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映画「ヘイトフル・エイト」

*ネタバレ、結末まで触れています。


映画「ヘイトフル・エイト」

クエンティン・タランティーノ監督の西部劇。
南北戦争後。駅馬車に乗り合わせたのは、賞金首のデイジー・ドメルグを捕まえて、
町まで連れて行く途中のジョン・ルース。黒人、賞金稼ぎのマーキス・ウォーレン。
新任の保安官だというクリス・マニックス。
吹雪から一時避難すべく、ミニーの洋品店という小屋にとどまる。
そこには先客がいた。ミニーに店を預かったというボブというメキシコ人、
絞首刑執行人のオズワルド・モブレー、カーボーイのジョー・ゲージ、元将軍と
いう老人サンディ・スミザーズ。
吹雪に閉じ込められた8人、中には知り合いがいたりして、偶然なのか、彼ら
は名乗った通りの者なのか、互いの疑いがぶつかり合い、緊張感が高まっていく。


1章、2章って感じに本のように進む。上映時間が168分らしい。行く前にあまり
チェックしてなくて、そんなに長いと思ってなかった。出てから時計見てびっくり。
始まりのあたりは正直うとうとしてしまったり。じわじわとくるの。探り合いの
会話の緊張が高まり、そして爆発しては次々と、って感じに怒涛のクライマックス
には心の中でぐへえうええあああ~、とうめいてしまう。
やはりさすがタランティーノ監督、って言うしかない。

8人が8人ともクセの強いキャラで、それぞれの個性が小屋の中で徐々にわかって
くる感じ。ミステリ仕立てですかね。
一度ぐわっときてから、その日の朝、って戻って、実はこいつらはこういう奴、
って、小屋にいた側の事情がわかる。嘘つきは一人じゃない。全員だ。
デイジーのキャラが中でも強烈だったなあ。もう全員強烈なんだけど、でも、
すごいあれこれで汚されて、大迫力。怖い~~。
そして実は地下にもう一人いて、それがリーダーで、デイジーの弟で、姉を
助けるべく待ち伏せしていたんだけど、でもあっさり殺される。うわ(゚Д゚)
出番少しで可哀想ね。じっと地下で我慢してたのに;;

途中、マーキスが元将軍の息子をいたぶって殺してやった、という話をする。
それがもう、ひどくて。雪の中裸で歩かせて、いう事を聞けば毛布をやる、って
自分のをしゃぶらせてやった、って言う。想像してるだろう?って、将軍の
こともいたぶるのだよ。こわいよ。すごいよ。
私は南北戦争のこととかあまり知らなくて、黒人差別のこともちゃんとは知らなくて
でもそんなこんなを語って高笑いするサミュエル・L・ジャクソンの迫力は
凄かった。

基本的には会話劇でそれぞれがじわじわと探りながら喋る感じが凄く面白かった。
そして最後には全員血まみれのド派手さ。
マーキスもクリスも、あれはきっと死ぬよなあ。。。あの小屋を発見する人に
だけはなりたくない。。。

全編70ミリフィルムで録りました、とのことで、細長い画面。
雪の中をゆく6頭立て馬車、素晴らしくうつくしい。吹雪の中、孤絶している
ミニーの店の遠景も素晴らしい。
小屋の中。シチュー。コーヒー。コーヒーは重要ポイントだね。あの雑さ、
どうやっていれたんだろう。まずそう、でも美味しそう、こわい。
ずうっと吹雪の音。クラシカルな音楽。
長時間集中、という意味でも、私はこれ映画館じゃないと無理だと思った。
強烈さ、後味めっちゃ悪い、怖い汚いうげえ、だけど見てよかった満足です。

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『ナイト・マネジャー』上下(ジョン・ル・カレ/ハヤカワ文庫)

*結末まで触れています。


『ナイト・マネジャー』上下(ジョン・ル・カレ/ハヤカワ文庫)


