« July 2016 | Main | September 2016 »

映画「ゴーストバスターズ」

*ネタバレ、結末まで触れています。


映画「ゴーストバスターズ」


3D、字幕、IMAXで27日に行きました。

旧作は1984年か。
リブート版、メインキャスト4人が女性になったことでいろいろあるようだけど
私はとーっても楽しく見た!

大学で終身雇用契約の審査中のエリンは昔友達と書いた本が断りもなく販売
されていることに気づく。ゴーストのことを書いたそれはバカバカしく契約に
影響されるかもしれない。
久しぶりにかつての親友アビーに文句を言いに行ったところ、アビーはホルツマン
という同僚と一緒に大真面目にゴーストを捕らえる研究を続けていた。
結局みんな大学を追われ、パティという仲間も加わり、ゴーストを捕獲することに
奔走する四人。
受付に雇ったケビンは顔と体は最高で頭からっぽのケビン。
誰からも信用されないまま装置の改良を重ね、つにゴーストの捕獲に成功する。

そんなこんなで、基本的には昔の作品と対をなすような感じ。
昔の見たなあ、と思うけど、あんまり細かく覚えてはいないので、もう単純に
今作を楽しみました。

ホルツマンめっちゃかっこええ!!!
エリンも生真面目キャラからだんだんテンションあがっていくの可愛いし、
アビーもけっこうまっとうだな~って感じで面白く可愛いし、パティは凄く
頼りになる~。みんなそれぞれいいキャラで好きになれる~!

女だから、ゴースト信じてるから、っていけ好かない権威じじいに邪魔されたり
ヒステリック扱いされたりもあるけど、でも性別はまあこの際おいといて、と
いう感じだと思うなあ。
仲間になってく友情物語でもあるしねえ。
しっかりアビーとエリンとが親友関係を取り戻して。ゴーストもやっつけて、
なんか理屈はともかく壊れた街も元通り。めでたしめでたし。

ケビンが~可愛いと噂には聞いてたものの、いやもうほんっとアホ可愛い。
いいわ。鑑賞用でいいわ。すごいいい声で普通ににアホなのが最高。
でも途中、とりつかれて体乗っ取られて悪いやつになるんだけど、あ~なるほど
こういう見せ場が。だからクリス・ヘムズワース。筋肉も必要ですね!
エンドロールで、踊ってるの最高~~~~!!!によかった!!!
かっこいい~!可愛い~~!! サタデーナイトフィーバー?
ほんと最後の最後までサービスたっぷりだった。
シガニー・ウィーバーもちらっと登場。旧作の人たち出てた、らしいけど
ごめん私があんまりわからなくて。
そして「ズールー?」みたいに言ってたから、それって旧作のラスボスだった
やつだよね? まだ続編リメイク作るのかなんなのかわからないけど、
ほんと最後の最後までサービス盛り沢山だなあという満足で終わった。
楽しい。
満足!

|

映画「X-MEN:アポカリプス」

*ネタバレ、結末まで触れています。


映画「X-MEN:アポカリプス」

古代エジプト。
ピラミッドパワーの中、不死の体を求めて魂を移す儀式が行われている。
だがそれを阻止しようとピラミッドは崩された。四人の使徒によって守られ、
だが一人の男は埋められた。

80年代。
チャールズが学園で子供たちを教育している。
エリックはひっそりと、だがささやかな幸せな家庭を築いている。工場に勤めて
いて、ある時事故から同僚を助けようと思わず力を使ってしまう。
ミュータントだとバレて追いつめられるエリック。
そこへ、現代によみがえったアポカリプスが誘いにくる。彼は力を求めていた。


そんなこんなで、これ三部作らしいのだけれども、1つ目は先日テレビで
やってたのを見た。だけ、で、24日に見に行った真ん中のはどんな話だったのか
すら知らずに行って、どーかなーと思ったけれども、まあこれはこれとして
すっごい壮大に世界が壊されてく感じで、おお~~と見入ってしまった。
私は一応昔の初期三部作?っていうのかな、どーなのかな、わかんないけど、
それは見てる。あんまりちゃんとは覚えてないけど、まあ、見てる。
ウルヴァリンのも多分大体見てる。と、思う。X-MENていっぱいありすぎじゃ
ない?? あんまり把握できてないけどいいかなあ。。。

で、この、若き日からのチャールズ、後のつるつる頭プロフェッサーと、
マグニートーになるエリックとの出会いからの三部作はなんか人気あるみたい
だなあと思っていて、わかんないかもしれないけど見に行けてよかった。
でもきっとこのシリーズに思い入れあって、エリックやチャールズ好き、とか、
他にもいろいろ個性派キャラいっぱいで、そういうのが好き、っていうほうが
断然面白いんだろうなあと思う。
ぼんやりとしかわかっていない私ですら、あ~若き日の彼らがこーなって。
そして老教授になってくあの昔の映画に繋がっていくようになるのかあ、と、
なんだかはるかな気分に浸ってしまった。
頭つるつるになるのはアポカリプスに乗っ取られそうになった危機の時の
出来事だったのね。
タイヘンだったねチャールズ。

エリックは、またしても家族を奪われることになって可哀想すぎる。。。
少年の日にも目の前で家族奪われたんだよねえ。。。エリックへの試練が
重すぎるのでは。
でもそれでも、エリックちょっと待て落ち着け、と、言いたい。あああ。
でも結局は今回もチャールズを助けるほうへ行動するのね。

