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『子規と漱石』(小森陽一/集英社新書)


『子規と漱石』(小森陽一/集英社新書)

友情が育んだ写実の近代

2016年10月刊。
先日「正岡子規展」に行ってきて改めて子規と漱石いいよな~と思ってたところ、
まさにぴったりな本だ思って読みました。こういうの出てたの知らなかった。

二人の友情、という焦点で、手紙のやりとりを主に、いろいろな文章をとても
丁寧に読み解いている。
子規の書いた文章に込められている重層的な時間や漱石に想起して欲しいこと
みたいなことを、いちいちこうなっているこう読める、と細々と言語化して
みせてくれていて、なるほど、こんなにもたくさんのことがこの短い文章の
中に織り込まれていて、それを読む方は感じいるんだなあと思う。

一応私は、二人の友情についてとか、子規さんの本とかそれなりに読んでて
二人の友情もえる~って思いながらなので、ふむふむと納得、確認だった。
二人の友情とかについてあまり知らないという人にもきっとよくわかる丁寧な
本だと思う。
二人の手紙や雑誌でのやりとりが、そのまま近代文学の始まりの、描写とか
写実の実験実践になってるのが凄い。なんなんだよこの二人。

と、後世の今となっては、巨人二人が仲良しですげーってなるけど、二人に
とってはお互い学生時代からの付き合い。まだ何者でもなかった頃に認め合って
仲良くなって、励まし合い、それぞれに仕事頑張ってきたって所なんだよなあ。
二人とも生きてるうちからそれなりに偉くなっちゃったから、余計に、
なんでもないただの男二人っていう気楽気さくな関係でいられるのって、
貴重な存在なんだよなあ。うるる。

「僕ハモーダメニナッテシマッタ」のことも丁寧に書いてて、でももうほんと
この手紙だけで泣いてしまって。

読みやすく面白くて、手紙の引用いっぱいで、とてもよかった。好きだなあ。


 はじめに
 第一章 子規、漱石に出会う
 第二章 俳句と若の革新へ
 第三章 従軍体験と俳句の「写実」
 第四章 『歌よみに与ふる書』と「デモクラティック」な言説空間
 第五章 「写生文」における空間と時間
 第六章 「写生文」としての『叙事文』
 第七章 病床生活を写生する『明治三十三年十月十五日記事』
 第八章 生き抜くための「活字メディア」
 終章  僕ハモーダメニナッテシマッタ
 おわりに

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