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『オデッサ・ファイル』(フレデリック・フォーサイス/角川文庫)

*ネタバレ、結末まで触れています

『オデッサ・ファイル』(フレデリック・フォーサイス/角川文庫)


「「オデッサ」とはナチス親衛隊、SSのメンバーの救済を目的とする秘密組織の
ことである」
1963年、西ドイツ。フリーのライターであるペーター・ミラーは偶然、死亡した
老人の日記を手に入れる。それはユダヤ人としてかつてナチに収容所で酷い目に
合わされた記録であり、いまだ生き延びてのうのうとしている戦犯を告発する
ものだった。
ミラーは自国の歴史と改めて向き合い、ロシュマンというかつてリガの収容所
所長であった男を追いつめてゆく。

『ジャッカルの日』がとっても面白かったのでもう一つ読んでみようと思って。
これも1974年に映画になってるけれど私は見たことないと思う。見たいなあ。
私が読んだこの文庫は1980年初版、39版発行。実際出たのは1972年なのかな?

ナチのユダヤ人大虐殺みたいなことが、ちゃんと広く知れ渡るのは時間が
かかっていた、ってことなのかなあ。それを認めたくない、かつて隣人だった人、
かつて自分がかかわったこと、というのに目をそむけていなくては生きていけない
ということも、確かにあるんだろう。
ミラーがあちこちへ話を聞きに行ってもそっけなくされたり、わかりませんねと
あしらわれたり。それでもきちんと手ががりを追っていけたり。

生き延びていった元SSはちっとも反省なんかしてなかったり。エジプトでさらに
イスラエル殲滅を企んでいるとか、それを阻止しようとするモサドだとか。
モサド!イスラエル諜報部!なんかすっごい凄腕揃いってイメージの!

ミラーをオデッサに潜入させようと訓練があったり、スパイものなわくわく要素
もいっぱいでやっぱり面白かった。
前半はかなり、ドイツ、ナチのことが丁寧に描かれていて、辛い感じもあったり。

ミラーがそんなにもこの日記の告発に深い入りしていく動機は、というのが、
実は父を殺したのもロシュマンだったと気付いたからなの、かーというのが
最後の方であかされて、ああ~と思ったり。

ドイツ中をかっこいいジャガーで駆けまわったり、オデッサが差し向ける殺し屋
とかモサドとかいろいろ凄くて、映画だとこういう後半のあたりがかっこよく
描かれているのかなあ。見てみたい。

偶然も重なってのオデッサファイル入手。でも結局ロシュマンは取り逃がして
しまったし、単なるフリーライターであるミラーはそれ以上の追求はできなくて
あとは恋人と平和に暮らしました、というのはしみじみとよかった。
007じゃないものね。

オデッサファイルがある日突然匿名でボン司法局に届いて元SSを見つけ出すのに
役だった、ということは事実なのかなあ。フォーサイスの小説通りな事が
いくつかは事実だった、とか。ほんと凄いわ。なんで、そう、こう、ルポで
ありフィクションであり、という、こんなのがエンタテイメントに仕上げられる
のか。ほんと。英国。。。こわ。凄い。面白かった。

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