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映画「美女と野獣」


*ネタバレ、結末まで触れています。


映画「美女と野獣」

昨日、22日(土)に見に行きました。3D、字幕、IMAXで。
私はもとのアニメのを見たことがなくて、特に思い入れもないのだけれども、
豪華キャストだな~というのと、予告からしてとてもゴージャスうつくしい、と
そそられてました。ものすごい、最上の実写化なのでは。

おそらくフランスのとある地方。王子様は見た目に美しい人やものばかり集めて
贅沢三昧の日々。
ある日パーティに助けを求めてやってきた老婆を冷たく追い払おうとします。
しかし彼女は魔女でした。魔女は見た目ばかりでなく本当の美しさ、愛を知るまで
解けない呪いをかけました。王子様は恐ろしい野獣の姿となり、その場にいた
召使たちまで家具等に姿を代えられ、城のことは人々の記憶から消されました。

小さな村で暮らすベル。村一番の美しい娘でありながら、本を読んで別の世界に
憧れるベルは変わり者として噂の種でした。それでもベルは本を読むことを
やめません。父とのつつましい二人暮らし。オルゴール職人である父が町へ行く
帰りのお土産には薔薇をお願いします。
ある時、父モーリスは夜道で狼に襲われて荒れた城へ迷い込みます。そこだけは
冬の城。誰もいないのに不思議なことが起こる城。モーリスは逃げかえる途中、
薔薇が咲いているのを見てベルのために一輪摘み取ります。
すると、恐ろしい野獣が姿を現し、盗人め!と捕まえてしまいました。
父の馬だけが戻ってきたのでベルは助けに行きます。道を覚えていた馬は冬の城へ
たどり着き、ベルは囚われた父を見つけました。野獣にも恐れず、ベルは父の
身代わりに自分が城へ残ります。
でもそこで、お喋りな家具たちにもてなされて、次第に野獣の見た目の恐ろしさ
だけでない内面を知り、二人の距離は近づくのでした。

みたいな。
ベルを妻にしたい!ってナルシストハンサムなガストンが父を酷い目に合わせたり
村人先導して野獣を殺しにきたりする、彼が悪役ってことですね。
でもガストン、戦争がなくなってつまらない、みたいなことで、ちょっとだけ
気の毒な部分もあるような。まー卑怯者で酷いんだけれども。ルーク・エヴァンス
ですよ。強いぞガストンの歌とか、褒め称えているようでセコい、ヒドイww
って感じなんだけども、ルーク・エヴァンスですよ。歌声も素晴らしい。
そりゃ村一番のハンサム、もてもて、みんなついてっちゃうわ。かっこよすぎるわ~。

従者のル・フウが、ガストンに憧れ、同性愛的愛情持ってるっていうキャラに
描かれてるらしいと公開前から話題だったけれど、それはそういう強い憧れ、
な感じはあったけれども、ことさらな感じはなくて私はよかったなあ。
ガストンがさー、微妙にわかってるんだかわかってないんだか、まあ、がさつな
奴ってベルに嫌われる性格なんで、わかってないんだろうけれども、ル・フウの
恋心を無自覚に利用しコケにしてるのがさー。も~。ル・フウ頑張ってるなあ。
ル・フウなりに一生懸命ガストンをたしなめようとしたり最後にはガストンの
やり方が間違ってるって感じになったりしてて、いいキャラだったなあ。
別の恋人ができるかも?ってちらっと見せるラストでよかったし。

城へみんなで乗り込んでって、マッチョな感じの三銃士が箪笥さんに女装させ
られて撃退されるところで、一人が女装まんざらでもない、うふん、ってなって
好きなようにすればいいのよ、みたいなことがあって、なるほどこういうのにも
細やかな配慮が、って思いました。
ユーモラスだったりちょっとあざといなあって感じではあるけど、多様性な。
冒頭の美しい人ばかり集めてのパーティでも肌の色も様々って感じにしてたし。

ベルが野獣と心が近づくきっかけも、シェイクスピアの一節を一緒に言うこと
だったりして。ベルはドレスをもらうよりなにより、壁いっぱいに本のある
書斎を見せられた時に最高に喜ぶの。本が好きな女の子ってことで変わり者扱い
で馬鹿にされてきたのに、野獣の城では本が大好きなことを当たり前のように
好ましいことのように受け入れられたのが嬉しくて、というプリンセスなのね。
エマ・ワトソンにあてがきしたんでしょうかねえ。ほんと、ぴったりなキャラで
おとぎ話な世界でありながらまさに今の映画化、実写化であるという作り方。

それでも、ベル、そんな、薄着で寒くないのかしら、って心配しちゃうw
野獣の時には唇にキスしないのかよーって。でもまあそれはやっぱ最後にとって
おくものか、って、まあ、なるか。
んん~もうちょっと、って思わなくもないけれども、でも、これはやっぱり
今の時点て到達できる最高級の夢の映画だと思う。
キャストのすばらしさも舞台や衣装ののキラキラも最高に素敵で、まさに夢。
この物語で、今を取り入れて、こうまで美しく華麗に夢に仕上げてるの凄い。
ディズニーのマーケティング、エンタテイメント、ほんっっっと凄い。

アニメを見てないながらも、音楽素晴らしいって評判はきいてて、実際見たら
もうほんと、一回で虜になる~。かっこいい。すごい。一日ずっと頭の中で
歌が流れてたわ。サントラ欲しい。

