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映画「マジカル・ガール」

*ネタバレ、結末まで触れています。


映画「マジカル・ガール」


授業中メモを回していた少女を叱る教師。メモを渡しなさい、と手を出すと、
少女の手の中からメモは消えた。

アリシアは12歳の女の子。重い病にかかっている。アニメの魔法少女ユキコが
大好きで、友達と日本の名前のハンドルネームをつけたりしている。
父であるルイスは失業中。かつては文学を教えていた。娘の願いごとノートを
密かに見ると、そこには魔法少女の衣装が欲しい、と書いてあった。そして、
13歳になること、という願いも。
ネットで探してみると有名デザイナーが作った一点ものの魔法少女のドレスは
90万円もする。とてもそんな余裕はなく、いっそ犯罪を犯してでも、と宝石店
の前でショウウィンドウを割ってしまおうとした瞬間。上の階からゲロが。


日本のアニメ、魔法少女ユキコ。って、まどマギがモチーフらしい。監督は
オタクっぽいらしい~。
その程度のことしか知らず、結構ダークな感じらしい、ってことで楽しみに
見に行った。思ってた以上にダーク。ブラックユーモア、みたいに紹介してる
とこもあった気がするけど、ゆ、ユーモア、あったっけ。。。まあ、滑稽なのが
むしろ怖い、みたいな感じになってた。。。ブラックユーモア、かなあ。うーん。

時系列とか一直線じゃないし、シークエンスの意味がわからない? と思ってる
うちに場面が変わって、なんだか、何?? と不思議に思いながらどんどん
悪い方へ連れていかれる。見ているこっちが必至に脳内補完して組み立てていく。
説明、結局最後まで全然してくれない。全然、っていうか、断片を投げ出される
だけ。でもあの断片で伝わってくるから凄い。

バルバラ、という女性。精神科医の夫と暮らしている。最初に出てきた少女が
大人になってる。どうやら精神がどこか歪んでいる。明確に何か病名があること
ではないみたいだけど、魔性の女って感じ。SMのM、って感じ。被虐趣味?
ルイスと一夜をともにして、そのことを夫にばらす、と恐喝されることになる。
バルバラは、夫を失いたくなくて、昔の知り合いを訪ねる。
それがまたよくわからないけど、たぶんSM趣味の顧客を抱える娼婦斡旋みたいな
感じ。バルバラもかつて働いてて、恐喝に払う金を手っ取り早く稼ごうとする。

すげー金持ちっぽいところへ派遣されるバルバラ。渡されるカード。
SMにおいてのセーフワード、だね? その言葉を言えば中止してもらえる。
体中に傷があるバルバラ。今までどんなことしてきたんだろ。。。
夫にも嘘つき、って認識されてるし。

ルイスは恐喝で得た金で無事魔法少女のドレスを手に入れるが、アリシアが
何かを探していたことが気になる。別売りの魔法のステッキがあるのだった。
ってことで二回目の恐喝。さらに値段アップ。
バルバラは、さらに酷いプレイに自ら進む。
トカゲの絵のある部屋。前回はセーフワードを記したカードが渡されたが、
今度のカードは白紙。セーフワードなしか。ワタシ震えた。こわい;;

バルバラはボロボロになってダミアンのところへ戻ってくる。
ダミアン、っていうのが、かつて少女だったバルバラの先生だった人。もう
おじいちゃん。刑務所に10年入ってた。ってことで、でも何故なのかとか
はっきりはわからない。
けど、たぶんバルバラ絡みでなんかあったんだろーなーとはわかる。
バルバラに誘惑された? はめられた? 刑務所のカウンセラーにバルバラに
会うのが怖いので刑務所から出たくない、とか言ってた。
バルバラに守護天使とか言われて、お願いを聞いちゃう。

刑務所のカウンセラーに、ジグソーパズルをプレゼントされていたダミアン。
完成、というところで、1ピース足りない。
これ、割と初めの方に、ルイスが道端で拾ってたんだよね。
ラストの方で、ルイスを殺したダミアンがポケットとか探るから、ピースが
出てくるのかなと思ってたら、別に出てこないままだった。。。
完成できなかったパズル。ダミアン自ら壊してしまったパズル。

ボロボロのバルバラを助けたダミアンは、ストーカー行為で男にやられた、
というバルバラの嘘にはまってしまう。
ルイスに復讐しようとするダミアンは、ルイスと話をして、バルバラの嘘に
気付く。だけど、バルバラが夫を裏切った証拠を握っているルイスを殺す。
ついでに店の人間も。
グラスの指紋を拭いたりしてたけど、でも、ルイスの財布とか? 探ってた
から、あれにも指紋とかついたんじゃないのかなあ? あれは大丈夫なのか?