ジョナサン・パインはイギリス人でホテルのナイト・マネジャー。
ある吹雪の夜、チューリヒのホテル・マイスター・パレスで大事な客を迎えた。
リチャード(ディッキー)・オンズロウ・ローパー。完璧な王者たるイギリス紳士。
取り巻きと金髪美女を連れて、パインとも打ち解けて会話する。
ローパーは武器密売人で麻薬密売人で大物だった。
かつてつかの間愛し合った女ソフィーを、ローパー絡みで殺されたパインは、
進んで英国のスパイとなって、ローパーのふところに入り込むべく動き出す。


BBCでドラマ化してるらしいよ。主演トム・ヒドルストン。
てことは、パインをトムヒが、ってことか。と思いながら読みました。
予告見るとわりと派手めな感じもするけど、やっぱりル・カレ。読んでいる最中
にはかなり淡々と、これはなにを読んでいるんだろう私は。。。と全然わからなく
なる感じで読み切りました。登場人物が、まずわかんなくなるの私。
特に英国側ね。誰だっけなんだっけ。。。と思いつつ。
まーそれでも現場のジョーを守る、っていうことになったし、結局パワーゲーム
は負けたけど辛うじてふんばった、みたいな、感じ、かな。
ローパーが大物過ぎて各界に力が行き届いていて、どんなにがんばっても逮捕
するのは難しすぎる、って、こと、かな。
ローパーはもはや単なる密売人ではない。「これは政治だ」というセリフもあった。
冷戦後の武器商人は政府が大っぴらにからもう少し小規模に、あちこちに、か。

この文庫は1998年。2001年のアメリカ同時多発テロ前、だなあ。

パインが、スパイとなって、新たな経歴を手に入れ、ローパーの息子の狂言誘拐
から助けて潜り込む、とことで、不意に予定以上に大暴れして怪我を追う。
ローパーには感謝され、仲間に加わることには成功するが、ローパーの息子とも
愛人ジェドとも仲良くなりすぎて。
そしてジェドはパインを愛してしまって。
抜き差しならない事態に。
って。
あーー。
いつもスパイを狂わせるのは恋なの。
でもわりとローパーのことは好きだなあ。ジェドも、パインさえ現れなければ
不穏な気配を感じつつも大事にはされててダニエルもいい子だし、結構幸せな
ほうだったのでは。でも。うーん。

終盤、英国内部でのなんだかんだとか、パインがサイン係りになって、ローパー
との駆け引きとか、バレてからどうなってしまうのかとか。
やっぱり終りのほうではそれまで淡淡と読んできたのがぐいぐい振り回されて
う、わ、えっ、えーっ、どうなるの。。。と、茫然としつつ読み終わった。
これは、バーたちのがんばりがなんとかなって。パインはジェドと解放されて。
あとは密かにまた海の近くの小屋で暮らす、暮らせる、のかなあ。
意外とハッピーエンドといっていいような終りだった。ほほう。
面白かった。

ドラマはどーなってるんだろう~。見たいなあああ~~。

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映画「スティーブ・ジョブズ」

*結末まで触れています。


映画「スティーブ・ジョブズ」


1984年。マッキントッシュ、新作発表会直前の舞台裏。
コンピューターに「ハロー」と言わせることにどうしてもこだわるジョブズ。
だがマシントラブルでそれができない。それでも、どうしてもなんとかしろ、と
命じるジョブズ。
ポケットからスムーズにフロッピーを取り出せる白いシャツを見つけてこい、
とか、始まりを遅らせることは絶対ダメといいながらなにもかもなんとかしろ、
と命じるジョブズ。
まだ幼い娘と母親が訊ねてきて、生活に困っていることを訴えられるもそっけ
なく。父親ではないと言い張る。

新作の発表会直前の舞台裏、という限定した時、3回のくりかえしと変化。
122分。圧倒的に繰り広げられる会話劇。
入れ替わり立ち代わり、ジョブズの元へ人々がやってきて何事かを訴え、
強引にあるいはスルーして対処し命令しこなしていくジョブズ。