でも、老人になってた昔のやつではまた対立してたよね? ミュータントと
人間とのかかわりについての思想の対立は乗り越えられないものなのか。
でもでも、エリック、チャールズのことを物凄く大事に思ってるよね?
何よりも大事にしたい人がそこにいるのでは。と、思っちゃったけどなあ。
なんで出て行こうとするの~。

ジーンは女神なのか。ウルヴァリンとそういう因縁持つことになったのか。
クイックシルバーって。誰。
いろいろキャラがわかってないんだけど、まあうっすらと、ああでも彼らは
後にあーなってこーなって、とか思う。
もっとキャラがわかってたら楽しかったかなあ。

やっぱり地球がすっごいタイヘンなことに! という迫力はスクリーンで
見てよかったし、気になってたので見て満足はした。
でもやっぱりどうせならちゃんと三部作順に見て置いたほうがよかったかなあ。
反省。

|

映画「ライオット・クラブ」、「神のゆらぎ」、「ブリーダー」

*ネタバレ、結末まで触れています。


先日19日、カリコレ2016で3本映画見ました。一日新宿にいたよ。
帰省があって、日程が難しくて、ちょうど最終日に見たかったやつ3つ
まとまってると思ってとった。一日に三本かあ、と見る前はちょっと悩んだけど、
休憩一時間とる感じでほどよく一日過ごしました。見に行けてよかった。


映画「ライオット・クラブ」

オックスフォード大学新入生のマイルズ、アリステア。マイルズの部屋を希望
するアリステアの両親にマイルズは気軽に応じて部屋を譲る。
討論でもペアを組むことになった二人だが、いつも優秀な兄に比べられていて
屈折のあるアリステアは楽しく大学生活をスタートさせているように見える
マイルズをどこか嫌っていた。
オックスフォードの中でも密かに選りすぐりのエリートが作るライオット・クラブ
というものがある。学生時代には羽目を外して大いに騒ぐ彼らの欠員に誘われた
マイルズとアリステア。入会の儀式を経て、メンバーとなることができた。
近場の店は出入り禁止ばかりなので郊外のこぢんまりとしたレストランで晩餐会を
開くことになる。
金なら払う、と、やりたい放題に店を荒らすメンバー。酒、薬たっぷり。
マイルズの彼女が呼び出されて侮辱を受けたり、注意しにきた店主へ暴行したり。
ようやく我に返ると、メンバーを守るために一人生贄を差し出そうとする、
どこまでも自己中心的な腐った特権意識の若者たち。

2014年の作品で、宣伝スチールなんかを見てて、タキシード姿で高慢そうな
英国男子ずらりとした感じに、うわ~すごいかっこいい見たい!と思っていた。
英国の特権階級の素晴らしきエリートで酷いクズの映画らしい、と。
オックスフォードってそんな感じなのかなあ? まあ映画だけど。
途中、彼女が呼び出された時にはレイプの心配しちゃったけどそれはなくて
まあ酷かったけどそこだけはほっとした。
それぞれにハンサムな若者たちだった。今後育っていい俳優になっていくのかなあ。
それも楽しみ。でも名前は覚えられないワタシ(^^;

結局アリステア一人に前科がつくことになったみたいだけど、メンバーを守る
ためにも飲んでくれ、あとの面倒は見るってことで有力者の助けはくるし、
上流階級は上流階級でやっぱ自分たちだけうまいことやるよーになってるんだ。
まあそっかそっか。
映画としては、さらっとまとまってる感じ。個人的にはもうちょっとどろっと
踏み込んで欲しい気はしたけど。でも見られてよかった。満足。


映画「神のゆらぎ」


グザヴィエ・ドランを見たくて行った。
監督とかではなく俳優としての彼。白血病だけれども、信仰によって輸血は
禁じられているため、治療を受けることはできない。
彼女? 婚約者? は医者である。
ある夜、飛行機事故で多くの犠牲が出て、ただ一人の生存者が病院に運ばれて
くる。身元がわからないその患者は容体が安定せず、輸血が必要となる。
同じ血液型である彼女が輸血用の献血を頼まれる。信仰とのはざまでゆれ、
一度は断るのだけれども、結局彼女は献血に応じる。
信仰の場を追われることになるのに。

エホバの証人の信者として生きる人。飛行機に乗る人、一人生き残った人物は
誰なのか、と、いう謎と、それらしき人物たちの人生の断片が描かれる。
時間軸が私はちょっと最初混乱してしまったけれども、それはゆっくり理解
できる。信仰というか、人それぞれな人生、いかに生きるか、ということを
静謐な清らかな感じで描きだしている。
信仰で悩むとかそれまでの人生をがらりと変えるかどうかとか、かなり重い
問題があって、苦しかった。でもそれを淡々と距離保ってうつしだしている
感じは好きだった。うーん。選ぶ、って、辛いね。


映画「ブリーダー」

これは二回目見ちゃった。
二回目なので、展開はわかってる。初めて見た時には、えっ、えっ、とびっくり
しながらめいっぱいで見たけど、今回は話がどうなっちゃうの、というのは
おいといて、それぞれの人物がじわじわとずれていくのをうるうるで見守った。
どうしてこうなっちゃうんだよ、と、ほんと、思う。辛い。

