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映画「T2 トレインスポッティング」

*ネタバレ、結末まで触れています。


映画「T2 トレインスポッティング」


前作から20年。同じ俳優。同じ監督での続編。作中でも同じく20年。
レントンが街へ帰ってきた。
家を訪ねると父は言葉少なに迎えてくれる。母は亡くなり、それでもかつての
自分の部屋は昔と変わらずに残されていた。
スパッドを訪ねていくと、まさに自殺しようとしている所だった。助けるレントン。
人生を台無しにしやがって!死までも台無しにしやがって!と怒るスバッド。
それから、シックボーイ、今はサイモンといってる親友とも再会。いきなり
殴り合った。サイモンはレントンを許さない、というが、また一緒に仕事しよう、
と、金儲けの算段を一緒に始める。
刑務所から脱走したフランクも街へ帰ってきた。成長した息子と共に強盗を
しようとするが、息子に拒まれる。
レントンを許さないフランク。再会、追っかけ、ぶちのめしあい。
ベロニカという、サイモンと組んで美人局みたいのをしてる女の子がいる。
スパッドから聞いた彼らの若い頃の話を、自伝みたいに書いてみれば? 読んで
みたい、と何気なく言う。そして、スパッドは書く。
最初にチャンスがあった。そして裏切りがあった。


あれから20年なのかあ。
この続編のニュースを知ってからほんとしみじみとつくづくと、私はこの20年、
何をしていただろうかと思ってしまう。
何も。
何もしてない。何も成し遂げていない。20年前とは立場も居場所も変わった
けれども、何も。特に何もしてない。
ただ年はとった。ただ生きてきた。
ため息をつくしかない。
20年かあ。

この映画、同窓会映画というかなんというか。まさに、20年たった彼らの
物語で、それはメタ的に、俳優たち監督の20年たったな俺達、という映画だ。
ほんとは最初のを見直して見に行こうかと思ってたけれども、もういろいろ
すっかり忘れている前作のこと、でも、漠然としか覚えてない、ただ凄く
かっこよくて圧倒されて痺れて好きだったという気持ちだけ覚えているこの
ぼんやりした感じで見に行けばいいかと思った。
観客である私も20年たったのだという実感。

前作をふまえて、ということはもちろんあって、あーなんか前作で何かあった
感じ、を、忘れてるなあ私と思うことはあった。でもそれはそれでいいかと。
ちょいちょい前作の映像が挟まれる。
若い。
わっかいよみんな~~。
ひょろっとしてるし。ほんと青年の体つきだ。
今も別にみんな太ってないしスパッドなんて相変わらずのガリガリだけども、
まあやっぱり若者っていう体つきではないよねえ。

それでもとてもとてもかっこいいよみんな。凄いよ。
ユアンくんが~~。可愛くて可愛くてやっぱすごい素敵でどうしてくれようかと
思っちゃうなあ。マークはセリフいっぱいある。いっぱい喋ってくれて聞きほれた。
エディンバラな感じの喋り方なの? みんなそれぞれの癖のある喋り方とか
もえる。

やっぱり映像がおっしゃれ~だし音楽の感じも最高にかっこいい。
でも、昔を懐かしむ、という感じでもあって。
途中ベロニカに、マークとサイモンと延々昔話で盛り上がってるところ、
あなたたちは過去を懐かしんでばっかり、みたいにバサっと切られる。
二人仲良しすぎだろ私の入る隙ないじゃん遠慮なく二人でやっちゃえば、みたいな
ことも言うベロニカちゃん。
結局最後に大金掴んでその街を出ていくのはベロニカちゃんだった。
ああ。いいなあと思う。
ベロニカちゃん、最初はちょっとダメな子かと思いきや、ちゃんと強く生きる
ことを考え狙ってたんだなあ。

人生を選べ。
前作で流行ったセリフをセルフパロディで、マークがベロニカにまくしたてて
いろいろいっぱい言ってた。ベロニカちゃんは彼女なりの選択をしたのだ。

私はなんかもう、自分の人生とか振り返っちゃったりするノスタルジーに
やられちゃって、これを思い入れなく見にいったとしたら客観的にどうなのか
わからない。
レントンと同い年なんだよ。他に何一つ共通点なんてないけど、ただ、20年
たってこんな年になって、っていう、歳月の感覚だけはリアルにあるなあ。
たぶんこれは、こういう風に20年かあ、って思う観客のために。多分監督と
キャスト自身らのために作った映画のような気がする。
多分前作同様、ハマル人にはハマルというもの。

結局彼らの人生、ぐずぐずで仕方ない。この先にあんまり明るい未来がある
わけじゃない。そしてもう若くもない。
思えば20年前だって、すごく若いわけじゃない。20代も後半にさしかかり、
焦燥感はつのり、でも出口なんて見えなくて。
大人になり中年になり、そしてやっぱり確かな希望なんてなくて、それでも、
生きる。生きていくんだなあ。

スパッドが自伝的小説を書く。と、それがこの物語という映画なんだなあ。
こう、フィクションとして着地して、それが優しいなと思った。

20年前に見て、衝撃だ、って感じて、それから今こういう続編がきて、
見ることが出来てるの、物凄く幸せな映画体験をしてると思う。よかったよ。


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