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映画「人生は小説よりも奇なり」

*ネタバレ、結末まで触れています。


映画「人生は小説よりも奇なり」


音楽教師のジョージと、画家のベンは39年連れ添ってきたパートナー。
同性婚をして新婚さんとなった。
だが、ジョージは教師の職を失ってしまう。
家を売って質素な暮らしにしようと思うが、次に住む家がなかなか見つからない。
家を見つけるまで、親戚や友人の家で別々に暮らすことになる二人。
親切にはしてもらうが、人の家でのいたたまれない日々。離れていることの寂しさ。
普通の暮らしの中で改めて思うそれぞれの暮らし。

昨日、16日の水曜日に見に行ってきた。
ベンは71歳だ、って言ってた。ジョージはそれよりは年下、で、どのくらい
なんだろう。50代?60代? わかんないけど、まあ、長年連れ添ってきた
二人が直面する困難。普通の暮らしで、誰の身にも起こりそうな問題で、
同性カップルではあるけれども別にだからどうってことじゃなく、普通に生きて
きた、互いを大事に愛しく思い合う二人、というのがとても可愛くて素敵だった。

NYでも、やっぱり同性婚への問題はゼロってわけじゃない、かー。
カトリック? 宗教的に厳しい学校だったからなのかなあ。ジョージが首に
されちゃうのって。公立校とかだと違うのかな? よくわからないけれども。
この映画、ほんと説明らしい説明はなくて、それぞれの暮らしのシーンを映し
出しててそこからこちらで読み取る、って感じ。まあ細々したことはうっすら
わかるくらいでいいか。

居候を受け入れる側も大変だよねえ。
難しい~。
別に誰もことさらに意地悪でもなんでもなくて、いやみんな親切なんだけど、
難しい~。

ベッドの隣にきみがいないと眠れない、みたいな感じがもうほんとにきみたち
らぶらぶね、ってにこにこしちゃう。まーそりゃたぶん39年の間にはいろいろ
あったのだけろうけど、やっと結婚して。愛し合ってて。離れてるの辛いって
改めて感じてる二人がほんと愛しい。
雨の日に寂しさに耐えかねてベンに会いにきたジョージの可愛さったらもう。

ベンは、老人で、老人であることはどうしようもなくて、いたたまれない。
年をとっているからこそ、の、よさもあるけど、でも、誰だって初めて老人に
なるんだもんなあ。親戚とはいえ突然人の家で同居になって、どっちも大変
すぎるよねー。
そのじわじわといたたまれないのが見てて辛かった。でも優しいんだよなあ。

思春期少年、ジョーイくんの難しさも、大変だし。
難しい~。
それでも、ラスト、ジョーイは光の方へゆく。未来は続く。
そういう、人が生きていく時間の物語だと思った。

ラスト、私、はっきりわからなかったんだけど。あの新たに借りることができた
家で、ベンとジョージはしばらくは一緒に暮らせたのかな? また二人で
暮らせたのだ、と、私は思う。思いたい。けど。どうだっけ。
最後のデート、とでもいうか、演奏会に行って、バーで昔話なんかしてふざけて
飲んで、じゃあまた、って別れて帰って。
あれはベンは郊外のミンディのところに居候してて、っていう時かと思ったの。
で、でも、その後、二人はまた暫くは一緒に暮らせたよね? うーん。

ベンの葬儀に行かなくてごめん。て、ジョーイがベンが最後に描いていた絵を
もってきて、そして帰りに階段のところで一人でちょっとだけ泣いちゃったのが、
すごくよかった。
喪失って、なんかこう、そのふっとした瞬間にささってくるんだね。

NYかっこいいなあとか。淡々とクールで、でも優しくて。いい映画好きな映画。
見に行けてよかった。

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