もうわかってるのに、レニーの不器用な恋心に、がんばれ~大丈夫だよ~
がんばれがんばれ~~!!と応援モードで見る。可愛いなあ。マッツ可愛い~。
レニーたんは監督の分身、ということらしい。
そっかそうだねと思う。
映画の話しかしないのかよ、とキッチョに言われて、母親みたいな言い草だ、
って不機嫌になったりするんだけど。だから母親とは話もしてない、とか。
映画の終りに、ママに捧げる、みたいな献辞(?)が出て、初めて見た時には
こういう映画母に捧げるの? ってちょっと不思議だったけど、これはでも、
映画の話ばっかで他に話もしなかったりだった母に、僕映画監督になったよ、
っていう報告なのかなあと思った。

そして二回目見てもわかってるのに気まずさマックスな生々しさがほんと
いたたまれないと思った。凄い。こわいわあ。
面白かった。レフン監督のをほんと他にも見てみないといけない。


|

『デス・コレクターズ』(ジャック・カーリィ/文春文庫)

*ネタバレ、結末まで触れています。


『デス・コレクターズ』(ジャック・カーリィ/文春文庫)


1972年、モビール市、モビール郡裁判所。連続殺人犯のマーズレン・ヘクスキャンプ
に死刑が宣告された。その判決をうけた直後、ヘクスキャンプの裁判の間中、
裁判所で黒い服、ベールをつけて泣き続けていた女が、彼を刺し殺し自殺した。
死にゆくヘクスキャンプの最期の声を聞いた刑事、ウィロウ。「追え……
輝かしいアートを」

それから30年あまり。「現在」のモビール市。
僕、カーソン刑事は表彰されに行く途中、女性の死体を発見する。
それは実は今に始まる連続殺人の犠牲者の一人だった。


前作『百番目の男』の続き。二作目。この文庫は2006年刊。本国では2005年刊か。
続きといっても事件はまた別物。カーソンくんはアヴァと別れてしまったのね。
アヴァの方がモビールを去った、ということらしい。前作ラスト事件の被害者に
なって大変だったもんねえ。で、カーソンくんはテレビリポーターのダンベリー
と勢いというかはずみというか、付き合う? セフレ? みたいになった。
おいおい。
まあそういうものか。

事件は過去の亡霊がよみがえるような感じ。
ヘクスキャンプはカルト教祖であり画家でもあって、彼の残した作品が密かに
取引され莫大な金が動くのではないか、という感じ。そして死者も増える。
PISIT案件だってことでカーソンとハリーが捜査にあたるけど、ダンベリーも
加わってトリオで事件を追う。

しかし今回、ジェレミーおにーちゃんの出番弱くてちょっと残念。カーソンくん
お兄ちゃんに対して酷いじゃないの。と、なんかついジェレミーの方が好き
なんだけど、まあ、な。いやまあジェレミーはレクター博士じゃないし、と思う
けども、まあ。
なんだかやっぱりカーソンくんがガキっぽくって、もちろん優秀有能だとは
思うんだけど、ん~もっとしっかりしろ~、という気がしてしまう。
ダンベリーとまんまとやりはじめたりする感じも、まーそーなのねそうなるね~
と、つい、ひいてしまう。私個人的にはキャラへの思い入れが持てないなあ。

デス・コレクターズというのは、殺人絡みのグッズ集めとかしてしまう人々
ということかな。死刑囚にファンがつくとかあるよねと、ドラマなんかの
影響で納得。ちょっと前にもサイコパス者たちの作品(?)展覧会みたいなの
あったよなと思う。なんだかそういうものに引き付けられるという感じはわかる。

ヘクスキャンプの場合、カリュプソという運命の女に出会ったことが大きくて
黒幕はカリュプソか~って感じで、あ、実は弱々しく平凡に見えた事務員が、
みたいな感じもうんうんと思う。
今回もカーソンくんはラストの方ではカリュプソに囚われちゃった。
たまたまウィロウ元刑事に助けられたけど、ウィロウが犠牲になってしまう。
うーん。
カーソンくんはいまいち頼りにならず。カーソンくんがヒロインポジションか。
結局最後には守られる側、という。
ジェレミーお兄ちゃんがそうしてくれてたもんね。そうだ姫なのは弟である
カーソンだな~。
ダンベリーともカーソンくんのほうが受っぽいしな~。
ハリーからも守られてるしな~~。
次からはカーソンくんのいまいち甘いいまいち馬鹿っぽい、いまいち弱い、
そういうのを愛でるように読もうかな。読めるかなあ。

|

映画「秘密 THE TOP SECRET」

*ネタバレかなあ。


映画「秘密 THE TOP SECRET」


死体の脳に特殊な操作を施し、神経を活性化させて映像を取り出す。
死者の記憶を見る技術が実用化されようとしている。殺人事件の捜査に役立てる
べく設立された通称「第九」。若くしてそのトップに立つ薪警視正に選ばれて
青木は配属早々、死刑囚の脳を見る任務についた。

清水玲子さんの原作漫画大好き。すごく大好き、なので、映画化の話を知った
時には、うへえ~無理~~絶対無理ーーっ、と思ったのだけれども、やっぱり
気になって見に行ってきた。
大友監督ということでちょっと期待もした。別物と割り切って見ようと思った。

けれども、まあ、うーん。
私が原作大好きすぎてダメなんだろうか。
大好きといいつつ、漫画読んでいたのは結構前だし記憶曖昧になってるけど、
でも好きだったこと、シーンの断片は覚えてるわけで、えええ? そんなこんな
話だったっけ?? と、ついつい思ってしまった。

それにしても、多分なんだかいろいろとお話要素を詰め込んでごっちゃごっちゃ
してる気がする。ごっちゃごっちゃいろいろあるのにもたもたしてて処理しきれて
いない気がする。