監督ダニー・ボイル。脚本アーロン・ソーキン。主演マイケル・ファスベンダー。
私はapple信者ってほどではないけれど。本は読んだし、最初のiMacを
見てびっくりして欲しい欲しい!ってまんまとのせられて買ったくち。
映画この布陣でどんなにか面白いだろうと期待して行った。

ともかくも、ジョブズのドラマをああいう場のひと時に限定して物凄い会話劇
で見せきってる、きりとってるのがすっごいな~と思う。
いやいろいろ、そんなわけないだろう?? とも思うし、ドラマチックだ凄い、
とも思う。ジョブズ以外の関係者はまだ生きてる、よな? まだ誰かの伝記と
して客観的になんて無理だと思う。それをこうドラマに仕上げてるの凄い。
それに、まあ実際何がどうだったかなんて、わかるわけない。
わからないなあ。という印象が結局強く残った。

ジョブズが成し遂げたことって、わかんないんだよねえ。
たまたま、とか、運よく、とか、なんか、でも、それを掴んだのは間違いなく
ジョブズで、でも、彼自身のことって、結局どんなに語られても本を読んでも、
わかんないの。
オーケストラの指揮者のように、楽器を弾くのではなく、楽器を弾く人間を
集めて演奏を作り上げる。エンジニアやデザイナーや、マネージャーを集め
使ってコンピューターの未来をつくる。
と、言ってみたところで、ん~。わかんないんだよねえ。

appleコンピューターを作る話ではなくて、ジョブズその人のドラマという
映画だった。
ヴォズのことだけは、好き、な、ジョブズにああ~なんか~。ヴォズって天使
だったのかな? と思う。愛すべき穢れなきコンピューターオタクな大事な
友達、なのかなあ。
そして娘のことを、頑なに父親ではないと拒否して、でも最後にはやっぱり
向き合いたい、って感じに。どんだけ長い歳月をかけているのよ。
養子であったことにわだかまりがあるように描いていたり。
徹頭徹尾ジョブズその人が中心にいて山ほどセリフ喋って会話対話命令して、
でもジョブズのこと、わかんないなあってなる。凄い。

舞台袖で、ほんとに直前まで大変で、でも、ステージの光の中へ出て行く時には
ゆったりと、微笑みながら行く。大事な新作コンピューターのある舞台へ。
コンピュータが作り、変える未来を、世界を、信じて愛しているんだ、という
ことはわかる。それだけで、いい。
見応えありました。


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映画「同級生」

*ネタバレ、結末まで触れています。


映画「同級生」


中村明日美子さんの漫画、アニメ化。
前々から漫画が名作って評判は知っていたけれども、なんか自分としては
合わないような気がして実際には読んだことはなかった。
アニメ化、の、なんだか雰囲気がきれいだなあと思ったのと、実際評判よさそう
なので、水曜日に見に行ってきた。
(レディスデーだったけど、一律料金で1500円だった。しまったーチェック
していけばよかった。それなら普通の日に行ってちょっとお得気分のほうが。。。)
(でもおまけ冊子もらったので、薄い本も一緒に買ったのだ、と思うことに)

成績優秀な佐条と、ふらふらとしている草壁。
合唱祭の練習の時、歌っていなかった佐条が、一人で放課後たどたどしく練習
しているところを見てしまった草壁。歌が苦手な佐条に、バンドやってる草壁
は練習につきあってやることにする。
一緒に歌う。
そして気づけば、恋していた。

男子高校生二人の、ときめきの初恋。うううわ~。ピュアピュア!
「まじめに、ゆっくり、恋をしよう」
と、ポスターにコピー書いてあるんだけど、まさに。んも~~。キスするだけで
心臓がとまるってときめき。
レモン炭酸弾けるよっ。

