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映画「SING シング」

*ネタバレ、結末まで触れています


映画「SING シング」


22日(水曜日)に2D字幕版で見てきた。

吹替えも豪華キャストでとても評判いいみたいなんだけれども、やっぱ、タロンくん
だとかマシューマコノヒーだとかスカーレットヨハンソンとかの声で聴きたい。
まあそんなに俳優さんたちを知っているわけではないけれどもね。

ムーン劇場は電気の支払いすら滞らせている潰れかけの劇場。子どもの頃からの
夢だった劇場を持ったものの、演目はヒットせず。バスター・ムーンは賞金つきで
素人発掘オーディションを行って今度こそ大ヒットを企画する。
賞金金額のミスもあって大いに集まった動物たちの中から厳選したものの、
それぞれが抱える事情もあってリハーサルはうまくいかない。それでも、歌の
力で人生(動物生、か?)を切り開く、取り戻す、夢を諦めないみんな。


豚さんだったり象やゴリラやハリネズミ、ネズミ、支配人はコアラ、等々、
動物の街だけど、まあ、LAなんでしょうね。
「ラ・ラ・ランド」とも通じるというか。夢を抱き、挫折があり、だけども
諦めず輝きを得る、っていうとっても王道。
動物キャラだしアニメだし基本的にはお子様ターゲットだとは思うんだけれども、
私はポンポンと提示されたちょっとした要素だけで、描かれてない背景まで
勝手にいろいろ思い入れして読んじゃって途中からボロボロ泣いてしまった。
さっすがのテンポで話は進むし、ギャグだしポジティブだしもちろんご都合よく
いろいろ最後には上手くいって、楽しい夢物語見せてくれる。
でも、結構、シビアでハードな問題があるってちゃんとわかるんだよなあ。

主婦のロジータ。25匹の子どもたちの世話、家事で手いっぱい。夫は朝から
夜遅くまで仕事に行って疲れてて家庭のこと見る余裕がない。悪い人ではない
んだけれども、どうしようもなくて。
そこはアニメなんで、ベビーシッター頼もうとしたロジータが断られたあとに、
なんか徹夜でDIYして全自動家事お世話ピタゴラマシーンみたいなの作ったら
なんとかなったって感じが、まあ、楽しかったけど。でも、実際そーゆーわけには
いかないんだけどなーってうるうる辛くなっちゃったし。

ゴリラジョニーくんは、お父さん大好きだけど、ファミリーは犯罪してる感じで、
強盗の後に車運転する係りをそろそろやってみるか、とか片棒担ぐことになる。
歌いたいんだこのまま泥棒一味になるんじゃなくて歌手になりたいんだ、という
夢は、大好きなお父さんには理解されない。
リハのために現場を抜けたことで、父親たちは捕まって刑務所送りに。なんとか
保釈金を、って思ったりして、でも父には口をきいてもらえなくなって。
なんかこう、お前が歌手だなんて夢見ること自体馬鹿げてるって、親の言いなりに
しょぼい犯罪もやれ、って感じの息苦しさが、ほんと辛い。「リトル・ダンサー」
を連想したりもした。
歌ってる息子の姿をテレビで見て、お父さんは俺の息子だって誇りに思うよ、
って脱獄して抱きしめにきてくれる。
それはもうすごく素敵だったんだけれども、おとーさん、またあの後刑務所に
戻ったんだろーけど、んもー、そんなの大変じゃん、って泣いてしまう。

まあ、基本的に動物たちの優しい世界って感じなので、そんなの私が勝手に
いろいろ辛い背景想像しちゃってるだけなんだけれども、そういう、ただ甘い
夢ばかりじゃないところの配置とか、それでも歌ってステージで輝く!とか、
そういうのが歌の気持ちよさもあってすっごく響いてきてよかった。

コアラのムーンの父の洗車屋さんとかって、それ、自分の体使ってやるのかよ、
ってすごい切なくなって泣いちゃったし。またコアラの毛並みふわふわふんわり
にすごくよく描かれてたからさー。
んで、金持ちモラトリアムな友達ヒツジのエディが、俺も一緒にやるよ、
お前は洗え、俺が拭きあげる、って、ヒツジのウールふわふわで仕上げかよーっ、
ってそこもなんかもう泣けてしまって。
金持ちモラトリアムな友達っていいな~、って感じだったんだけど、ほんと、
そんなに一緒になってやってくれるほどの親友なのかよ!って、感激した。

いろいろと、人間社会に置き換えれば、っていう深読みもできるけど、そうでなく
もっと気楽に動物たちの可愛い楽しいって感じでいいよなあと思う。

ネズミ、ハツカネズミなのかな、マイクがさー、音大出だぞ、ってエラそうで
性格悪くて、銀行家の人とかマフィアみたいなのとかよりも、近くにいる悪人、
悪役って感じで、ヤな奴なんだけれども。マイウェイ歌い上げるとうっとり
聞きほれてしまうし~。でも最後マイクだけは劇場から逃げた感じで終わってて、
もう続編決まってるらしく、次またなにかしでかしてくる感じなのかなあ。

音楽は知ってる曲いっぱいあったし、突然きゃりーぱみゅぱみゅのがちらっと
出たりダメ日本語出たりが面白かったりもした。
名曲いっぱいで楽しい。ちょっとずつしか聞けなくて、帰ってからサントラとか
関連曲チェックした。アマゾンプライム入ってるの、すぐ聞けてラッキー^^

ボウイとフレディの「アンダー・プレッシャー」がかかったのも泣いた。
いいところでかかるんだまたこれが。瓦礫になった劇場あとで、自分たちの
今できるステージをやろう、って、いう。

最後には素晴らしいステージでお客さん続々とやってきて。金持ちスポンサーの
心をとらえることができて、ムーン劇場再開! かつてバスターが憧れた
ナナがついてくれたんだから、バスター自身の夢も二重にかなった感じだよね。

失恋みたいなふわっと、でも切ないことから、家庭の事情だとか犯罪だとかの
そーとーシビアで過酷なことまでいろんな問題たっぷりありながらも、みんな
ポジティブに立ちあがる。何よりバスターのてきとーな超絶ポジティブが凄い。
恐怖でたまらないって言いながらも立ち止まらない。
夢物語。
一応いったんはめでたしめでたしだけれども、これで何もかもうまくいくとは
限らないよなって思うんだけど。それでも、何回でもスタートラインに立って
走り出していくんだろう。
何回でも、挑戦してやり直していけばいい。
楽しく気持ちよく、泣いて満足しました。こんなにもぎゅぎゅっと要素盛り込み
ながらきっちり王道に気持ちよくまとめて満足させてくれて。
見にいってよかった~。みんなの声も歌も最高に素敵素晴らしかった。

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