キャストは熱演してるね! と思ったよ。がんばってるね。
でもがんばってるねとか思わせちゃダメだよねえ。。。それは。。。
うーん。

とはいえ、トンデモ科学っぽいわ~、という死者の脳から映像へというビジュアル
だとか、薪さんや青木くんの部屋の感じとかは好きだった。

あとビジュアルがんばってるんだろうな~、たぶん。と思ったのはなんだか
おしゃれにスーツ、三つ揃いだったりして、バッと上着脱いでベスト姿になって、
ホルスターつけてて銃携帯してて。おお~いい、好き、な、感じ、と。
私、そういうの好きなんだけど、なーんかいまいちかっこよくなりきれてないと
思った。なんでだろう。。。
岡田くんやっぱ綺麗な顔してるわ~と思ったし、生田斗真も、ええまあ、薪さん
がんばってやってくれてるなと思ったし。スタイルももちろん悪くないはず。
なのに、スーツ姿が。せっかくのベスト姿が。なんか私としてはいまいちに
見えた。
ちゃんと仕立てたのかなあ。サイズ感? シルエット? あえてのああいう
シルエット?? うーん。
まあ、スーツってやっぱ西洋人のほうが決まるものなんだろうとは思う。
洋画洋ドラにはまってるので、そらまーハリウッドスターのきめきめスーツ姿
とは比べるものじゃないかなーと思う。でもな~。
薪さんは、あれなんで寒がりさんなの? 寒がりさんぽい感じに首ガードしてた
けど、そういうもんだっけ。うーん。
人前で倒れたりして大丈夫? あやういなあ。

一応、やっぱ見に行っておいてよかったなと思うんだけれども、どーにも
なんか、やっぱ私にはのりきれなかった、という印象。
ま、ポイント使って無料鑑賞でしたし。
まー難しいねー、と、思いました。

|

『追われる男』(ジェフリー・ハウスホールド/創元推理文庫)

*ネタバレ、結末まで触れています。


『追われる男』(ジェフリー・ハウスホールド/創元推理文庫)


「わたし」はとある大物を狙撃しようと狙っていたところを見つかり、拘束
された。だがあくまで誤解だ、と主張し拷問にも耐えたわたしは、事故を装う
ように崖から突き落とされたあと、なんとか逃げ延びて英国へ戻る。
だが執拗な追手を感じ、イングランドの荒野へ身を隠す。それでも、追手は
迫ってきていた。

ベネディクト・カンバーバッチが映画化主演するのかも? というニュースを見て
読んでみようかなと思った。1939年の作品。古いんだなあ。私が読んだのは
2002年の新訳決定版とかいうやつ。英国冒険小説の傑作として名高いようで、
今でもこうして現役で人気なのね。

暗殺しようとして狙ったのは、ヒトラーらしい。らしい、というのを本文読んでる
時にはピンとくることができなかった。時代背景みたいなことはあまり説明ない。
そっか1939年当時としてはわざわざなんだかんだ書かないか。
まあなんかでも敵がいて、個人的義憤みたいな感じで? 暗殺こころみる?
スパイものって感じでもなくて、愚かな私にはちょっとそのへんあんまりわからない
なーと思いながら気にしないで読んでしまった。

というのも、この小説、大部分は一人で身を隠して荒野でキャンプしてる。
冒険小説というのかサバイバル小説というのか、キャンプの勧めというか(笑)
逃げる、生き延びる、という話だった。
終盤にはついに追手に見つかって、身を潜める穴倉を塞がれて、どーする!?
ってなって、山猫の犠牲の上で不意を突いてやっつけることに成功して。
そしてさらに逃げ延びてまた暗殺にむかうらしい、というところで終わる。
手記なんですね。
英国人て、というかヨーロッパ人て、手記書き残すよね~、という印象。

根本としては、個人的復讐なのか。愛した女性が国家に殺されたのか。
スポーツマンだぞとか身分高いということもしばしば強調されていて、そして
僕は殺人を犯したとか堂々と告白してるわけで、なんか、あ~。お貴族様、
って、そっか。と、なんとなく納得する。面白かった。

ベネたんがやるとしてとても似合いそうと思う。ほんとに映画になるのかな。
なったとして日本でちゃんと公開になるのかなあ。楽しみにしておこう。

|

映画「シン・ゴジラ」

*ネタバレ、結末まで触れています。


映画「シン・ゴジラ」


昨日やっと見に行けました。
始まった途端にすごくよかったという評判が凄くて、見に行くつもりなので
できるだけ見ないようにやり過ごしてきて、でも実際見ると、少々のネタバレは
私は気にしなくてよかったかな。とにかくゴジラに圧倒される。圧倒されまくる。

私はゴジラシリーズを全部見ているわけではない。
けれど、第一作目は名作上映みたいな時に映画館で見ました。それもかなり昔
なので、あまり細部をきちんと覚えているわけではない。
けれど、一作目ゴジラは、あまりにも戦後そのもので、核の恐怖虚しさで、
怪獣映画だぎゃおー、みたいなイメージとはまるで違う、とずっしり重く感じた
ことは覚えています。

今回「シン・ゴジラ」は、一作目リスペクト、みたいなことは知ってて、3.11
であるという感じも知ってて、そして見て、やっぱり物凄くずっしり重く苦しく
あの震災を直近に知っている観客の自分、ということを考えました。