ハラセンという先生が、佐条くんとちょっとわけありっぽくて、でもこの中では
わかんないので、漫画には多少あるみたいなので、あ~~漫画読みたいってなった。

思わずキスしちゃう、とか。ちょっとした言い合いからのすれ違い、とか。
嫉妬するのが苦しくてもうヤダとか。
も~~~ほんっと~~~~に~~~~~初恋だね。ときめくね。

始まりの頃は、輪郭だけみたいなあっさりした絵柄で、淡い、優しい色合いで。
二人がだんだん恋して、キスして、と進むとちょっとだけ描線が細やかになって
そんで佐条くんの目元とか色気が凄くて、くらくらする。
ひょろふわ~としたキャラのスタイルとか、漫画読んでないくせにいうのも
なんだけど、かなり原作の絵そのままにきれいに動いていると思った。

高校生で。夏に始まってまた夏がきて。
短いひとときの作品で、綺麗で。でもおまけ冊子にもあったみたいに、この先、
を思って切なくもなり頼もしくもあり。大学へいって距離ができても、付き合
っていくし互いを思う気持ちは続くし、なんだかんだあってもきっと二人で
乗り越えていってくれるんじゃないかなあ。わかんないけど。
素晴らしくきれいな世界でした。そのつかのま、輝く時間だけを切り取っていた。
甘酸っぱいよう~とのたうちまわったけど、よかったです。


アニメの映画を見に行ったのはすーごく久しぶりで、始まる前の予告の数々が
自分が日頃見ているのとまるで違っていた。それぞれの世界。。。ふむー。

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映画「SHERLOCK シャーロック 忌まわしき花嫁」

*ネタバレ、結末まで触れています。


映画「SHERLOCK シャーロック 忌まわしき花嫁」


ヴィクトリア朝時代のロンドン。19世紀のシャーロック。本来のシャーロックと
言っていい。BBCのドラマとして現代に翻案されたシャーロックのスペシャルが、
時代ものとなって作られ、日本では映画館公開。
ミニ特番の「脚本家スティーブン・モファットと巡るベーカー街221Bの旅」(5分)
「シャーロック製作の裏側 主要キャスト・スタッフとともに」(15分)が
一緒に上映される。

てことで、これは、あくまでテレビシリーズのスぺシャル。映画作品ではない。
突然これ単独で見に行っても戸惑うことが多すぎるかもしれない。登場人物は
テレビシリーズありき。

ヴィクトリア朝なベネたんシャーロック、マーティンワトソンも似合ってる~!
かっこいい可愛い~! ワトソンの小説が人気になっていて、ってところで、
ハドソン夫人が登場人物として自分の出番が少なすぎるとか拗ねたりしてて
いろいろめっちゃ可愛い~!
って最初は単純に楽しんでいたら、ちらほらと、あ、あれ、単に本家シャーロック
やってみた、っていうだけじゃない? とわかってくる。
びっくりしたー!

これはS3のまさに続き。スペシャル特番とはいえテレビシリーズの一つなんだ。
あの飛行機でモリアーティの再来かと呼び戻された時からシャーロックが
マインドパレスの中で思考している物語だった。おお~。
目の前で銃を咥えて頭ふっとばした人間が生き返る? そんなのありえるか?
と、過去の事件をひっくり返して考えてみてる、のが、花嫁の事件、か。

で、現代のリアルと、夢と、過去の事件の中、さらに心の中、と、いろんな
レベルでメタメタになる。さらに言えばテレビドラマであるシャーロックを
俯瞰するかの如きメタレベルもあるような?
なんかもう、びっくりしつつ、それからは、えっと、ここはどのレベル?とか
考えちゃって頭が忙しかった。まー、いつも大体そうか。

そして基本、シャーロックのマインドパレスでの出来事たち、と思うと、
ジョンのことをシャーロックはめっちゃめちゃ頼りにしてるのね!?
そしてモリアーティがほんっっっとにやっかいなのね!

