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映画「お嬢さん」

*ネタバレ、結末まで触れています。


映画「お嬢さん」


これも8日(水曜日)に見た。
ふと映画紹介見た所、「サラ・ウォーターズの小説「荊の城」を原案に、物語の
舞台を日本統治下の韓国に置きかえて描いたサスペンスドラマ。」とのことで。
えっ。『荊の城』を、どんな風に?? とすごく興味湧いて見にいった。

1930年代の、日本統治下の韓国。
日本人のお屋敷には伯爵令嬢がいた。韓国人の少女が侍女として働くために行く。
日本風に珠子、と名づけられた彼女は、実は詐欺一味の一員。伯爵令嬢と結婚し
財産をのっとる計画のために、お嬢様、秀子が詐欺師に惚れるよう仕向けるため
に潜入したのだった。

『荊の城』を読んだのは結構前だしもうちゃんと覚えてはいないんだけれども、
騙し騙され、女同士の恋、って感じは覚えている。
原案、ということで、大幅アレンジはしているのだろうけれども、途中まで
見ていて、あっ、お嬢様だって珠子に見えている通りの清らか何も知らない娘と
いうわけじゃない、ってびっくりする感じはとてもよかった。

秀子がお屋敷にうんざりしているのは保護者たるおじさまに、幼い頃から朗読を
強いられているから。朗読? って最初不思議だったのだけれども、地下で
珍しい本のコレクションを楽しむ会みたいなのが行われる、それは、春画等々
エロ本だったのだー。それを美しい少女が読み上げる、時に演じて見せる、と。
紳士の皆さまがごくりと唾を飲みながら、秀子の朗読を聞いて見つめている様は、
変態紳士、ですねー。

むしろ詐欺師の片棒かつぐつもりで秀子に接近したスッキの方が純情少女だった。
秀子に仕えるうちに、情が湧いて、美しい秀子に魅せられて、二人は互いに恋に
おちる。
二人のラブシーンもかなりしっかりとあって、ああ~こんな、少女のエロシーン
を、見て、しまって、あああ、ごめんなさいっ。て、すごくやましい気持ちに
なってしまう。映画の観客たる私は、あの変態紳士なおっさんたちと同じでは。
そんな風にメタレベルでぐさぐさくるんだよねー。
スッキも秀子さまも、ほんと、少女って感じで、綺麗で可愛くてどうしようかと
思ってしまう。ドキドキ。

そして、映画の中半分近く、か、もう少し少ないかもだけども、日本語なんだよね。
それが、すごくどうしようかと思ってしまう。
それなりにみんなちゃんと上手。上手いんだけれども、でも、やっぱ一応日本語
ネイティブな自分としてはちょいちょいなんか、ちょっと、ね、って思ったりするし、
舞台が昔なのに、普通に現代日本語みたいな時もあったりしてびっくりする。
この日本語を聞いてゆらぐ気持ちはどうしよう、って思う。

結構コミカル演出されてる所もあって、耽美に決めてる所もあれば、びっくり
するヘンな風に仕上げてる所もあって。笑っちゃう、というか、笑って、えっと、
この感じは笑い所なのか? 日本語微妙で笑っちゃうのか? 不思議な味わいに
思いましたねえ。

とはいえ。それまで虐げられていた女の子二人が、二人で逃げ出す、新生活へ
向かっていくしたたかさは素敵で、よかったねと思う。ほんと二人綺麗で可愛い。

詐欺師の男も結局はいいやつな感じにおっさん巻き込んでの死で、よかったなあ。
詐欺師一味のほうが健全、というか、まっとうな感じだったよ。生命力みたいな
所かなあ。変態紳士たちのあのお屋敷の世界が歪みまくっていた。

もっと怖くて重いかなと思ってたけれども、怖い痛い所もあったけれども、
印象としてはコミカル風味が残る。ほんと女の子たち可愛くて素敵だよー。
そしてそんな可愛い子たちが、ああ~エロス!って感じでよかったよー。
面白かった、って、言っていいのかどうか悩ましい、怪作って感じか。
でも見にいってよかった。満喫しました。

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