ゴジラは最初名前もなく理屈も何も不明な巨大生物で、ただわけのわからない
うちに東京にやってきた災害だった。
海から、川をさかのぼる。水が地上へ押し寄せ船が押し上げられていく。
一筋の脅威として襲ってくる災害。
でもあのゴジラは一筋だけど、震災の津波は海が面になって襲い掛かってきた
んだよな、と、思う。その時の体の奥から冷えてゆくような言葉を失くす恐怖を
どうしても思い出す。
ゴジラは目に見える厄災。
目の当たりにする人の恐怖と、それに人はどう対応するか。人を守り、厄災の、
だが生き物である「あれ」を捕獲、あるいは駆除。そのシュミレーションを
リアルに描きだす。
リアルに、とはいえ、もちろんフィクションでファンタジーでエンタテイメント。
ゴジラの動きや被害に震えながらも、私はでもゴジラ映画だから、これは、
きっと、なんとかなるんだから、と心の中で怯えと楽観を同時に感じていた。

初期形態のゴジラがまたもうすっごい気持ち悪くてさ~~~。
何あれ怖すぎる;;
ぬるぬるどろどろ。べしゃべちゃ体液みたいなのまき散らす。
最初水棲生物かと思われたところから立ち上がり変化、進化する。
そのどろどろっぷり。
巨神兵だ。
腐ってやがる。
と思うよねあれもうヤダ絶対。真ん丸な目が無表情で怖い。顔がウツボ、と
いうのを見かけたけどほんとそう。あ、これ話通じるとか無理なやつ。
で、んぎゃーと立ち上がって、進化して、また海へ戻っていく。
ほっ。

ゴジラはやってきては消える、動かなくなる、など、インターバルがあるので、
その間に人間たちはなんとかしなくちゃ、って頑張る時間ができる。
活動期間が無限じゃなくてよかった;;
まあ基本生き物である、ということで、殺せるだろうということになるし
生きて行く活動エネルギーは? 核分裂、核処理に時間がかかっちゃう、とか、
なんとなくとまっちゃうことの説明はついてた、の、かなあ。
まあ何にせよ厄災は人知を超えて動いたり止まったりするんだなと、その程度
の理解です私。
吹き荒れ続ける台風はない揺れ続ける地震はない。と、思いたい。

ゴジラの動きは、野村萬斎さまのモーションキャプチャーだったそうですね。
その情報は見てたんだけど、実際始まって動いてる時にはすっかり忘れてた。
とにかくゴジラに圧倒されるから。
最初は気持ち悪くて。
次には巨大で。頑丈すぎて。
手が小さすぎるとか尻尾が長すぎるとかのバランスの悪さの気持ち悪さも
あって、あのいびつな、圧倒的な造形には恐れ入る。こわい。
ゆるく地を蹂躙してゆく動きの、天災厄災な恐怖は、後から思えばなるほど
重々しくすり足できる萬斎さまなのかな、と、思わなくもない。
とにかく見てる最中はほんともうゴジラに圧倒されるから。

二度目の上陸は鎌倉からなんですよねー。
それから川崎へ。そしてまた東京へ入っていく。
ということはうちはその途中ルートでやられてる可能性が高いのでは? なんて
思ったりもした。
ゴジラの移動は首都圏で、あ~~~あの辺~あ~~、と概ね地理感覚がつかめる
のが面白かった。
私は関東にきて8年目くらいかな。地方にいたままだと地理感覚みたいなことは
わからないので、今見られてよかったなとは思う。けど、まあ別にそれは
わからなくてもいいことなので。それに東京の街ってどこもすでに有名だし。
でもそうだ、電車の、いっぱい!電車!新幹線在来線無人操縦爆弾にしちゃう!
みたいなのはリアル感が違うかなあ。
最初にやられちゃう京急は、ああ~まさに前日、羽田から京急乗って帰ってきた
ところだよ~ああ~京急~! みたいな気分は楽しかった。

そして、日本の背広きたリーマンたちの会議につぐ会議!
背広から作業着、安全着? 防護服迷彩服、あああ~~~~おっさんたちよ!
みっしりとした会議のくりかえしに圧倒される。

政府の対応がとか避難させる大変さとか、対策本部、会議会議、発表、対応、
巨大災害が起きた時のいろんな動きがわかる、と思ってしまう。
もちろん私はただの一般人なので政治家や官僚たちがどんな風なのか実際に
知ってるわけじゃないし、あれは映画のフィクションだしと思うけれども、
ああいう動きとか会話とかの感じがリアルにわかるような気がすると思って
しまうのが、「今」という気がした。
巨大地震、原発災害を経験した今の私の感じ。あ、経験した、ではないなあ、
直接体験ではないけれど、その現実があったことの一端を知っている私。

終戦直近だった一作目ゴジラ。
3.11直近のシン・ゴジラ。

3.11後、世界の軸が歪み、ずれて、SFの中の世界にいるのではないか、と、
何度も思ったことを改めて想起する。あの直後の頃の東京の異様な空気。
公園でウォーキングしてる風ななんでもなさそうなただのおばさんが片手に
放射線計るようなものを持っているのに気づいてしまった時のことを思い出す。
チガウ世界になってしまった、という空恐ろしい実感を思い出す。

ゴジラはでも生物だから。
殺せるはず。
手はあるはず。
と、莫大な被害の中で日本総力をあげて、世界の助けも借りて、なんとか
道をさぐっていく登場人物たち。
それぞれが出来ることを全力で精一杯に。
事件は会議室で動かす。人脈で根回しで動かす。とにかく今できることを
目いっぱいにやり抜く!