ルイスの家に入り込んで、ダミアンは証拠の携帯を手に入れる。
その時、魔法少女のドレスをきて、ステッキももって、パパを喜ばせようと
していたアリシアは、ダミアンを見つめて固まる。
この時にも流れる日本語のポップな歌の違和感ってば。もう。凄い。
春はさ~らさら♪ って。楽し気な。でも今このシーンでは不気味な。

アリシアは白血病で、余命わずか、って宣告されてたのかなあ。
ルイスは絶望して、アリシアのわずかな願いを叶えたくてなりふりかまわず。
でも、アリシアがラジオに送ったメッセージは、私は病院が好き、みたいな
ことで。魔法少女のドレスよりただ普通に日常が、パパと一緒に何かを
試してみたりするのが、願いだったのでは。あのラジオのメッセージを
ルイスがちゃんと聞いていれば、違っていたんじゃないのか(泣)

一度は立ち去ったダミアンは、アリシアをやっぱり殺す。
うー。
容赦ない。。。
ルイスは死んじゃってもアリシアは、アリシアは一人残される、みたいな
感じのバッドエンドなのではと思っていたけど、もっとバッドエンドだった。
でも、でも。いっそ魔法少女のドレスを着て一瞬で死んだほうがよかったの、
か、な。余命わずかだったみたいだし。うー。いやでも。

病院のバルバラのもとへ戻ったダミアンは、バルバラを悩ませた男はもう二度と
現れないという。恐喝のネタになった携帯電話を見せる。
でも、バルバラの差し出した手に、携帯電話は渡さない。
ダミアンの手からそれは消えていた。

って、ここで冒頭の、バルバラと同じマジック?
そして暗転。
はー。
どうなの。
終り。。。
闇だ。

バルバラこそが、魔法少女から魔女になったマジカル・ガールなのか。
なんかもう、どうして。どうしてこうなった、と、
ルイスがもうちょっと、踏みとどまれば。
バルバラがあんな、闇を抱えた女性じゃなければ。
ダミアンが、どうして、踏みとどまれなかったのか。
マジカル・ガールだなんて。病気の少女の願いだなんて。もうちょっと、可愛い
というか、そう、もうちょっと、少しでも救いがあるのかと思ったけど。
突き放された。すごかった。

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映画「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」

*ネタバレ、結末まで触れています。


映画「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」


昨日見に行った。
「マン・オブ・スティール」の続編。ちょうど金曜ロードショーでやってくれた
ので、見た。でも相当カットは多かったんだろうな? と思いながら見たけど、
まあそれでもやっぱり「マン・オブ・スティール」のあらすじくらいはわかって
おいてよかった。


ゾット将軍との戦いの時、街は激しい被害を受ける。崩れ落ちたビルのひとつは
ブルース・ウェインの会社があった。駆けつけ、社員たちを助けようとするブルース。
ブルースの目には、スーパーマンもまた街を破壊する敵であった。

そんなこんなで、なんだか予告では、バットマンとスーパーマン、それぞれの
正義の対決! 悪に染まったスーパーマン!? みたいな感じにあおっていた
けれども、ん~? そういうのではない。
スーパーマンことクラーク・ケントくんは、彼女ラブ、ロイスを助けるため
ならがんばっちゃう! ちょっとね、でもね、どうにもロイスにそんなに惚れる
わけがわからない。まあ、僕を信じてくれた人、って感じみたいだけど、でも、
魅力的なヒロインじゃないんだよねえ。アメコミヒロインてこんな感じ?
スパイダーマンとかでもMJ全然好きじゃなかった感じを思い出す。まあクラーク
が好きでラブラブだっつーんなら勝手に好きでいいけどね。でも。ロイスの行動
意味不明な、というか、なんか、うーん。純情坊やがつまらない女にひっかかって
おばちゃん心配よ、みたいな気分にさせられてしまうので個人的に残念w

スーパーマンは、ヒーローとして、桁外れの力の持ち主として、大衆には
憧れられているけれども、それに答えてできる限りの人助けをして回ってる
みたいだけど、彼の力を危惧する政治家とか? もいて、公聴会に来てもらい
ましょう、って呼びかけたりしてて、ふむ~リアル路線とはこういうことか。
公聴会の議場に、スーパーマンの格好で降り立つクラークくん。可愛い。
あ、あんまり「スーパーマン」とも言われない。空から男が、とか。
予告と違って別に悪に染まったりしてないしやっぱりいい子で苦悩してた。
喧嘩ふっかえるのはバットマンの方ね。

「マン・オブ・スティール」でもかなり自己犠牲みたいな宗教がかった感じが
あったけれども、今作でもそうだった。
人々の救世主。神。あるいは悪魔。
空から降りてくる感じとか、痛めつけられて倒れボロボロに、とか、構図が、
画面が、宗教画! 中世絵画!
ヘンリー・カヴィルを痛めつけたい酷い目にあわせたいそして美しい男の苦悩、
死に様を美しく撮ってスクリーンで見せつける! って感じの監督にありがとう
ありがとうを100万回言いたい。かっこいい~。
そしてラストの、あの柩、こりゃもう復活だな。復活するしかないな。そっか
イースターって復活祭、今年は3/27、今日じゃないですか。そういうタイミング
で公開したのかな?違うか。
柩が開く、動く、のかな~って思ってたけど、ドンッ!って動く、のか?って
その瞬間に暗転した。ふー。
でも復活するんだろ~? 続きがまたあるのかな。

