« 映画「怒り」 | Main | 『ブラッド・ブラザー』(ジャック・カーリィ/文春文庫) »

映画「ハドソン川の奇跡」

*ネタバレ、結末まで触れています。

映画「ハドソン川の奇跡」

24日に見に行った。

2009年1月15日、乗客乗員155人を乗せた航空機がバードストライクでエンジン損傷。
両方だ。マンハッタンの上空で失速。空港へ引き返す、あるいは近くの空港へ
行くよう指示されたが、機長のサリーは、ハドソン川に着水させることを選ぶ。
着水は絶望だ、と管制官たちは思ったが、乗客はフェリーや警察に助け出され、
155名、クルーも、全員が無事助かった。
だが、国家運輸安全委員会はサリーの判断が正しかったかどうか、厳しく追及する。

この事故のニュースは覚えてる。
まだ人の記憶新しいものが、こういう映画になるんだあと思った。

クリント・イーストウッド監督。トム・ハンクス主演。さすがの渋さ。手堅さ。
淡々とプロフェッショナルな仕事を描き、しっかりうるっと感動もあって、間違いない。
事故を明らかにしていくミステリっぽさもあって面白かった。

お話としてはもう、結末はみんなわかってるわけで、最初から事故、助かった、
というのは見せる。でも安全委員会の追求で何度も場面が繰り返され、悪夢を
見て描き出され、シュミレーションでは無事に空港へ引き返すことができだとか、
徐々にいろんなことが事細かに描かれる。

コンピューターシュミレーションとは違う。練習してから飛行させるのとは違う。
事故が起きるのを知ってて操縦するのとは違う。
事故は突然に、指示は先の見えない所で下され、今まさに高層ビルが間近にある
状況で操縦するのは、誰も経験したことも訓練したこともない状況。
「人的要因を加えてください」
と、サリーが冷静に要求するのすごくかっこよかった。

マスコミで英雄扱いされでも戸惑う。機長も家族も、ただ普通に、仕事をして
家庭を築いている人。奇跡的な生還だったけれども、機長の仕事は仕事ですから。
というのがとても素晴らしかった。

副機長とさ~。サリーが、きちんと大人で信頼関係があって、一緒に乗り越えた
感じと、一緒に容疑者になったけど自分たちを信じるという強さと、すごくよかった。
事故当時の録音を聞いた後、サリーがジェフに、きみを誇りに思うよ、って
にこっと、ぽんっと、肩をたたくのがステキでさー。

映画の最後には録音を聞きながらの事故再現。
もうわかってるのにすごく緊張して怖かった。でもみんなプロフェッショナル
だった。助けにきたフェリーとか、警察も。みんなプロフェッショナルだった。
かっこいい。

マンハッタンの高層ビルに、飛行機が突っ込む悪夢は、それだけは、絶対に
避けたかったんだろう。
2001年の、9.11のことも、覚えてる。生々しく。
もちろん私はそれもこれもテレビのニュースで見ただけで、実感というものは
ない。だからこの映画はアメリカの人が見たらもっともっともっと、ぐっと
迫るものがあるんだろうなあと思う。

普通の人がヒーローになる。
そういう時がある。
さすがの良作です。

|

« 映画「怒り」 | Main | 『ブラッド・ブラザー』(ジャック・カーリィ/文春文庫) »

「映画・テレビ」カテゴリの記事