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『自己愛な人たち』(春日武彦/講談社現代新書)


『自己愛な人たち』(春日武彦/講談社現代新書)


自己愛、というか、自意識過剰というか。持て余すほどそういうのある。
たぶんそれは多かれ少なかれ誰もが持つもので、よく働けば自己肯定だし
悪くすると自己嫌悪、妬み、劣等感になっていく、と、思う。

ソーシャル疲れというか。いいねとかあると嬉しい、から、他の人に比べて
自分は全然注目されてない自分ももっと目立ちたいかまわれたい。
っていうのが時々苦しくなる。
まーさすがにそればっかりに囚われるでもないけど、ちょっとなんか読んで
みたりして俯瞰したいなーと思ってなんとなくこれを読んでみた。

文学作品や、著者の見聞した患者さんの実例などを交えつつ、読み易くて
面白かった。
ともあれ自己愛の形は人それぞれの千差万別で、それぞれの自己愛を形成し
折り合いつけていく。
自分が生きづらくなったり他人に多大な迷惑をかけたり、社会生活が困難な
ほどになると病気となるわけだけど、傍目に病的に見えても、本人がそれで
よしとしてしまうならば他人からはなかなか手出しはできない。
精神のことって微妙だし難しいよなあ。。。
なんだか強烈な夫の一方的な強引さに従う妻のエピソードがなかなかホラーな
気分がした。家庭ってこわい。。。

二種類の自己愛があるという。「いや、二つの極があってそれを結ぶスペクトル
のどこかに位置する、という考え方である。ひとつの極は誇大型、もうひとつ
の極は過敏型と呼ばれる」(p132)

誇大型は俺様主義で目立ちたがり屋。わかりやすい。
過敏型は、自己愛が強い「からこそむしろ」醜態を恐れ臆病かつ引っ込み性、
内向的になることもある。
「彼らは露骨な自己主張をしない代わりに、他人の目を気にする。自分が他人
にどう映っているか、蔑まれていないか、馬鹿にされていないか、自分の
「本当の」素晴らしさにちゃんと気付いてくれているか。そういったことに
常にアンテナを立てているのである。いわば《隠れナルシスト》と言えようか」
(p133)

日本はどうも過敏型自己愛が多いようで、とのことで、あ~私もまさに~。
きみは素晴らしい、と、実は誰かが密かに称賛してくれないかと願うけど
自分からは行動起こせない。うへえ。恥ずかしい。
まあでもそういうの誰しも幾分はあることで、まーあまりヘンに気にしすぎ
ないようにしないとね。。。
面白くさくっと読みました。

 目次
 
 まえがき
 第1章 自己愛に似たもの
 第2章 目立ちたがる人たち
 第3章 折り合いをつける
 第4章 他人を巻き込む
 第5章 変装する自己愛
 第6章 持て余す自己愛
 あとがき


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