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映画「二ツ星の料理人」

*内容、結末まで触れています。


映画「二ツ星の料理人」


アダムは若くしてパリの二ツ星レストランで名声を得た天才料理人。
だが何か酷いことをやらかして、今はルイジアナで自分への罰として100万個の
牡蠣の殻をむいている。(10万個だったかな。。。記憶曖昧)
牡蠣の殻むきを終えて、ロンドンへ帰るアダム。
かつての友人知人を訪ね、ミシュラン三ツ星をとるべく再起をはかる。


料理人の世界は厳しそうだしがっつり体育会系な感じはしてるけど、この映画でも
厨房はまさに戦場。
料理の修行をしていくとかではなくて、すでに料理人としての腕は確かで、
一流が超一流を目指していく、というのがすっごくかっこいい。天才たちの世界
なんだよねー。話が早い。どんどん進む。

アダムが過去になんかやらかしたらしいのはわかるんだけど、あまり詳しく
説明されるわけじゃない。なんか借金抱えてるとか、かつての恩師の娘を
孕ませて逃げたみたいな感じっぽい。そして、修行仲間の店を潰したりしたらしい。
なんかとにかく、とんでもなく酷いヤツみたいなんだよねアダム。
ロンドンに戻っても、死んだと思ってたとか何したかわかってるのかとか言われる。
それでも、なんだか愛されているアダム。
天才料理人である。
アダムの料理は最高だ、って、認められてる。

でも、料理の世界って厳しい。変化も激しい。一線から離れていたアダムのセンスは
古臭い。フライパンなんて使わない、みたいに言われる。ええっそうなの?(゚Д゚)
かつての仲間、リースが開いているレストランは、科学実験みたいな調理法して、
店内も超モダン。クール。

せっかくアダムがレストランをオープンしても、料理のタイミング合わなかったり
引き抜いてきた料理人たちも調和がとれてなかったり。
苛立ち怒鳴り、テーブルの空きが出たことにショックを受けるアダム。
少しは反省して、テレビに出るぞとか。真空パックや低温調理の機会を教わり
受け入れるアダム。暴君アダムに、アダムがスカウトしたエレーヌがちゃんと
意見するのね。
目茶苦茶だったアダムが少しずつ変わっていく。

ミシュランの調査員らしき客が来たぞ、ってことで緊張感走るけど、なんとか
完璧な料理を仕上げて出す。だけど、そこでミシェルの裏切りにあう。
ソースに唐辛子を混ぜられていたのだった。
ミシェル~~っ。
かつてアダムに店を潰されていた恨みを忘れたわけじゃないんだね。。。
まあ、そうだね。。。
アダムが自分のしでかしてきたことに手ひどいしっぺ返しをくらって。
自業自得で、もう死にたい、って、リースの厨房にいって泣き崩れる。
リースのところへ行くのか~~っ。
リースもまたアダムのせいでレストランやり直したりしてた。
それなのに、翌朝、シンプルなオムレツ作って、アダムを認めて、励まして
やるんだよ。一緒に料理修行した仲間で、お前が一番だよ、って。
シェフとして、トップシェフとしてやっていく厳しさも孤独も知ってるリース
だから。アダムにそういってやれるんだなあ。
このオムレツのおいしそうなこと。泣いちゃう。

戻ってみれば、ミシュランの調査員じゃなかったっぽい、ってわかって、
ホッとする。
そして、再び、仕事にきちんと向き合い、仲間と向き合い、アダムはやっと
本当の再起に向かう。
ミシュランの調査員らしき客がまたやってきた。が。
結果、三ツ星とれたかどうかは、はっきりしないんだよね。あのラストの
トニーとアダムの表情は。三ツ星とれたぞやったー!って大はしゃぎするでもなく
ダメだったってがっくりするでもなく。穏やかに笑い合って頷き合って、と
いう感じだったと思う。三ツ星とれたな、よかった、かもしれないし、ダメ
だったけどまあいいさ、かもしれないし。
結局どっちでもよくて、三ツ星とるために、って必死になるんじゃなくて、
いい仕事していいレストラン作って上手い料理作るよ、って、そういう基本、
本質でがんばってるから、三ツ星の評価とかはまああんまり気にしない、って
ことなのかなと。

無茶苦茶で強引で独りよがりで最悪料理人なアダム、ブラッドリー・クーパー。
すっごいかっこよかったああ~。
かっこよくて、愛されちゃうの。うんうん。惚れられてしまうの。うんうん。
アダムはカウンセリングや血液検査に通えってトニーに命じられていて、
そこでもちょっとずつ心開くようになっていく。
そういう、いろいろな人のいろいろな助けがあって、アダムは立ち直るんだなあと
納得できる。なんかしでかしたことはよくわからないし、だけどまあわからなくて
もいいって納得できる。アダムは自分を罰し、それでもわかってなくて、
人に助けられてやっと、本当に反省するのね。も~馬鹿っ。だけどかっこいい。

でっ。
トニーですよ! 最高の給仕長とかアダムに言われちゃう。
アダムが転がり込んでレストラン強引に、あれ、のっとったみたいな感じ?
父のホテル、レストランを持つトニー。
二人の過去に何があったのかはこれもはっきりとはわかんないんだけど。
トニーはさあ、アダムに恋して破れて、ってことなんだよねえ。
たぶんなんか酷い目にあわされたんだよねえ。
それなのにまたアダムはトニーのところへ帰ってきて自分をレストランに雇え、
ってまたもう強引に~。
トニー健気。可哀想。でもアダムに惚れてるんだよねえ。可愛い。可愛すぎる。

エレーヌの娘の誕生日にも無情なこと言って仕事休ませなかったアダムに、
娘レストランにつれてこさせてて、ランチあげて、ケーキ作れ、って言ったの
最高にかっこよかったし。
ミシュランじゃなかった、ってわかったときにアダムがぶっちゅー!てキス
して笑う相手はトニーなの!も~! トニーがびっくりしちゃっててめっちゃ
可愛い~~~。あ~~。
アダムはさ、トニーがアダムに惚れてるのわかってて甘えちゃうし時に残酷。
朝食を作ってやろうか、とか。
「それは僕を愛せないかわりにか?」
みたいなことをトニーに言われて、うん、みたいな。それって残酷だよー。
もちろんアダムはトニーを好きなんだろうけどトニーが望むようには愛せなくて。
それは仕方ないけどさー。でもー。ああでも~。
アダムもトニーを信頼してる。大事には思ってる。難しい。
そしてトニーはアダムを許す。
厨房はアダムが。店のほうはトニーが仕切って。最高のレストランになる。
トニー。健気だよ。可愛いよ。素敵だった。

なんか全然説明してくれないな、って思ったけど、それは大体な感じが伝わる
のでいいのかなって思えた。テンポよくて人物が魅力的で面白かった。

途中、ちょいちょいフランス語になるのももえる。
フランスで修行してた仲間、みたいなところなんだよねえ。
トニーは、フランス語は苦手よくわからないみたいなこと言ってたと思うけど
ちゃんとアダムと喋ってたところもあったなあ。そういう親密さ、みたいな
感じもとてもよかった。
大好き。


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