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『百番目の男』(ジャック・カーリィ/文春文庫)

*ネタバレ、結末まで触れています。


『百番目の男』(ジャック・カーリィ/文春文庫)


カーソン・ライダー、僕。モビール市の刑事である。PISITという、精神病理・
社会病理捜査班に所属。とはいえ、相棒の刑事ハリー・ノーチラスと二人の班。
一年前、警官だったころに、異常犯罪を解決に導くことができて大抜擢された。

首のない死体が発見される。事件捜査に張り切るカーソンだったが、上層部で
出世争いに精を出すスクウィルにことごとく邪魔される。
検死を担当する新任の病理学者アヴァ・ダヴェネルのアル中トラブルを助け
ながら、カーソンは事件を追う。

ってことで事件そのものと、モビール警察、検視局などなどの人物関係が
あちこちいろいろしながら進んでいく。
カーソンがまだ若い、のか。はっきり明記はされてなかったと思うけど、多分
20代後半、くらい? 正義感なのかなんていうか、スクウィルに突っかかって
いったり、アヴァに振り回されたり、なかなかスマートに事を運べなくて、
んも~馬鹿か~、とちょっとイラっとくる。
実はカーソンには秘密がある。兄がいて、精神医療施設で監禁生活中。
サイコパスなのかな。そうでもないのか。ともあれ、狂気の天才なわけで、
一年前の捜査でも密かに兄の協力を得ていた。狂気の犯人の心理が本当に分かる
のは同じく狂気の中にいるジェレミーというわけ。
この文庫は2005年に出てて、本国だと2004年だったのかな。
まーこれもレクター博士の系譜って感じだ。
ジェレミーの執着は弟にある。ジェレミーは家庭内でたぶん虐待にあっていた。
性的虐待だったのかなあ、明確ではなかったかと思うけど。弟と守って家族を
殺した感じ。家族だけじゃなくて殺人続けたのかな。虐待の果ての殺人へいった
としたら、なかなか辛い。弟としては複雑。
そして事件解決のヒントをもらうためには自分を差し出すという取引が必要。
って、その辺はかなりもえたんだけど。

でもなー。どーもカーリーくんが、なんか、もうちょっとうまくやれないのか、
と思ってしまう。でもまだこれが初登場な物語なので、今後成長していくと
いうことだろうか。
シリーズが続いて、6作出てるみたい。続けて読もうかなあ。

事件そのものは、かなり複雑に絡み合ってて、いろんな要素盛り沢山。
アヴァが攫われて、助けに行くカーリーくん、川で大変で、とか、なんかそれも
もうちょっとうまくやれないのか??? と、切羽詰まった盛り上がりだけど
ちょっとひいてしまう。
んも~。
がんばれよ。
犯人もやはりママに虐待されてた男で。自分が強くなってママにそっくりな
アヴァを捕らえてママから悪い娘を追い出すんだ、とか映画とるんだ、とか
なかなかの狂気っぷりでよかった。

最後の、兄が自殺したという電話で、ドキッとしたけど、実は兄の声色でした~と。
おにーちゃん弟が大好きなのか、というのは、なかなか素敵でよかった。
今後お兄ちゃんのことはもっと描かれていくのかな。気になる。ぼちぼち読んでみる。

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