事件を待つ屋敷から離れたところでジョンと二人きり。きみは経験あるのか、
とか詰め寄られたりして、ええと~~~~。この距離感のつめ方、を、シャーロック
はマイパレ内で一人想定してるわけ??? と思うと。
これふぁんふぃくとかでよくあるやつだ。。。と、思ってしまった。ときめく
でしょーがー。

そしてライヘンバッハ。
モリアーティにぐちゃぐちゃにされそうなところに、飄々を銃を持って現れる
ジョン。脱力しちゃうw
僕にはジョンがいれば大丈夫、って感じ、シャーロックの信頼どんだけ~~!!!
私はモリアーティが好きなんだけど、はい、ジョンとシャーロックの仲を邪魔
することはできませんね。はいはい。
でも、ウィルスとしてシャーロックの中に、あるいは世間に? 偏在する
モリアーティってとてもセクシー。
さらにこの続きがどうなっていくのかわかんないけど、モリアーティの影が
どう広がっていくんだろうか。すごく楽しみ。

と、なんかこう、忌まわしき花嫁事件そのものは、わりと、まあ、えーと。
男たちの見えない敵、女ってことなのか?
フェミニズム的なこと、らしい、けど、なんか、わりとそれはとってつけた
ようなというか、まあ、いっか、ってなってしまう。
花嫁衣裳のモリアーティ素敵よ。

マイクロフトお兄ちゃんが、弟を大事にしてて気にしてる、いつも、という
感じがとっても素敵だった。賢い方、としてのおにーちゃん。
も~。シャーロックってばみんなに愛されちゃってるね。

ベネたんはヴィクトリア時代では黒髪ぴしっと撫でつけていて、かっこいい、
けども、またなんか無垢な幼い顔してたりして、どんだけ可愛いんだかっ。
そしていい声。
みんなみんな可愛くてかっこいいよう。


特番は、本編始まる前に、221Bの部屋のセットのこまごまとしたこだわり
の紹介。
本編終わってから、メイキングというか、キャストインタビュー。
ハドソン夫人がジョンシャロの母親的、とか可愛かったなあ。
寒い中での撮影でみんなタイヘンそうだったw
アンスコくんのインタビューが~とっても可愛かった!好き!ふわっと優しい
喋りするのに、モリアーティの感じで言うときにはがらっと変わるの。ま、
俳優さんですから、とわかっちゃいるけどやっぱ凄い~。ほんと、あの
モリアーティあってこそだよねえ。プールのシーン最高。

映画館のスクリーンで見られたのはとってもよかったし見に行って満足だけど
テレビで見たいな~~~なんでなのNHKさん?
実況とかしてみんなで、えええー??? とか盛り上がったりしたかったかも。
続きはどうなるんだろう。
それにこれも、もっと何回も見たいかも。。。あああ。悩ましい。
とっても楽しかったよー。好き~~。

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映画「キャロル」

*ネタバレ、結末まで触れています。


映画「キャロル」


クリスマス時期のデパートで働いているテレーズは娘へのプレゼントを探しに
きた美しい女性に目を奪われた。彼女が忘れていった手袋を返したことから
ランチへ誘われ、親しくなっていく。
キャロルは夫と離婚調停中で、愛する一人娘を夫に奪われそうで苦しんでいた。
テレ―ズは恋人はいるものの、関係をすすめたがる彼にいまひとつついていけ
ないでいた。
二人で休暇を旅に過ごすが、キャロルの夫の差し向けた探偵(?)に弱みを
握られる。キャロルはテレ―ズの前から姿を消した。