世界の助けを借りて、とはいえ国連アメリカの決定は熱核兵器を使うという
ことで、そのタイムリミット、ゴジラがまた動き出すのではないかという
リミットのぎりぎりさが否応なくテンション上がる~!

また巨神兵のごとく、炎どころか熱線核ビームみたいなやつ? で街を焼き払
われたらたまったもんじゃない。
こわい。早く。なんとかして。
ゴジラをとめて。
核を使うしかないのか? 核をまたしても落とされていいのか? いいわけない!
ぐお~!

てことで、ヤシマ作戦的にまたはたらくくるまがかき集められ、重機大活躍、
ゴジラに凝固剤飲ませるぞ~!って作戦。ふー。

その前にも自衛隊が川崎からくるゴジラを東京に入れるの阻止!って
河川敷で防衛ラインひいての戦いにももえた。
くー。戦車!ヘリ!火器!全弾命中!!!
なのに、まったく倒れないゴジラ;; こわかった;;


長谷川博己演じる矢口が中心人物で。若き政治家でなかなかいいポストにいて
しっかり熱く仕事する人で、も~最高にかっこよかった!!!
白石の美貌って感じ。
秘書の志村くんもいいし~。
前例のない災害対策に通常の出世ルートからは落ちこぼれたような、個性派
変人な感じのだが有能な人材集めのチームも、ま~かっこいいわ。
大胆な仮説思いついちゃうぶっきらぼうなヒロミちゃんも素敵。
ふにゃっとした今時の若者っぽい安田くんも可愛い。
矢口以上にしたたかそうな少しだけ年上っぽい赤坂さんも優秀~!かっこいい。
自衛隊には国村隼さんが。あああああ~かっこいい~~。

日本のあらゆるおっさんおじさん若手から中堅俳優集合って感じの、
バリエーション豊かな会議、チーム、最高かっこいいいい~。
総理、ご決断を。
と、何度繰り返されたことか。

アメリカからの使者というかなんというか、石原さとみ演じるカヨコ。
彼女のアニメキャラっぽさは凄いな。
まあやっぱさすが庵野監督というか、キャラ造形は基本的にベタで、アニメを
実写でやってるなあと思うこと多々あり、やっぱカップラーメンだねえとか、
でもおにぎりの差し入れかあ、とか、思い、やたらアップがたっぷりで
感情たっぷりというより棒読みに近いセリフ回しさせて、テキパキサクサク
進むためにベタな人物いっぱい、と思う。けどそれにしても、カヨコの
アニメっぽさは群を抜いて凄かった。なるほどぉ。


庵野作品に私は詳しいわけではなく、エヴァにドハマリしたけど詳しいわけでは
なく、劇場版はただただ楽しみにしていて、完成するといいなあとぼんやり
思っている。
今回ゴジラを見て、ああやっぱり庵野監督作品だなあと思ったけれど、
何がどう、という分析は上手くできない。そういうの上手い人の言説は
もういっぱいあるし、映画見終わって私もやっとネタバレ感想のいろいろを
見て回って、なるほど~すごいと思う。
こんな風にいろんな人のいろんな感想、考察、分析、読みをたっぷりと
引き出すのがまさに庵野監督作品なんだなあと思う。

巨神兵現る、みたいな、特撮のショートフィルムも見た。
あの特撮。あのミニチュアが壊れていく感じを、シン・ゴジラでも見て、
絶妙なレトロさみたいなのを味わったけれど、どれがほんどに特撮のミニチュア
なのかって正確にわかるわけじゃない。
音楽も、ゴジラシリーズから引用たくさんとか、まさにヤシマ作戦あがる~、
とか、さらに、みたいなことがいっぱいあるらしい。
二度三度と見たくなる。いろんな人のいろんな感想見てまた自分も見たくなる
作品だと思う。

ラスト。あの尻尾の先が苦悩する人型のいびつなくっつきあわせみたいだった
こと。あのさきっぽから放射線ビームみたいなの出てたくせに。何あれ?
今の私個人的には、ハンニバルの人体トーテムポールを一番に連想したけど、
まあこれはあくまで個人的なところ。
多分そんな風に見た人それぞれに違ういろんなバックボーンがあって、見た
ものをどう見るか、違ってくるんだと思う。
やっぱり見に行ってよかった。
とても重くつらく苦しい気分にもなったけれども、すごく面白かった。
よくこんなのつくって完成させたねえ。
これからも沢山出てくるだろういろんな言説をまた楽しみたいと思う。


|

映画「ブリーダー」

*ネタバレ、結末まで触れています。


映画「ブリーダー」


1999年制作。デンマーク。
カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション2016、カリコレでやって
くれるというのを知ってからすごく楽しみにしてた。ありがとう~!

ニコラス・ウィンディング・レフン監督。「ドライブ」が出世作なのかな。
私は見逃してしまって、今回これが初めて見る作品。
マッツ・ミケルセン、は、主演? 主演ではないのかな。メイン4人の男たちの
うちの一人。レンタルビデオ屋で働くレニー。映画マニアで映画の話ばっかり
してて、気になる女の子がいるけど、まず声をかけるところから戸惑っている
シャイボーイな役で、めっちゃ可愛い~~~~!!!

