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映画「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件」

*ネタバレ、結末まで触れています。


映画「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件」

ホームズは93歳。
田舎で養蜂をし、近所に住むマンロー夫人に家政婦を頼んでいた。
日本への旅のあと、書き物の続きをしようとペンをとる。
引退した最後の事件を思い出そうとするが、記憶がはっきりしない。妙薬を
求めて日本の山椒を煎じてみる。
マンロー夫人の息子、ロジャーは昆虫、蜂が好きな少年。ホームズにかつて
のような推理をしてみせて、と言ったり、蜂の世話を手伝ったりして仲良く
なっていく。
妻の行動を相談された最後の事件。密かに夫を亡き者にしようとしているかの
ような彼女の行動の真意は。


昨日見に行きました。
日本への長旅から帰ってきた、という始まりで。山椒が記憶力の刺激にいい、
らしい、みたいな感じだったんだけど、山椒って??? そんなだっけ?
あと敗戦後の日本って感じでいくつかシーンあったけれども、なんか、やはり、
不思議ワールドニホン、て気がした。真田広之、きれいでかっこよかった。
ホームズに一方的な恨みがあって。それも徐々に明らかになっていく。
父が英国滞在していて、帰国すべきか否かをホームズに相談して、結局そのまま
日本には帰らなかったのを息子ウメザキくんは恨みに思っていたらしい。
うーん。それはなんかとばっちりというか逆恨みなのでは。恨みに、とはいえ、
ホームズに悪いことするわけじゃないくて、山椒探しに案内してあげてたし
ただ一言恨み言を言いたい、ってことだったのかなあ。
あと微妙にヒロシマとかだったけど、ちょっといまいち私にはピンと来なかった。

ホームズの後悔。老いてからの後悔、というお話。
老いが、身に沁みる。。。一人孤独で。体は自由が聞かなくなる。記憶は曖昧。
動きはゆっくり。
老い、というのが私にとってひしひしとリアルになってきているので、余計に
そういうのを強く感じたのかもしれない。
イアン・マッケラン、サー・イアンというべきかしら。実際には76歳?
90代のよろよろも、その最後の事件のころは60代、かな、まだ颯爽としてる
のも、見事なスタイルでさすが素敵だった。老年といっても様々なのだよね。
違う。
その違いが、切なかった。

ロジャーくんが蜂に刺されて大変、ってなっちゃって、泣き崩れるホームズ。
でもミツバチが悪いわけじゃなくてスズメバチの巣があった! とか、
そういう観察と推理みたいなのが、ホームズらしいところかな。
でもやっぱり。これは老いがテーマっていう気がする。
老いて、後悔して。それをどう折り合いつけていくか。
穏やかに、痛ましく、でも希望もある最後だった。ロジャーは無事だったし
ウメザキに手紙を書いて父の事を伝えられたし。でもあれ、ほとんど嘘なの
ではないか。たぶん。たぶん、なんとか、ウメザキの心の癒しになれば、と、
そういう手紙かなと思う。嘘をついてでもアンを救うことを考えるべきだった、
という後悔の、思いがあったから。それしかないかなあ。せめてもの救い。
そして彼らの暮らしは続く。
一人だけれど一人じゃない。
しみじみとよかったです。

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