『ホステージ』上下(ロバート・クレイス/講談社文庫)
*ネタバレ、結末まで触れています。
『ホステージ』上下(ロバート・クレイス/講談社文庫)
タリーは、元ロス市警危機交渉担当係り。SWATチームで立てこもり犯人との交渉に
あたる。ある事件で、犯人との交渉に失敗し、人質を死なせてしまった。
失意の中職を離れ家族とも離れ、ブリスト・カミーノという小さな警察署で
署長になった。これといった重大犯罪などない地域。だがある時、ちょっと押し込み
強盗を働こうなんて思った若者三人が弾みで店主を殺し、逃亡の途中車が故障。
押し入った家に結局立てこもるという事態に陥る。
タリーの管轄。応援を求める中、ともあれ当面は犯人と話をしなくてはならない。
そして、犯人たちが立てこもった家は、実はヤバい組織と関わりのある家だった。
ホステージ、とは人質という意味らしい。
ブルース・ウィリスがすでに映画化してるのね。見たことあるっけなあ。無いの
かな。先日読んだ『容疑者』がとても面白かったので、同じ著者の読んでみた。
人質立てこもり事件にトラウマのあるタリーが、またその任務に当たらなくては
ならない、というドキドキ。の上にさらに、その家、会計士のウォルター・スミス
は実は組織犯罪のヤバい案件を自宅で仕事中だった、ってことで、タリーの妻子を
人質にとって、タリーを操り、家の中の証拠となるファイルを取り戻そうとする
マフィア(?)がいて、うわああタリー大変じゃん!! 無理!!!
という感じで面白かった。
最初はちんけな三人組の若者、すぐ投降するだろうと思っていた彼らの中に
マジもんでヤバいシリアルキラーなマーズが混じっているのがだんだんわかって
きたり。犯人側のぐらぐら危ういのもドキドキするし。
人質にされてる姉弟が結構強気でがんばるのもハラハラして面白かったし。
弟くんトーマスが活躍するんだけど、あぶねーよ~~っとハラハラする。
マフィアの方は、いろいろ余計な策を巡らせすぎてどうしようもなくなってく。
まー、こんな中で事態を掌握するのは無理だよねえ。
残りのページ的に、犯人たちが中で仲間割れして血みどろ放火死亡、ってなって
その後マフィアとの対決、タリーは妻子を取り戻せるの?? と心配したけど、
タリーの根性で粘り勝ち、という感じ。マフィアのもっと上のほうのおかげ、
ってことかなー。
ともあれ、タリーは家族と平和を取り戻しました。めでたしめでたし。
ほんと、ブルース・ウィリスにぴったりって感じのキャラだ。映画も機会があれば
ちゃんと見てみたい。
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