レオは恋人ルイースの妊娠を告げられる。子どもが欲しくないの? と詰め寄ら
れるとそんなことはないというが、父親になるということに不安がつのる。
ルイースの兄、ルイは妹をよろしく頼むという。
レオ、レニー、ルイ、 ビデオ屋店主(?)のキッチュは、毎週そろって
ビデオを見る。ちょっといい服に着替えて四人のんびりだらだらと楽しむ。
レオはルイの働く店で揉め事の時に銃で撃たれる知人を見て以来、自分も
銃が欲しいという思いにとりつかれる。

恋人の妊娠を受け入れられないレオ。苛立ちのあまり彼女に手をあげてしまい、
それを知ったルイに次やったらぶちのめす、と脅される。

レニーは、気になる彼女、レアを映画に行こうと誘うことに成功したが、実際
待ち合わせの場の近くまで行って、やっぱり気おくれしてデートをすっぽかして
しまう。
誰とも映画のことくらいしか話せないレニー。

子どもが生まれることを楽しみにしている様子にレオはまたしても苛立ちをぶつけ、
ルイはついにレオを拉致し、HIV患者の血液を注射するという暴挙に出る。
どうしてこうなるんだ、恋人のことは愛してる、互いに愛してるのに、と、絶望
したレオは、銃を持ってルイを待ち伏せ、撃ち殺して自分の頭も撃ちぬいた。

二人だけになったレニーとキッチュ。次の映画は何を見る? と、ぼんやりと
話す。レニーはだが少しだけ変化して、レアに謝りにいって、もう一度デートに
誘う。今度は逃げずに、彼女と新しいことに一歩踏み出す。

というような感じかなあ。なんだかやっぱり全然あんまり説明はされなくて
レオは実際何の仕事してんだろーとか、いやいやいやなんかみんなあまりにも
雑じゃない??? 大丈夫??? ちょっと落ち着いて話そうか??? と
いろいろ不思議な気分になった。
絶望的に貧しいわけではないようだけれども、どうにもチンピラで、堅実さとか
未来への希望みたいなことはまるでなさそうで。
アラブ移民への差別軋轢みたいなのもあったけど、そういう社会的問題みたいな
ことがコペンハーゲンでどのくらい普通にあるのかどうか私は実際のところは
知らなくてわからなくて。
でもなんだか荒れている若者、いや、若者っていっても多分彼ら20代後半、
30前後みたいな感じかな? もう若者じゃいられない、ってなって苦しい、
というところかなあ。

子どもが生まれる、ということに戸惑い苛立ち自分が自分だけじゃなくて父親に
なるなんて、自分の人生が奪われるように感じてしまう、というのは、なんか
ありそうというかリアルな気がする。

レニーは映画大好きで、映画に囲まれているビデオ屋さんにいることを気に入って
いる。レニーが癒しの存在だなあ。全然スマートにふるまえないけど、その
上手くいかない具合がすごくリアルだと思った。

そう、この映画、すごく気まずい、嫌な空気になる場の雰囲気みたいなのを
物凄く生々しくうつしだしていると思った。ううあ~いたたまれない~~嫌だ
こんなところに居合わせたくない、と思うシーンがいっぱい。
くすくす笑っちゃうユーモラスなところもあるんだけれど、うっ、これはキツイ、
ヤダ、っていうところもいっぱい。
バイオレンスも。華麗な格闘シーンとかではなくて、生々しい地味さがすごく
キツイと思った。

ぎゅわーんとくる音楽も、ぼわーとしてたりどぎつく鮮やかになったりもする
色彩の感じも、なんだかいろいろと新鮮に感じた。

上着の肩のほつれ、やぶれを気にせず着てるレニー。夕食にパスタを雑に
ゆでて雑に皿にとって雑にケチャップかけただけで食べるレニー。
レアに思い切って話しかけてみても気まずい感じになっちゃうレニー。
葬儀に行きたくない、って墓地の前まで行っておきながら帰っちゃうレニー。
やっとレアをもう一度誘いに行くレニー。
レニー、大丈夫だよきみはすごくハンサムだよがんばれ!と、何度も心の中で
応援してしまう。可愛い。はー。マッツ可愛い。

見終わった時には、何だこれ??? こんなの見たことない不思議な感触、と
思った。見に行けてよかったなあ。
レフン監督作品を他にも見てみなくてはと思った。

|

映画「ルートヴィヒ 完全復元版」

*ネタバレ、結末まで触れています。


映画「ルートヴィヒ 完全復元版」


制作年は1972年。しかし公開時には140分、その後180分があり、この「完全復元版」
というのは、監督の当初の構想に近いバージョン、とのことで237分。約四時間。
長い。。。とひるんだけれども、スクリーンで見られる機会、沢山はないと
思って近くにきてくれたし見に行った。
二時間くらいのところで休憩はいった。まーね。

教授だとか内閣大臣だとかなんだかいろいろな人が証言して狂王ルートヴィヒを
退位に追い込もう、という構造。
印象的なのは、人物を半分陰にして撮っている画。深い陰影がとてつもなく美しい。
従僕やちょっとした脇役おじさんまでいろんなハンサムが取り揃えられている感じ。
美しい~。

若き国王として即位するところから始まる。不安におびえる青年。緊張して
冷たい美貌。豪華絢爛な屋敷、装飾品。女たちのドレス、宝飾品。軍服、勲章、
マント、錫、王冠。しょっぱなからもうスクリーンいっぱい隅々までこれでもか
これでもかと、華麗な世界。こういうのって、美術館で名画として飾られている、
そういう丹精込めて描かれた色、構図、姿、そういうやつ。
豪華な衣装や宝飾って権威だなあとしみじみ実感する。
どんな小さな調度品も精緻に飾られている。つるんとしたところ一つもない感じ。
四時間、ずーーーーーっと美術展覧会のようだった。素晴らしい。凄い。