バットマンは、ベン・アフレックで、ほんっとガタイがいい。そしておっさん。
おっさんなのが素晴らしかった。不良おっさん。素晴らしい。素敵。
バットマンのほうが悪に、というか、無法に染まってるというか。スーパーマン
許せねえ、って感じで追いつめていく。
まあもともとダークよりなヒーローだったんだっけ、バットマン。でも今作では
それなりに地に足が着いた、というか、人の暮らし、みたいなところが大事と
いう感じだったなあ。おっさんになったからこそ、という気がする。

そして!アルフレッドがジェレミー・アイアンズだ!!!
キャスティング知った時からめちゃくちゃ楽しみだった。実際見てもやっぱり
最高に素敵だった! 出番は多くないものの、ニヒルでセクシーダンディ可愛い。
おっさんなお坊ちゃまにお仕えする執事、ぼやきつつ、って。メカニック担当って。
もえるしかないっ。
このバットマンコンビは、めっちゃアダルトでよかったああ。

今作で悪役なのは、レックス・ルーサー。ジェシー・アイゼンバーグがまた
なんだかすっごい独特な喋り方してて凄かった。
クリプトナイト、だっけ、えーとあのクリプトン星の石。それがあれば
スーパーマンのパワーを制御できる、倒せる、抑止力になるよ、って感じで
誤魔化そうとするんだけど、でも悪役。兵器で儲けようとかしてるのかな?
しかしゾット将軍とか蘇らせたり、どーも、なんか、あ、悪役なんだな、とは
思ったけどちょっと私、なんか見失っちゃった。よくわからないけどなんか、
スーパーマンとかバットマンをいじめてた。支配したかったのかな。

そんなこんなで、バットマンは、スーパーマンお前地球を目茶苦茶にするんじゃ
ねえぞ!ってタイマンふっかけようとして、スーパーマンは僕はそんなつもりは
ないよ、人々を助けたいって苦悩して、ルーサーは僕が一番だ!みたいな感じで
喧嘩煽ってた、のかな。

そこにワンダーウーマン登場~!
謎の美人泥棒みたいな雰囲気で、キャットウーマンみたいな?? って最初
思ったけれども、ワンダーウーマンというのね。DCコミックの世界の人?
私は詳しくなくて知らないんだけど。
でも、超人なんだ。不老不死?
そして強い! 戦士! かっこいい~!
んも~マザコンボーイズに喝入れて、オラオラ~!って戦うのかっこよかった!
終盤のバトルはさっすがの迫力で、凄かった。映画だ~~。

バットマンVSスーパーマン、それぞれの正義のぶつかり合い、みたいな予告は
あおりだけだったのか、と、思う。
スーパーマンの正義って、なんか、ケントくんはママと彼女が大事好き好き、
って感じで、まあその、それはそれでいいかと思うけど。田舎の農家の父の
教えだ、みたいな感じ? まあ、それはそれで、いいけど。けど、どーも、
力だけあるけどボンクラっぽく思えてしまう。のは。ロイスみたいな女に
ひっかかって。。。っていう気がどうしてもしてしまうので。。。個人的好み
の問題か。。。いやでも、うーん。
ヘンリーカヴィルがすっごくかっこよくって苦悩する顔もよくって、なんか
いいけど、どーなのかな~。
バットマンの正義は、ゴッサムを守りたい、というところか。
で、結局のところ別に対決しなくてよかった、で、別の敵が現れて一緒に戦って
めでたしめでたし、か。めでたし、だったかな。一応救世主の死、みたいな
終りだったのでめでたしという雰囲気ではないけど。
見応え、ありました。

ウェイン社長が、素敵金持ちスタイルで、衣装とかもかっこよくって好き。
ベンアフのことをだんだん好きになってきているワタシ。
大体「ゴーンガール」で始めてまともに認識して、でもあのヘタレダメ夫な
ベンアフに心つかまれてしまったんだよな。それからちょっとかっこいいぞ、
みたいなところを知って、あ~って、ハマる、かもしれない。

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「村上隆のスーパーフラット・コレクション―蕭白、魯山人からキーファーまで―」

