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まとめてメモ

*ネタバレ、結末まで触れています。


もう年末じゃん。すっかり年末じゃん。読書日記サボったなあ。。。
今年は電子書籍利用するようになりまして、といってもそんなに読んだわけじゃ
ないけれども、ここにメモしてない気がするのでまとめて覚書。


『黄昏の彼女たち』上下(サラ・ウォーターズ/創元推理文庫)

母と二人暮らし、オールドミスとか言われちゃう感じのフランシスの屋敷へ、
間貸しする若い夫婦が越してくる。
バーバー夫妻。妻リリアンと夫レナード。明るく快活な若夫婦に気おくれして
いたフランシスだったが、次第にリリーと親しくなってゆく。

舞台は第一次世界大戦後ってことかな。戦争の後、苦しい生活をなんとかしようと
大家になることにしたものの、複雑な、屈折したフランシスの延々とした逡巡
とか、実はレズビアンであって、若い頃の過ちみたいなことを後ろめたく思って
いるとか、ハーバー夫妻の夫婦仲がうまくいってないのがわかってくるとか、
リリアンと激しく恋におちて、もののはずみで死んでしまった、殺してしまった
レナードを二人して通り魔の仕業に見せかけようと共闘し、みたいな。
だんだんもう無理、ってなっていくリリアンとしっかりしなさいよもうヤダ、って
なっていく二人の息苦しさがたっぷりでした。面白かったけども辛い。
一応、ぼろぼろになったあげくに、また二人でいることを選んだ、の、かなあ。
あんまり幸せになりましたって感じはしないけど、まあ、能天気にハッピーエンド
になるわけないし、ともかくフランシスの思考に延々つきあった感じが、読み
終わるとぐったりくるけど、面白かったかな。


『妖埼庵夜話 グッドナイトベイビー』(榎田ユウリ/角川ホラー文庫)

妖埼庵シリーズの4作目。
今回はマメくんのお話。

マメくん、可愛くて可愛がられる純粋マスコットみたいな感じて描かれてきて
いたけれども、やはりそんな単純な存在ではなかったね。
子どもの頃に虐待があって、自分の辛い心を閉じ込める黒い人格があって、それは
とても残虐で。
でも伊織さんはちゃんと、その両方の存在を愛している。
マメくんの今の友達になった人達も、両方を愛そうとしてくれている。
そんな救いの物語でした。


『悪魔のソナタ』(オスカル・デ・ミュリエル/角川文庫)

19世紀のイギリス。切り裂きジャック事件騒ぎの中。
僕、という語り手イアン・フレイはスコットランド・ヤードの警部。だが、
エディンバラに派遣される。そこでの上司、マグレイはオカルトマニア。
悪魔のヴァイオリンをめぐって連続殺人事件が起きる。

って感じだったかなー。表紙がなかなかステキで、19世紀イギリスだって、
とかに釣られて読んでみたのでした。
フレイくんがいいとこのお坊ちゃまで、なれない現場で一生懸命頑張ろうとする
んだけれども、マグレイのマイペースっぷりに翻弄されてタイヘンです、みたいな。
ん~。
なんかこう、昔の感じとして、泥、ぬかるみ、田舎タイヘン、みたいな辛さが
じっとり感じられたのはよかったかなあ。
ほんとはキャラ萌えして読み進められるとよかったんだけども、私の個人的好み
としてはあんまりひっかからなくって、正直結構退屈しながら読んだ。
シリーズになるのかな? だとしてもたぶんもう私は手にとることはない。


『ささやかな手記』(サンドリーヌ・コレット/ハヤカワポケットミステリ)


始まりと終わりに医師の注意書きが入り、テオ・ベランジェの手記という体裁の
作品。
テオは刑務所から出たばかり。恋人にも連絡をとることができず、自分が刑務所に
入る原因となった、もう動けない体となっている兄とひともめしたあと、また
逃げるように一人ひっそり人里離れた民宿に身を落ち着けた。
そして、ハイキングに出かけた先、山奥の一軒家の老人兄弟に捕らえられて、
奴隷としてこき使われることとなった。

奴隷??? 現代??? っていろいろそそられて読んでみた。
最初威勢よく反抗しようと逃げ出そうとしていたのに、先にそこで奴隷にされて
いた男に教えさとされ。
自分自身も徹底的に肉体的にも精神的にも打ちのめされていく様が凄くて、
怖かった。いや、嘘だろ、いや、まあ、小説ですしフィクションですし、って
思いながらも、こんなになったとしたら、ああああ、と、凄く辛くて読み終わる
とぐったりしてしまった。
でも、なんかこれ読んだあと暫くして、ヨーロッパのどっかの村でなんだか
奴隷にされてた人たちが助けを求め、みたいなネットニュース記事を見かけて
ええええ?? と思ったりしたよーな。
フランスの小説ですが。フランスっておっしゃれーな感じがありませんでした。
こわかった。でも、戦争とか国家的にこう、捕虜とか強制労働とか、あったり、
したんだよなあ、と、思ったりも。
尊厳を奪われるってほんと辛い。


『アメリカン・ブラッド』(ベン・サンダース/ハヤカワポケットミステリ)

マーシャルは証人保護プログラムを受けている元警官。だが、ある行方不明の
少女の写真を見てから、彼女を助けなくてはならないという思いにかられて動き
始める。

登場人物それぞれの視点に寄り添って章が次次入れ替わる。
それがなー。私の集中力と記憶力のなさの問題だと思うんだけど、ええ~と~
これ誰? お前誰? 何やってるの? なんで? って、混乱してうんざりして
ちゃんと読めなかった。行動ありきで、動機とか心情とかあとからくるんだけど、
あとからくるそれが、ええ~と~、お前誰? ってなっちゃうアホすぎる私の
記憶力にとって辛くて。
一応読み終わるまでには、大体人間関係というか、まあ、なんとなくは把握した
けれども、読み終わるまで辛かった。潜入捜査で恋仲になった彼女のことを思って
なんか走り出してしまった、の、かな。うーん。わかってないかも。
私個人にとってはハズレ作品だった。


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