その豪華な絵の中で動くキャストたち。動く絵画。美しい。凄い。
ルートヴィヒのブルーグレイの瞳のなんとうつくしく撮られていることか。
若い頃の、すっと伸びた体、きびきびとした動きは神経質さも感じられて、
歩いているだけで芸術的。
それが年を経てくると、動きの鋭さは減り、顔も青年期とは違ってくる。
なんでだよ。凄い。もちろん圧倒的に美貌。虫歯で歯が黒くなってもそれは闇。
圧倒的美貌。そして虚ろ。

恋したのはエリザベートだけ。どんなに贅を尽くして男の子はべらせても、
ルートヴィヒは満たされない。
惚れ込んだワーグナーもなんだかろくでなしでさ~~~。も~~~。

昔見に行ったことあるけど、昔昔すぎてもう記憶曖昧。
こういうシーンあったな、と断片的には覚えていて、たっぷり増えたところが
どこなのかはっきりとは私にはわかんないけど。
婚約をして、女優に練習させようとするところとかは見たことない気がする。
ああいうの、逆効果でしょ。。。なんでもっといい女を選ばないんだよ。
終盤、精神状態がよくないから退位させよう、と隔離しにこようとして、と
いうあたりも増えてるところかなあ。一応ぼんやりとヨーロッパの歴史とか
思い出そうとしてみたけどあんまりは知らないなりに、王族のどろどろも
大変だなあと思ってみたり。
死の真相はよくわからないけれど。自殺? うーん。
でも、隔離されてああいう所で、つつましくなんて長く生きられる気はしない。
毒をちゃんと手に入れていればすぐにでも自殺したのだろうか。
最後、水から引き揚げられた死体の横顔がずーっと映る中エンドロール出て、
茫然とただ死に顔を見ていた。

こんな作品を、こんな美の世界を、映画に残してくれてありがとうと思う。
映画に焼き付けられた永遠を思う。映画の神様ほんとにありがとう。
ブルーレイが出るようなので思わず予約ポチったわ。

|

『百番目の男』(ジャック・カーリィ/文春文庫)

*ネタバレ、結末まで触れています。


『百番目の男』(ジャック・カーリィ/文春文庫)


カーソン・ライダー、僕。モビール市の刑事である。PISITという、精神病理・
社会病理捜査班に所属。とはいえ、相棒の刑事ハリー・ノーチラスと二人の班。
一年前、警官だったころに、異常犯罪を解決に導くことができて大抜擢された。

首のない死体が発見される。事件捜査に張り切るカーソンだったが、上層部で
出世争いに精を出すスクウィルにことごとく邪魔される。
検死を担当する新任の病理学者アヴァ・ダヴェネルのアル中トラブルを助け
ながら、カーソンは事件を追う。

ってことで事件そのものと、モビール警察、検視局などなどの人物関係が
あちこちいろいろしながら進んでいく。
カーソンがまだ若い、のか。はっきり明記はされてなかったと思うけど、多分
20代後半、くらい? 正義感なのかなんていうか、スクウィルに突っかかって
いったり、アヴァに振り回されたり、なかなかスマートに事を運べなくて、
んも~馬鹿か~、とちょっとイラっとくる。
実はカーソンには秘密がある。兄がいて、精神医療施設で監禁生活中。
サイコパスなのかな。そうでもないのか。ともあれ、狂気の天才なわけで、
一年前の捜査でも密かに兄の協力を得ていた。狂気の犯人の心理が本当に分かる
のは同じく狂気の中にいるジェレミーというわけ。
この文庫は2005年に出てて、本国だと2004年だったのかな。
まーこれもレクター博士の系譜って感じだ。
ジェレミーの執着は弟にある。ジェレミーは家庭内でたぶん虐待にあっていた。
性的虐待だったのかなあ、明確ではなかったかと思うけど。弟と守って家族を
殺した感じ。家族だけじゃなくて殺人続けたのかな。虐待の果ての殺人へいった
としたら、なかなか辛い。弟としては複雑。
そして事件解決のヒントをもらうためには自分を差し出すという取引が必要。
って、その辺はかなりもえたんだけど。

でもなー。どーもカーリーくんが、なんか、もうちょっとうまくやれないのか、
と思ってしまう。でもまだこれが初登場な物語なので、今後成長していくと
いうことだろうか。
シリーズが続いて、6作出てるみたい。続けて読もうかなあ。

事件そのものは、かなり複雑に絡み合ってて、いろんな要素盛り沢山。
アヴァが攫われて、助けに行くカーリーくん、川で大変で、とか、なんかそれも
もうちょっとうまくやれないのか??? と、切羽詰まった盛り上がりだけど
ちょっとひいてしまう。
んも~。
がんばれよ。
犯人もやはりママに虐待されてた男で。自分が強くなってママにそっくりな
アヴァを捕らえてママから悪い娘を追い出すんだ、とか映画とるんだ、とか
なかなかの狂気っぷりでよかった。

最後の、兄が自殺したという電話で、ドキッとしたけど、実は兄の声色でした~と。
おにーちゃん弟が大好きなのか、というのは、なかなか素敵でよかった。
今後お兄ちゃんのことはもっと描かれていくのかな。気になる。ぼちぼち読んでみる。

|

« July 2016 | Main | September 2016 »