« 映画「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」 | Main | まとめてメモ »

『髑髏の檻』(ジャック・カーリィ/文春文庫)

*ネタバレ、結末まで触れています。


『髑髏の檻』(ジャック・カーリィ/文春文庫)


カーソン刑事シリーズの第六弾。
といっても、解説によると本国ではこの前に一冊あるらしい。カーソンくんの
一人称ではない作品、とのこと。そのうち翻訳されるのだろうか。

モビール市の刑事として働き詰めだったカーソンはずっととっていなかった
長い休暇をとることにした。
運よくプレゼントに当選した、という電話に誘われてケンタッキーの山間部の
キャビンで、岩登りや山歩きでリフレッシュしていた。
だがそこでも、猟奇的な連続殺人が起き、カーソンは地元の刑事チェリーや
国立森林公園のレンジャーであるマッコイらと捜査に首を突っ込むことになる。


まあ、シリーズのお馴染みな感じとして、まーそのうちチェリーと寝るんだ
ろうな~カーソンくんは~。とか、いかにもな休暇への流れ、これは、と
思っていたらやっぱりジェレミーお兄ちゃんの差し金だったのね。ドクター・
シャルパンティエという、心理学博士みたいな人が引退生活してるらしい、
ってのは、まーこいつがきっとジェレミーね? と思ってたらそうだった、と。
ハリーとは離れているけど、電話して捜査の助けをもらったり、そういうのも
お馴染みの、って感じでさくさく読みやすい。慣れたなあ。

冒頭に、かつてジェレミーがいた矯正施設で催眠療法にかけられるという凶悪犯
の、催眠をやめさせてくれ、みたいな助けを求める所長に応えて、カーソンが
立ち会うことにしてると、その犯人がまんまと逃亡した、っていうのがあって。
結局お前かよ、ということに。
でも単独犯ではなくて、仲間がいて。そしてやっぱり彼らを操るというか犯行に
仕向けるきっかけを与えたのはジェレミーだった、という。

犯人たちは、崩壊家庭の子どもたちで。闘犬をつくるように、劣悪な環境で
戦うように仕向けられたりした過去があって、そのトラウマを清算するかの
ように過去の恨みをぶつけて殺人重ねたんだよね。
子どもの虐待、という、それは、カーソンたちもかつて酷い父親がいて、という
ことでもあって、このテーマもずっしり重い。なかなか辛かった。

ジェレミーお兄ちゃんが出てくるとやっぱ好きだなあ。
カーソン大好きお兄ちゃん。
カーソンも、お兄ちゃん危険ってすごくわかっているのに、つい支配されかけて
しまうのが、とっても、いい。
怒ったり憎んだりしながらも、警察に突き出すとかはしないんだよなあ。
この、二人の関係はほんと好きだなあ。

しかしこんだけシリーズ読んできても、どうにもカーソンくんが好きにはなれない。
まあそれでも読めるから。ジェレミーお兄ちゃんが偉大。
でもでも、カーソンくんはジェレミーのことを抱えて、抱え続けて、引き裂かれて
いる自分の心を見ないようにしてまっとうにやっていこうとしているのだ、と、
大いに私の個人的妄想ではそういう風に生きてるカーソンくん、なので、まあ、
これからも続きが出れば読みたいとは思う。

この本は2015年発行。本国では2010年刊行らしい。この続きって出てるのかな
どうなのかなあ。もしあったとしても翻訳出るのは当分ないのかな。
ジェレミーとカーソンがもっとどろどろぶつかり合う時がくるんだろうか。
どーするんだよジェレミーのこと~。そういうのが読めるといいなと、楽しみ
にしておく。

|

« 映画「ローグ・ワン スター・ウォーズ・ストーリー」 | Main | まとめてメモ »

「書籍・雑誌」カテゴリの記事