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『極道転生』(五條瑛/徳間文庫)

*ネタバレ、結末まで触れています。


『極道転生』(五條瑛/徳間文庫)

シルバー・オクトパシーの二作目、ということかな。文庫書下ろし。2016年8月初版。

裏ビジネスのプロ集団、謎の社長という頭一つとメンバー8人の足。亡八と
いわれてたりもする。
そのメンバーの一人、ユリア。昔の知り合いの蕗川というヤクザに呼ばれた。
すでに病と年で引退している昔気質のヤクザである蕗川。ユリアへの頼みは、
16年前、鉄砲玉になって刑務所入りしてた浪岡の出所を迎えてやってほしい。
生活の目途をつけてやってほしい、というもの。ユリアに料金と浪岡に渡す金
を託す。もはやヤクザがヤクザらしく渡世する時代ではない。まっとうなビジネス
を装い、暴力や脅しは駄目。そんな時代に浪岡は戸惑うだろうから。
出所してきた浪岡は、だが複数から命を狙われていた。
刑務所でひっそり暮らしていただけのはずの浪岡が、狙われるのは何故か。
ユリアたちは背後を探る。

そんなこんなでわりとさっくり進む。古き良きヤクザ像をちょっと懐かしみつつ、
そこはプロ集団、結局刑務所から出てくる人間絡みで新たな戸籍を手に入れる
方法を探り出し、入り込み、八神会に恩を売る形で自分たちの利益を掴む。
浪岡に同情して、ってばかりではないぜ、というのが小気味よい感じ。

刑務所の中で小さな秩序の中で、昔気質のままで、義理だメンツだという
シンプルな論理で16年すごした浪岡が、結局は娑婆のほうがおそろしいだろ、
って思う所が、しんみり切ない。
ユリアもなんかかんだいいつつ、そういう男が好きで、でも利用できる限りは
利用し尽くす、っていうのがいい。
お~、そうくるか、という終盤のパズルがはまっていくのがばちっと見えて
くる感じ面白かった。

またシリーズになるのかな? 謎の社長っていうのがそのうち出てくるのか。
ちょっと楽しみ。

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