19日、横浜美術館に行きました。

「村上隆のスーパーフラット・コレクション―蕭白、魯山人からキーファーまで―」

美術館に入ったところで、どかーんとでっかいオブジェがあります。
映像作品も。
な、何がなんだかわからないけれど迫力はがーんといきなりありまくり。こわい。

入場して、最初のほうは、クラシックなもの。それこそ蕭白だとか魯山人蔵のもの、
書画、壺。器。狛犬。等等。
それから現代アート? インスタレーションだったり。

大きいな~とか、綺麗だな~とか、いやよくわからない、何を見ていいのか
わからない。。。とか不思議な気分になりつつぐるっと。
村上隆の脳内世界というコーナーもあり、そこもぎゅぎゅっと詰まっていて
現代も創作物も茶器みたいなのも何もかも、という感じ。うーん。わからない
けどもこういう感じなのか、と、どういう感じって言えないけど、なんか、そう、
こういう感じなのか、という感じはする。

トークイベントに申込みしていて、村上隆が語る、っていうの、3回目だそう。
でも私は初めて聞きました。村上隆ご本人を見るのも話を聞くのも初めて。
まったくのド素人で何にもわかってない自分ですが、お話は面白かった。

1100点ほどの展示。それでもコレクションの5分の1程度だそう。
どこにそんなにコレクションしてるんだろう??
ともあれ、それだけのものを見られるのはすごい機会だった気がする。

これまでやってきたキュレーターとしての仕事の歴史とかちらっと。
作家活動もだけど、キュレーターとして先駆けていろいろやってるんだなあ。

現代アートを買うのは肝試し、って言ってた。
これを、ここまで、俺つきあっちゃう?? って思いながら買うんだってー。
それもそれなりにそこそこのお値段出して。100万とか200万とか。
あるいはもっと。あとで、俺バカだったなあ、てへ、って思うのが癒される。
のだって。なるほど。
それは、やっぱり、なんていうか、やっぱり、アートって、余裕なんだなあ。。。
とりあえず肝試しに、後々自分の後悔があるとしても、そういう金額動かせる
くらいの余裕は、最低限なくちゃ、ということかと。
そんなこんなで会社は倒産しかけ、小さいんで必死ですよみたいなお話を
していたけれども、やっぱりそこはそういう世界で、そういう金額が動くだけ
の遊び、力、ちょっとクレイジー、な、世界なのかなあ、と、想像する。
私にはとてもとても縁のない世界。
こーして美術館だので見せてくれるのを待つしかできない~。
お金持ちはやっぱりどんどんアートに金を使って欲しい。そういう世界が
あってほしい。

肝試しにしろ何にせよ、現代アートに金を動かす、っていうのは、俺が価値を
つける、っていうことか。
意図とか意味とかあってもなくても自分で決める、かなー。
自分の体験を買う、のか。

美術館で展示やるにも、保険だけでもう巨額の金が使われる、らしい。
なるほど~~。
アラブの金持ちとかの世界か。
村上隆の作品は高くて、それを運ぶ保険だけで、企画の予算潰れるから、もう
日本じゃやりません、みたいなことだった。
キュレーターとしてはやるかも、とかセルフプロデュースではやるかも、とか、
生々しい話も面白かった。

顔と名前だしてこういう商売して、有名になって、ってことだね、儲けている
有名人、とみなされること、だね、そうすると信じられないほどの面倒とか
悪意とか向かってくるらしく、「自我が崩壊しますよ」って当たり前のように
喋ったのが印象的。リアルにそうなんだろうなあ、と思った。

そんなこんなのお話を聞いてからもう一度コレクション展さっくり見直した。
これを買った背景、みたいなのを知るとまたその話込みでの作品になって
面白く感じた。ふーん。

特に私は物語が好きだから、エピソードつきのコンテンツになったほうが
面白く思うなあ。

そして会場では大体は撮影オッケーなのだった。最近てそうなのか。
フラッシュとか単体でアップはちょっとみたいな注意はあったけれども。
かなりみんな携帯スマホでカシャカシャ。
私も、可愛いな~と思ったやつはいくつか撮ってみたりした。
物凄い物量に、それからその作品のあるんだかないんだかわからないパワーに
圧倒されて疲れた一日になった。
その作品に、パワーがあるんだかないんだかわからないけど何かを見ようと
してしまうよねーやっぱりそこに展示されているなって見る以上は。でも、
まあわかんないし、ふーん、とか、まあ好きに見ればいいんだけど、ふーむ、
って感じもして行ったからには一生懸命見ちゃう。でもそういうの貧しい自分
なのかも、とか、うーん、どーなの。
なんだか凄い一日でした。見に行っておいてよかった。面白かった。

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映画「リリーのすべて」

*ネタバレ、結末まで触れています。


映画「リリーのすべて」


ゲルダとアイナーはともに画家で仲のいい夫婦。風景画家として評価を得ている
アイナーと、人物を描きながら今一つ評価のつかないゲルダ。
ある時絵のモデルの代わりにバレリーナの衣装をあて、ストッキングをはいて
足のモデルをゲルダがアイナーに頼んだことをきっかけに、アイナーをリリーと
呼んで、アイナーが女装して出かける遊びを始めた。
ゲルダがリリーを描いた絵が認められ、リリーの存在が増してくる。
アイナーはリリーとしていることこそが自分だと感じるようになった。

