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映画「ブリーダー」

*ネタバレ、結末まで触れています。


映画「ブリーダー」


1999年制作。デンマーク。
カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2016、カリコレでやって
くれるというのを知ってからすごく楽しみにしてた。ありがとう~!

ニコラス・ウィンディング・レフン監督。「ドライブ」が出世作なのかな。
私は見逃してしまって、今回これが初めて見る作品。
マッツ・ミケルセン、は、主演? 主演ではないのかな。メイン4人の男たちの
うちの一人。レンタルビデオ屋で働くレニー。映画マニアで映画の話ばっかり
してて、気になる女の子がいるけど、まず声をかけるところから戸惑っている
シャイボーイな役で、めっちゃ可愛い~~~~!!!

レオは恋人ルイースの妊娠を告げられる。子どもが欲しくないの? と詰め寄ら
れるとそんなことはないというが、父親になるということに不安がつのる。
ルイースの兄、ルイは妹をよろしく頼むという。
レオ、レニー、ルイ、 ビデオ屋店主(?)のキッチュは、毎週そろって
ビデオを見る。ちょっといい服に着替えて四人のんびりだらだらと楽しむ。
レオはルイの働く店で揉め事の時に銃で撃たれる知人を見て以来、自分も
銃が欲しいという思いにとりつかれる。

恋人の妊娠を受け入れられないレオ。苛立ちのあまり彼女に手をあげてしまい、
それを知ったルイに次やったらぶちのめす、と脅される。

レニーは、気になる彼女、レアを映画に行こうと誘うことに成功したが、実際
待ち合わせの場の近くまで行って、やっぱり気おくれしてデートをすっぽかして
しまう。
誰とも映画のことくらいしか話せないレニー。

子どもが生まれることを楽しみにしている様子にレオはまたしても苛立ちをぶつけ、
ルイはついにレオを拉致し、HIV患者の血液を注射するという暴挙に出る。
どうしてこうなるんだ、恋人のことは愛してる、互いに愛してるのに、と、絶望
したレオは、銃を持ってルイを待ち伏せ、撃ち殺して自分の頭も撃ちぬいた。

二人だけになったレニーとキッチュ。次の映画は何を見る? と、ぼんやりと
話す。レニーはだが少しだけ変化して、レアに謝りにいって、もう一度デートに
誘う。今度は逃げずに、彼女と新しいことに一歩踏み出す。

というような感じかなあ。なんだかやっぱり全然あんまり説明はされなくて
レオは実際何の仕事してんだろーとか、いやいやいやなんかみんなあまりにも
雑じゃない??? 大丈夫??? ちょっと落ち着いて話そうか??? と
いろいろ不思議な気分になった。
絶望的に貧しいわけではないようだけれども、どうにもチンピラで、堅実さとか
未来への希望みたいなことはまるでなさそうで。
アラブ移民への差別軋轢みたいなのもあったけど、そういう社会的問題みたいな
ことがコペンハーゲンでどのくらい普通にあるのかどうか私は実際のところは
知らなくてわからなくて。
でもなんだか荒れている若者、いや、若者っていっても多分彼ら20代後半、
30前後みたいな感じかな? もう若者じゃいられない、ってなって苦しい、
というところかなあ。

子どもが生まれる、ということに戸惑い苛立ち自分が自分だけじゃなくて父親に
なるなんて、自分の人生が奪われるように感じてしまう、というのは、なんか
ありそうというかリアルな気がする。

レニーは映画大好きで、映画に囲まれているビデオ屋さんにいることを気に入って
いる。レニーが癒しの存在だなあ。全然スマートにふるまえないけど、その
上手くいかない具合がすごくリアルだと思った。

そう、この映画、すごく気まずい、嫌な空気になる場の雰囲気みたいなのを
物凄く生々しくうつしだしていると思った。ううあ~いたたまれない~~嫌だ
こんなところに居合わせたくない、と思うシーンがいっぱい。
くすくす笑っちゃうユーモラスなところもあるんだけれど、うっ、これはキツイ、
ヤダ、っていうところもいっぱい。
バイオレンスも。華麗な格闘シーンとかではなくて、生々しい地味さがすごく
キツイと思った。

ぎゅわーんとくる音楽も、ぼわーとしてたりどぎつく鮮やかになったりもする
色彩の感じも、なんだかいろいろと新鮮に感じた。

上着の肩のほつれ、やぶれを気にせず着てるレニー。夕食にパスタを雑に
ゆでて雑に皿にとって雑にケチャップかけただけで食べるレニー。
レアに思い切って話しかけてみても気まずい感じになっちゃうレニー。
葬儀に行きたくない、って墓地の前まで行っておきながら帰っちゃうレニー。
やっとレアをもう一度誘いに行くレニー。
レニー、大丈夫だよきみはすごくハンサムだよがんばれ!と、何度も心の中で
応援してしまう。可愛い。はー。マッツ可愛い。

見終わった時には、何だこれ??? こんなの見たことない不思議な感触、と
思った。見に行けてよかったなあ。
レフン監督作品を他にも見てみなくてはと思った。

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