で。
ユアン・マクレガーがルミエール。燭台。燭台かあ。
人間の姿で登場するのはラストだけ。どういう役なのかわくわくして見にいって、
おお~いっぱい出番ある~~歌ってる~はしゃいでる~~って凄く楽しかった。
ベルにディナーをどうぞってシーン、歌ってショータイムで、なんか、全然、
ベルあれはご飯食べられたんでしょうかw ルミエール、気配りしてるようで
いて全然してないw
家令の時計がイアン・マッケランですってよ。ルミエールとはいいコンビで。
な、な、なんという贅沢なんだよおお。凄い。こわいほど凄い。これもかなり
ユーモアあるキャラで、結構おろおろしてるばかりのおじいちゃん可愛い。
人間の姿に戻ったら、村にいたちょっとこわいおばちゃんと夫婦だったみたいで、
彼だけは、ヤダ時計に戻りたいとか言ってて可笑しかった。これも多様性かなあ。
向いてない結婚っていうのもありますよねw

ダン・スティーヴンスの野獣も、人間の姿になるのは最後だけ。イケメンが、
ずっと毛むくじゃらの中で綺麗なお顔を見られるのがほんっと少しで~。
始まる時には人間の王子なんだけど、どぎつい化粧してかつらをしての貴族
スタイルだから。ほんとイケメン姿を見られた時間はちょびっとだった。
でも、野獣くん。愛を知らない野獣くん。幼い頃に母を亡くして、こわい父と
我儘放題を見てるだけの召使たちしかいなくて。父も早くに亡くなったんだっけ。
ベルがやってきて、召使たちが彼女とこそ愛を!って盛り上がっても、僕なんか
ダメだよ、ってなっちゃう、可愛い。姿が醜いから、って、かつて自分が姿の
美醜でしか判断したことなかったから、内面の美しさとかどう表現していいのか
わからない。
はい、笑顔~って言われても、ひきつりかけの笑顔で、あかんってなるのね。
まあ、野獣の顔だからね。難しいよね笑顔。
はい食事に誘って~優しく感じよく、って励まされてベルの部屋へ行っても、
ベルに断られてすぐキレる野獣。あかんて。
召使たちに恋のアドバイスしてもらいまくりの、お坊ちゃまなのが可愛い~。
も~。甘やかされのダメお坊ちゃま。野獣の姿なのに。可愛い。

ベルと、本の話をしてちょっとずつ喋れるようになったり。食事を共にして
本読みながらとかわざとマナー無視の食べ方一緒にしてみたりとか。
雪遊びも。
あ、ベルが逃げ出して狼に襲われた時に助けにいって怪我したりしてたの。
逃げ出した時、狼に襲われた時、ベルはきゃーとか悲鳴あげるとかではなくて、
なんとか一人ででも戦おうとしてたりね。そういうのも細かいなーと思った。
それでも無理って時に野獣に助けられて。でも一度はほっといて逃げようか、
と考えためらうの。でもやっぱり、自分を助けてくれた野獣をほっとけない。
囚われたことを簡単には許さない感じのベルのキャラなんだよね。

仲良くなって、二人の舞踏会。予告でも散々流れてた、黄色いドレスのベルね。
ほんっと綺麗なシーンだった。
そして野獣と愛し合う、と思いきや、自由がなくてはしあわせじゃないと
ベルは言う。簡単にはいかないの~。

二人でベルの母のことを知ったり、野獣はベルの意志を尊重して、父のために
行け、と送りだしたり。
きちんと本当に二人の気持ち、二人の自由な心で距離が近づいていくんだという
描写を丁寧にしていると思った。
召使たちも、野獣にはアドバイスやせっつきはするけど、ベルには、魔法がとける
方法について喋らないんだよね。ベルが義務感にとらわれたりすることがない
ようにしてる。

王子様である野獣の方が、白馬にのったプリンセスを待つ、という状況になる。
もうダメだって、ベルに愛されることをひっそり諦めようとする。
でも、ベルはちゃんと戻ってきてくれて、野獣はガストンを怒りにまかせて
殺したりはしなくて。ガストンは卑怯で自業自得で転落死って感じ。
薔薇は散り、全てが遅かった、のかと思いきや、ベルが愛してる、って言うと
村で物乞いをしてたアガットが実は魔女でした~ってことで、呪いの魔法は
といてもらってお城は復活。ベルは王子様としあわせに、ってなる。
結末としては、優しく気高くうつくしい娘は王子様とめでたしめでたし、と、
基本的なとこなんだけれども、そこに至る過程は慎重に丁寧に、娘と王子と、
それぞれの気持ちというのを描いている。
見た目の美しさではなく、ってことだけども、でもさ~、やっぱベルって
美しい娘である、っていう前提があるのね。ベルの意味は美しい、ってこと
だよーって最初の紹介の歌でもあるし。村一番の美しい娘なのに本ばっかり
読んで変わり者、っていう。美しいからこそガストンに言い寄られまくって
迷惑してるので、まあ、そもそも美人じゃなきゃ話が始まらない感じか。
ま~でも、美女と野獣ですから。そしてやっぱベルとしては野獣の内面に
ひかれましたということだからいっか。

いろいろ行き届いてるなあとは思いつつ。んも~なんも考えなくてもただただ
ゴージャス素晴らしい。歌、音楽最高。は~~~うっとり。楽しい~~~って
夢心地に浸れる映画で満足感いっぱい。
楽しみにしてた期待以上の大満足でした!

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