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『ブラッド・ブラザー』(ジャック・カーリィ/文春文庫)

*ネタバレ、結末まで触れています。

『ブラッド・ブラザー』(ジャック・カーリィ/文春文庫)


カーソン刑事のシリーズ4作目。ついに、ジェレミーお兄ちゃんの話か!?と
期待して読みました。

連続殺人犯として厳重に閉じ込められていたはずのジェレミー。その施設の
所長であったヴァンジー・ブロウズがニューヨークで殺されていた。
彼女が残したビデオメッセージによってカーソンが呼ばれる。
田舎の刑事、厄介者扱いされるカーソンだが、ジェレミーの存在を感じるにつけ、
事件へ深入りせざるをえなかった。

ジェレミーがどうやって脱走したのか? なんでブロウズは彼を伴って
ニューヨークへきたのか。実は真犯人が。と、沢山の謎が湧いてきてそれが
明らかになって、そして、ジェレミーは実は被害者なのでは。ということで、
カーソンよりはジェレミー好きな私としてはこれまでのお話より今回かなり
面白い!と思った。
ジェレミーが~切ないよ。
母の代理として殺した、とされる女性殺害はジェレミーの犯行ではなかったと
いうことなのか。うーん。ジェレミーの話をどこまで信じていいのかわからない。
カーソンにはちゃんと話しているのかもしれないけど。

まだ父殺しをしたとはいえまだ少年のジェレミーを支配しようとした最悪の
元警官ジム・デイ。うんざりだ。
自分が受けた被害を子どもに向けていく悪の連鎖。。。
ジェレミー、こんな奴に支配されちゃうの? と思ったけど、終盤ではちゃんと
さらにその上をいく感じで結局逃げ出せたので、まあ、よかった。
ジェレミーには天才超人であってほしいよ。
おにーちゃんには弟くんだけが大事、で、いてほしい。

しかしカーソンくんは、また今回ニューヨークで次の女と寝て、ま~そういう
ものなのねと思うけど、ま~節操なしな感じだなあ。でもこう、してみたいと
いう欲求に素直なのはいいかもなあ。カーソンくんもそこそこまともそうに
なってるとはいえ、幼少期のトラウマは大変なものだろうし。でも、そこを
あんまり悩んでなさそうなのが、個人的にはちょっと物足りない。
ジェレミーのことで苦悩は当然しているんだけども、私が思うにはもっと!
もっとめちゃくちゃに苦悩してほしいんだよね。まあ完全に私の好みの偏見だ。
まだ子どもだったカーソン。ジェレミーが守ったカーソン。
シリーズはまだ続きあるし、ジェレミーは逃げ出したし、この兄弟の因縁が
少しずつでももっと描かれるといいけどなあ。

最後に引用。
ジェレミーが守った弟。守られた弟。とても美しい一文だ。好き。ここで泣いた。


 「 ジェレミーはどのような終りを迎えるかわかっていたので、残された
 ただひとつの道を選んだ。僕が生きているのは、父が僕を殺すチャンスが
 なかったからだ。
  僕の呼吸はひとつ残らずジェレミーの贈り物だ」 (P65)

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