18日に見に行った。

主演のエディ・レッドメインも、助演女優(といっても主演みたいなものだと
思うけど)のアリシア・ヴィキャンデルもアカデミー賞ノミネートされ、
アリシアは受賞した。納得。二人とも素晴らしかった。
冒頭から、二人夫婦ならではの親密さが視線だけの会話なんかで伝わる。
パーティや人に会うことを苦手としているアイナー。
バレエの劇場の舞台裏かなあ、衣装をするっと撫でていくアイナーの手つき。
エディ・レッドメインはすでにオスカー俳優で、上手いっていうのも当たり前
すぎるのかもしれないけれど、もうほんと、ちょっとした視線とか仕草で
言葉じゃない心のゆらぎみたいなのがとっても見えてくる。

ゲルダもね、最初は楽しく夫を美人さんにして一緒に楽しんでいたのが、段々
夫が本当に女性であると気付いてゆく過程が、切なくて。リリーを描くのが
好きで楽しくて。それが認められて売れて。でも夫アイナーが消えてゆく。
アイナーにとってはリリーになることが生きてゆくことなんだけど、ゲルダに
とってみれば愛し合っていた夫アイナーが消えてしまうことで。せめぎ合い。
アイナーの幸せを思えばアイナーを失うことになる妻。
アイナーが、リリーになっていく時に、これまでアイナーだった自分を消して
いこうとするのがねえ。切ない。そんなにこれまでの自分を殺さなくてもいい
のではないか? と思うけど、うーん。違うのかなあ。
ゲルダがどうしてもアイナーのことを思ってしまうのがリリーには辛いこと、
なのだろう。ゲルダの助けが必要だし、ゲルダのことを大事にも思ってるだろう
けれども、ゲルダの愛してた夫アイナーは自分じゃない、って、ことなの、
かなあ。
複雑。

まだ、性同一性障害というもの自体ほとんど認識されてなかった時代。
無茶苦茶されかけたりしてて辛い。
アイナーがリリーとして、女性の服や化粧をまとうのが嬉しい、ほっとする、
という感じで、それでいいじゃない、と思うのに、そこを矯正せねば、って
なるのは辛い。
ウィショーくん演じるヘンリクと、キスしちゃって、女性扱いされた、と
ときめくのに、ヘンリクが実は同性愛者、アイナーだとわかっていてそう
してくるって気づいたときのショックとかも切ない。

いろいろと、はっきりすっきり割り切れない、ゆらぎ、せめぎあい、切なさ
いっぱいの映画だった。美しい。
画家、芸術、な世界の映画だけあって、どのシーンもそのまま絵画のように
うつくしく決まってて、とてつもなく綺麗だった。
デンマークの景色も。二人の部屋も。複雑な色合い、静謐な構図。素敵だった。

最後、性別を変える手術、世界で初めての手術を受けて、リリーとして生きる、
というところで、術後ほどなく亡くなってしまうリリー。
それでも、危険とわかっていても、自分が自分であるために、手術を受けたい
と決意したリリー。
命を失うことになっても、アイナーのままでいるよりはよかったのだろうか。
難しい。。。

アイナーの子供の頃の初恋の人? ハンスもかっこよかった~。
ヘンリクはリリーと友達になったのかあ、というのも不思議でよかった。
キャストみんな名優って感じ。パリもデンマークもうつくしかったです。


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映画「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件」

*ネタバレ、結末まで触れています。


映画「Mr.ホームズ 名探偵最後の事件」

ホームズは93歳。
田舎で養蜂をし、近所に住むマンロー夫人に家政婦を頼んでいた。
日本への旅のあと、書き物の続きをしようとペンをとる。
引退した最後の事件を思い出そうとするが、記憶がはっきりしない。妙薬を
求めて日本の山椒を煎じてみる。
マンロー夫人の息子、ロジャーは昆虫、蜂が好きな少年。ホームズにかつて
のような推理をしてみせて、と言ったり、蜂の世話を手伝ったりして仲良く
なっていく。
妻の行動を相談された最後の事件。密かに夫を亡き者にしようとしているかの
ような彼女の行動の真意は。


昨日見に行きました。
日本への長旅から帰ってきた、という始まりで。山椒が記憶力の刺激にいい、
らしい、みたいな感じだったんだけど、山椒って??? そんなだっけ?
あと敗戦後の日本って感じでいくつかシーンあったけれども、なんか、やはり、
不思議ワールドニホン、て気がした。真田広之、きれいでかっこよかった。
ホームズに一方的な恨みがあって。それも徐々に明らかになっていく。
父が英国滞在していて、帰国すべきか否かをホームズに相談して、結局そのまま
日本には帰らなかったのを息子ウメザキくんは恨みに思っていたらしい。
うーん。それはなんかとばっちりというか逆恨みなのでは。恨みに、とはいえ、
ホームズに悪いことするわけじゃないくて、山椒探しに案内してあげてたし
ただ一言恨み言を言いたい、ってことだったのかなあ。
あと微妙にヒロシマとかだったけど、ちょっといまいち私にはピンと来なかった。

