかな? 原作とは多分違うテイストに仕上がっている
らしい。わかんないけど。

宇宙人がもしもやってきたら。こんな風に接近接触、交流をしようとするのかな、
というリアルっぽいイメージでした。軍隊が出る。民間人である学者チームが
集められて守られつつ考え得る限りの方法を試していくんだろうなあ。

いきなり攻撃だ!っていうより言語学者が言葉を通じあわせることができないか
試行錯誤していく、とても地道な、静かな映画だった。

言葉、言語によって思考は変わる。
そういう映画だった。
ルイーズにひったりよりそう視点で描かれている。ルイーズの仕事、ルイーズの
言葉。ルイーズの思考がヘプタポッドの言語を知るにつれて変わること。
彼らの言語、彼らの思考では時間が一方向に流れるものではない、というのが
最大の違いなんですね。
ちょっとその感覚が、うう、難しい。私の思考ではちゃんとピンときてわかった
とはいえない。時間の流れの感覚が違ってくるって、ものすごい転換だよね。
そこを理解しえたのがルイーズだけである、ということなのか。

始まりの時から、ルイーズの娘の思い出が語られる。
映画が進むにつれて、思い出の娘というのは、過去ではなくて未来なのだと
わかる。過去、未来という概念が変わるんだな。
そして、娘を亡くす、と、一人わかってしまいながらも、ルイーズはイアンと
結ばれて娘を産む選択をする、と、いうことなのか。。。
でも、産まない、って気持ちになっちゃったらどうなるんだろう。また別の
未来、未来っていうか、別の世界が広がるってことなのかなあ。平行世界が
無限にある、という思考なのか。わからない。

その選択はルイーズにはとてつもなく切なく苦しい選択だと思う。いつくしんで
育てて、でもまだ子どものうちに娘は死ぬのよ。それが自分にはわかってるのに、
でも、それでも愛しい大切な子ども、を、選ぶのか。それを亡くす悲しみを知り
ながらも。難しいよなあ。

ヘプタポッドの飛来の目的は、3000年後に人類の助けがいる、ってこと、
らしい。そのために今、言語を教えて人類の思考概念を変える、って、ことか。
世界各地に現れたのは、国家間の争いをなくして地球は一つと団結しなさい、って
こと、か、な。

日本は北海道にきてたね~。やっぱ土地が広いからかなw
日本ではあの宇宙船がばかうけの形だ、ってことで、監督にあれはばかうけから
ヒントを得たんだ、みたいな予告を喋らせててちょっと面白かった。

最初は音声でコミュニケーションしようとしてたけど、無理よ、ってことで
ホワイトボードにアルファベット書いて見せて、っていう、視覚言語で、って
方法にしてた。最初の頃は各国連携とってたから、そっか、って各国で文字を
見せていってたら、アルファベットと漢字とでは全然違うし、とか、なんか
人類と言っても言語はいろいろあるんですとか、そういうのヘプタポッド側は
混乱しないのかな? とか、いや、彼らは結果時間を超越してるわけだから、
彼ら的にはこうなるのはわかってたから混乱はしないのかな? とか。
ルイーズ彼らと接触する前から娘の思い出の夢とか見てなかったっけ?あれは
映画見せる時間軸の前後だけで、ルイーズ的には彼らと接触したあとに見る
思い出ってことだったのか。んん~~~。何故ルイーズだけ彼らの言語が
わかるようになったのか。世界中でコミュニケーションこころみていただろうに。
うーん。
と、まあ、いろいろとわからないこともあったりして。原作を読むともっと
緻密に描かれているのかなあ。

それでも、映画見ているうちに、あ、ああ、これは、時間とか、そういうことか、
とわかってくるのがすごく面白かった。
そういう壮大さがありながら、ルイーズ個人にずっとよりそう小ささもよかった。
わかってからもう一回、見直したくなる。
地球の命運かかってる物語であり、ルイーズと娘という小さな物語でもある。
大変な重いものをずっしり受け取った感じのする映画でした。

|

« 鎌倉文学館「漱石からの手紙 漱石への手紙」 | Main | 映画「夜に生きる」 »

「映画・テレビ」カテゴリの記事