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映画「沈黙 サイレンス」

*ネタバレ、結末まで触れています。

25日(水)に見に行った。


映画「沈黙 サイレンス」


17世紀。日本、長崎。キリスト教への弾圧厳しい中、信仰を捨てるのか。死か。
かつての師が日本で消息をたった。ロドリゴとガルペは密かに日本へ渡り、信者
を救い、師を探そうとしていた。
だがいつまでも隠れていられず、役人に見つかる。棄教を迫られ、見せしめに
殺される信徒たちを前に、ロドリゴはどうするのか。


実は本を読んだことはありません。
名作と名高いわけですが、重そう、辛そう、と思って手を出さずにきました。
本の感じと同じなのか大分違うのかわからないんだけれども、これはがっつり
日本の映画で、でも外国映画だなあと思った。
時代劇であるので、ある程度ファンタジーになるなあと思うけれども、そして
結局本当のことなんてわからないのだと思うけれども。

遠い国から伝わってきたキリスト教を信じる、信じ続ける、信仰のために死すら
いとわないという感じが、実際私にぴんとくるものではない。
信仰を持つもたないの違いとか、時代違いとか、教育とか社会そのものの違いとか。
それでもかつて信徒を弾圧し見せしめに殺し、信仰を奪うということがあったの
だということを、考えてしまう。
かつて、というだけでなく、たぶん今も、多かれ少なかれあることで。
宗教の違いってなんだ。
神の沈黙に耐えきれるのか。

ロドリゴは信徒を見殺しにはできず、自分は転ぶことを選んだあとは、役所で
キリシタン弾圧にむしろ加担するような仕事をする。信仰を奪う方に回る。
それでも、最期の時に、妻が密かに握らせたのは小さな十字架のキリストだった。
沈黙の中で信仰を守り続けていた、という風に、マーティン・スコセッシ監督は
答えを出したんだなあ。

日本に渡ってきたパードレ。フェレイラ師にリーアム・ニーソン。
ロドリゴがアンドリュー・ガーフィールドで、ガルペがアダム・ドライバー。
さすがみんな凄い。
若きロドリゴくんとガルペくんの、日本の村にやってきての異質な存在感。
ガリガリに骨格が見えそうに痩せてやつれて、それでもかっこよかったなあ。

何度も簡単に踏み絵を踏んでしまいながらも、何回も告解して清めてくれ、
というしたたかなキチジロー。みじめで、でもだからそこの生命力。悪人では
ない。けれどもあまりにも弱くズルい。でも、それこそが人間、のような。
キチジローと一緒にいて、ロドリゴが苦悩するのがまたもう、切ない。苦しい。

井上筑後守のイッセー尾形が、ちょんまりにこやかでありつつ平然と残虐で、
でも、そういう仕事なのだ、っていう淡淡とした感じがじつに凄かった。
みんな都合よく英語流暢だなって思っちゃうけどまあそれはそういうものかな。

映画で見てやっぱり辛くて重くて、でも本を読んでみようかという気になった。
きっと私にはどうしたって答えは出せないと思うけど。


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