ホームズの後悔。老いてからの後悔、というお話。
老いが、身に沁みる。。。一人孤独で。体は自由が聞かなくなる。記憶は曖昧。
動きはゆっくり。
老い、というのが私にとってひしひしとリアルになってきているので、余計に
そういうのを強く感じたのかもしれない。
イアン・マッケラン、サー・イアンというべきかしら。実際には76歳?
90代のよろよろも、その最後の事件のころは60代、かな、まだ颯爽としてる
のも、見事なスタイルでさすが素敵だった。老年といっても様々なのだよね。
違う。
その違いが、切なかった。

ロジャーくんが蜂に刺されて大変、ってなっちゃって、泣き崩れるホームズ。
でもミツバチが悪いわけじゃなくてスズメバチの巣があった! とか、
そういう観察と推理みたいなのが、ホームズらしいところかな。
でもやっぱり。これは老いがテーマっていう気がする。
老いて、後悔して。それをどう折り合いつけていくか。
穏やかに、痛ましく、でも希望もある最後だった。ロジャーは無事だったし
ウメザキに手紙を書いて父の事を伝えられたし。でもあれ、ほとんど嘘なの
ではないか。たぶん。たぶん、なんとか、ウメザキの心の癒しになれば、と、
そういう手紙かなと思う。嘘をついてでもアンを救うことを考えるべきだった、
という後悔の、思いがあったから。それしかないかなあ。せめてもの救い。
そして彼らの暮らしは続く。
一人だけれど一人じゃない。
しみじみとよかったです。

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映画「人生は小説よりも奇なり」

*ネタバレ、結末まで触れています。


映画「人生は小説よりも奇なり」


音楽教師のジョージと、画家のベンは39年連れ添ってきたパートナー。
同性婚をして新婚さんとなった。
だが、ジョージは教師の職を失ってしまう。
家を売って質素な暮らしにしようと思うが、次に住む家がなかなか見つからない。
家を見つけるまで、親戚や友人の家で別々に暮らすことになる二人。
親切にはしてもらうが、人の家でのいたたまれない日々。離れていることの寂しさ。
普通の暮らしの中で改めて思うそれぞれの暮らし。

昨日、16日の水曜日に見に行ってきた。
ベンは71歳だ、って言ってた。ジョージはそれよりは年下、で、どのくらい
なんだろう。50代?60代? わかんないけど、まあ、長年連れ添ってきた
二人が直面する困難。普通の暮らしで、誰の身にも起こりそうな問題で、
同性カップルではあるけれども別にだからどうってことじゃなく、普通に生きて
きた、互いを大事に愛しく思い合う二人、というのがとても可愛くて素敵だった。

NYでも、やっぱり同性婚への問題はゼロってわけじゃない、かー。
カトリック? 宗教的に厳しい学校だったからなのかなあ。ジョージが首に
されちゃうのって。公立校とかだと違うのかな? よくわからないけれども。
この映画、ほんと説明らしい説明はなくて、それぞれの暮らしのシーンを映し
出しててそこからこちらで読み取る、って感じ。まあ細々したことはうっすら
わかるくらいでいいか。

居候を受け入れる側も大変だよねえ。
難しい~。
別に誰もことさらに意地悪でもなんでもなくて、いやみんな親切なんだけど、
難しい~。

ベッドの隣にきみがいないと眠れない、みたいな感じがもうほんとにきみたち
らぶらぶね、ってにこにこしちゃう。まーそりゃたぶん39年の間にはいろいろ
あったのだけろうけど、やっと結婚して。愛し合ってて。離れてるの辛いって
改めて感じてる二人がほんと愛しい。
雨の日に寂しさに耐えかねてベンに会いにきたジョージの可愛さったらもう。

ベンは、老人で、老人であることはどうしようもなくて、いたたまれない。
年をとっているからこそ、の、よさもあるけど、でも、誰だって初めて老人に
なるんだもんなあ。親戚とはいえ突然人の家で同居になって、どっちも大変
すぎるよねー。
そのじわじわといたたまれないのが見てて辛かった。でも優しいんだよなあ。

思春期少年、ジョーイくんの難しさも、大変だし。
難しい~。
それでも、ラスト、ジョーイは光の方へゆく。未来は続く。
そういう、人が生きていく時間の物語だと思った。

ラスト、私、はっきりわからなかったんだけど。あの新たに借りることができた
家で、ベンとジョージはしばらくは一緒に暮らせたのかな? また二人で
暮らせたのだ、と、私は思う。思いたい。けど。どうだっけ。
最後のデート、とでもいうか、演奏会に行って、バーで昔話なんかしてふざけて
飲んで、じゃあまた、って別れて帰って。
あれはベンは郊外のミンディのところに居候してて、っていう時かと思ったの。
で、でも、その後、二人はまた暫くは一緒に暮らせたよね? うーん。

ベンの葬儀に行かなくてごめん。て、ジョーイがベンが最後に描いていた絵を
もってきて、そして帰りに階段のところで一人でちょっとだけ泣いちゃったのが、
すごくよかった。
喪失って、なんかこう、そのふっとした瞬間にささってくるんだね。

NYかっこいいなあとか。淡々とクールで、でも優しくて。いい映画好きな映画。
見に行けてよかった。

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『火星の人』(アンディ・ウィアー/早川書房)

*ネタバレ、結末まで触れています。


『火星の人』(アンディ・ウィアー/早川書房)


マーク・ワトニーは火星に取り残された。
アレス計画3で、火星でミッションを行っている最中、突然の砂嵐によって作業
は中止。あまりに強い嵐から避難し予定を切り上げて火星から飛び立つMAV。
ワトニーは、砂嵐に吹き飛ばされ、死んだとみなされた。当然の判断だった。
だが、ワトニーは生きていた。

てことで、映画「オデッセイ」の原作読みました。
勿論映画よりは細々とミッションのこととか、ワトニーが苦労して生き延びる
方法を試していくとか、ジャガイモをなんとか育てようとするとか、ローバーを
改造するとか、長距離移動して次のMAVを目指すとか、その途中に起きる
トラブルとかいろいろいろいろ描かれている。いろんなことが起きて、一つ
ずつ問題をクリアして、ワトニーが考えたり寝たり働いたりしてる。

でも基本的にワトニーは明るいし、軽いし、「ぼく」一人称で、さくさく読み
易い。がっつり科学的、なんだと思う。私に科学的知識とかほとんどないから
ちゃんとはわかんないけどね。でもちゃんとリアルなんじゃないかなあ、と、
感じさせる。凄い。

私は映画が先だったので、まああらすじとしてはわかってる。
そして映画大好きだったので、映画の補完になるな~と満足しました。
でも当然これを先に読んでもワトニー大好きになってると思う。
映画見てよかったのは、やっぱり宇宙船とかさ、重力の感じとかさ。
赤い火星にぽつんといるワトニーとかね。宇宙服。ハブ。自分のイメージだけ
では映像が見えないようなものをスクリーンで見られていたのはよかったなあ。
あと音楽ね!
いっぱい音楽が実際に聞けるのは最高。
たくさんのテレビシリーズとかも見られるといいけどな~。ま、仕方ない。
アメリカの文化、サブカルとか? を、あんまりはわかんないわけで。

軽くふわふわ、やれやれ、って感じで進むんだけど、たまに、ぐっとシリアスな
ことも描かれる。当たり前なんだけどね。まさに文字通りに死と隣り合わせで
いる。ワトニーはもちろんながら、ヘルメスのクルーもさ。
ワトニーを迎えに行く、って決めて、そしてもしいろんなダメだったら、の
プランを、ヨハンセンが地球の父との通信の時に話すシーンがあった。
ヨハンセンだけを生き残らせて、全員死ぬと。そして食料を切り詰めて、そして
それでも足りない日数分、食料とするものは。
名言されてるわけじゃないけどもうね。ここまでシビアな中での決意か、と、
ハッとしてしばらく読めなくなった。そうだった、って、思って泣いた。

本と映画は結末が違う、ということは知ってて。本だと、映画よりはもう少し
クールに淡淡と、ヘルメスにワトニーは戻ってこられて、そして助かったと
いうことで終わり。
映画だと地球に戻ったワトニーがいた。
どっちも素晴らしく、どっちも最良だと私は思う。クール!
映画も本も幸せな体験でした。

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映画「エヴェレスト 神々の山嶺」

*ネタバレなのかもしれない。


映画「エヴェレスト 神々の山嶺」


深町はカメラマン。カトマンズで、伝説の登山家、死んだと思われていた男、
羽生に出会う。
古道具屋の店先にあったレンズの壊れた古いカメラは、エヴェレストを初めて
制したかどうか不明のマロリーの持ち物だったのか。羽生は不法滞在となって
まで何をしようとしているのか。
どうしても気になった深町は羽生を追うことにした。

12日に見に行った。
阿部ちゃんと岡田くんという、最高のキャストだと思うし、エヴェレストを
スクリーンで見たかった。
その切り立つ姿も、白い峻厳な雪の世界に、ぽつんと歩いてゆく男の姿も、
見られてよかった。恐ろしい孤独。
空が暗いのは宇宙に近いからだよ、と、いろいろ思いがめぐる。

私は原作小説が大好きで、すごく大好きで。本出たのは1997年らしい。その時に
読んで、たぶん読みかえしはしてなくて、たいがい忘れているんだけど。
でも強烈に印象的なシーンがあって、でも映画ではそれがなくて、あああ~れ?
ってなってしまって、うーんうーん違う。。。と思ってしまった。
もちろん映画は映画なので、いろいろ違っていて当然だしともかくもあの景色と
阿部ちゃんや岡田くんの目を見られてよかったんだけど。
素晴らしい目をしていたよ。凄い。

主演二人が素晴らしかっただけに、なんか、惜しい、って気がしてもったいない
という気がして。うーん。
でもこうして映画化なって、本読もうか、ってなる人がちょっとでもいれば
いいのにねと思う。
本も、熱いよ。
もう一回読もうかなあ。

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映画「マネー・ショート」

*ネタバレ、結末まで触れています。


映画「マネー・ショート」

「華麗なる大逆転」というのはタイトルに含まれるものなんでしょうか。
6日の日曜日に見に行ってきた。

アメリカ。住宅ローン市場は安全な商品だと思われていた。
だが低所得者であろうが何の担保もないものであろうが審査もろくにされず
貸付けられていたサブプライム・ローンはハイリスクだった。とんでもない
バブルだ。もうじき経済は破綻する。
そう当たりを付けて保険に賭けた男たちがいた。

ポスターだと、クリスチャン・ベイル、スティーブ・カレル、ライアン・ゴズ
リング、ブラッド・ピットが並んでいたけど、ブラピは引退した伝説の男で、
実際にはジェイミーとチャーリーという若い二人の助言役、って感じ。
それぞれにキャラ立ちは凄くて、まー当然ながらぐいぐいガリガリ演技は
見応えありありで、面白かった。
若い二人が、チャンスだぞ!ってはしゃいでベンにお願いしたり、はしゃぎ
すぎて叱られたりしてるのがめっちゃ可愛かった。
おとながいない、っていう感じのセリフと言ったと思う。リーマンの会社潰れる
どさくさに紛れて入り込んだガランとなった事務所で。
バブルに浮かれる金融業界って、ほんとにあんなだったのかなあ。
まともじゃない、ということに、渦中にいる間は気づかないものか。うん。うーん。

ギリギリで儲けて破綻を逃げ切った、というのは「華麗なる大逆転」なのかなあ。
でもあんまりそう、やったぜ!ひゃっはー! みたいな感じではない。
崩壊した経済で打撃うけまくったのは結局普通の多くの庶民のような気がする。
ぼんやりとサブプライム・ローン組んじゃった人たちは。うーん。

正直金融のことなどはわかんないなーと思いつつ。途中で何度もオモシロオカシイ
説明してくれてて一応ざっくりとはわかる。でもその説明のオモシロオカシサが
知らん、って感じでもあるんで、まー、たぶんアメリカ人のほうが何倍も面白く
見られるんだと思う。ま当然か。
それでも結構くすくす笑わせてもらったし、テンポよくって快感だったし
結果リーマンショックが起きるってわかってても、あ~大丈夫なのかー?と
すごくハラハラドキドキもした。

最初に気づいて最初に動いたマイケルが。とても孤独だった。
クリスチャン・ベイル、ヘンでかっこよかった。
金融業って、こわくてすごい。


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『喪国』(五條瑛/双葉文庫)

*ネタバレ、結末まで触れています。


『喪国』(五條瑛/双葉文庫)

革命小説シリーズ、10作。完結。

単行本で2012年刊だったようだ。あの時はうるうるしながら読んだけど、
今回はわりと落ち着いて。ゆっくり。読み終わりたくなかったなあ。

書下ろし掌編ついてた。「Blue and Red,BLOOD」。
それによるとやはりサーシャは王家の血をひくもの、ということになるらしい。
まあな~。なるほどな~。
血の繋がり。血の濃さ。多国籍がいかに生きるか、っていう話だけど、血とか
ルーツとかに拘る作品だったなあ、終わってみればつくづくとそう思う。
血の束縛ってそんなに強いかしら。
でも私は日本にずっといて、自分の生まれとかで特に何事もなくて、他の国の
ことも異国で生きることもほとんど何も知らなくて、自分について思い悩む
ことはあっても、自分の血について考えなくてはならないと思ったことがない
からなあ。多分幸せなことなんだよな。
でも結局は、いかに生き抜くか、とか、その時そばにいて手を繋ぐのは誰か、
という、生きることを強く強く描いたシリーズだったと思う。
この国の無気力さとか崩壊とか、わりとそのまんまな気がしてこわい。

やっぱり鳩が辛いし、亮司は天使だ。大川がしぶとすぎるし、櫂は大丈夫なのか。
まださらに続きを書いて欲しいとも思うけど、世界はまだ続く、ということで
いいのかなあとも思う。
すみれももうちょっとサーシャと話せたらいいのにと思う。
でも亮司がちゃんとずっと、サーシャをつかまえていてね、と、切にそれだけを
願うよ。亮司~。たいへんな男に惚れて惚れられちゃったね。

せっかくなので一気読みしたいなあと思いつつ、最初の方のは実家にあるし
なかなかじっくり読み切る時間が。でも集中して10作、読みたいな。

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