1950年代のニューヨーク。
同性愛はタブー。だが、一目で恋してしまった二人が、二人の見つめ合う視線
だけでひしひしと伝わってくる。
ケイト・ブランシェットのキャロルはもう本当に、圧倒的に素晴らしく美しい。
ルーニー・マーラのテレーズは、初心い乙女で、写真家になりたい若い女の子で
でも流されるばかりでNOが言えなくて、何が本当に欲しいのかわからなくて、
初めて本当に恋に夢中になった、ひたむきな可憐さが素晴らしい。
ただただこの二人を眺めているだけで夢の世界。
キャロルが、圧倒的ゴージャスなのに、娘という弱みで脆く危ういのがたまら
なくセクシー。
ランチのメニューも自分で決められない、という始まりから、キャロルとの
関係に踏み出し、積極的に受け入れる、テレーズの方が決めていくことになる
のが素敵。
繊細で優美で可憐な二人の美女を見ていると、男たちが実にがさつでダメ。
大きな声出さないで。
二人でいるところへ邪魔しに現れないで。
男性登場人物は誰一人魅力的じゃなかった。すがすがしいほどに、キャロルと
テレーズの物語。
男に所有されたり侵害されたりせずに、女性が自分自身として生きることを
選んでいく凛々しい物語でもある。

旅しながら、少しずつ触れ合うことがあったり距離が近づいたり、ドキドキ~!
キャロルの運転する車の助手席で眠っちゃうテレーズ。
う、ハンニバルのレクウィル、とか思っちゃうよねー。匂いかいじゃったりして
恋するとやはり相手の匂いとか敏感になっちゃうのね。ね。嗚呼。
二人で新年。ようやくキス、抱き合う。もう心は決めてる、って感じのテレーズ
が素晴らしく美しくなって、キャロルはもちろんだし。はー。きれいだった。

ラスト、キャロルのところへ行くテレーズ。んも~~~。美しい!
一度は別れ、離れて。その間にテレーズは綺麗になって、そして、もう一度
キャロルを選ぶのね。

原作は読んでない。もうちょっと毒があるのかな?? でもともあれ、この
素晴らしいキャストでうつくしい映画を見られてしあわせでした。

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映画「メン&チキン」

*ネタバレ、結末まで触れています。


映画「メン&チキン」


トーキョー ノーザンライツフェスティバルでの上映、12日の夜に行きました。
ホントは6日の夕方のに行こうかな~と思っていたら、前売り発売になってすぐ
売り切れたらしい。年末だったんだよね、前売りの発売。。。自分の時間なくて。
でも2月のだしって油断してたら。なんか、発売初日になくなったっぽい。
恐るべしマッツ人気。というか、マッツ人気なんだろうと思ったんだけど、そう
だよな? 悪党の時にも思ったけど、結構男性客もいっぱい。マッツ人気? 
北欧映画ファン? ともあれ満席でした。北欧人気みたいなの高いのかなあ。
12日は夜9時すぎから上映で、帰れる気がしないと思って迷ったけども、
でも、やっぱり見たい!と思って行った。帰りは日付変わってしまったけど。


ガブリエルとエリアスは兄弟。父が亡くなった後、ビデオメッセージで実は
本当の父は別にいることがわかる。母親もそれぞれ別々。似てない兄弟だと
思ったんだ、というガブリエル。
遠くの島に実の父、タナトスを探しに出かけていく二人。崩れかけた屋敷には
三人の男たちがいた。フランツ、グレゴール、ヨセフ。異母兄弟たちだ。
だが話の通じない暴力的な彼らは村でも厄介者扱い。ガブリエルたちとも
殴り合いになるが、兄弟だと話して父に会わせてくれと頼む。
病気で寝ているからダメだと一度は追い返されるが、なんとか屋敷に滞在する
ことになった。家の中に鶏や牛。共に口唇裂の兄弟。会わせてもらえない父。
兄弟たちとエリアスは馴染んでいくが、秘密の隠された屋敷でガブリエルは一人
なんとか父に会おうとした。

お下品で(笑)暴力バシバシで、無茶苦茶、酷いよ兄弟たち~!
醜い、女に、というか、他人に全く相手にされようのない、まともに教育も
受けてないような兄弟たち。ガブリエルだけはそこそこまともに知性がある
ような感じ。一応は大学教授だったし。

マッツはエリアス。出会い系かなんかで?初対面の女性と話してたと思ったら
トイレにこもっていきなり自慰するw なんかこう、異常性欲?しょっちゅう
しこしこ始めたくなっちゃって大変そうw

段々明らかになるけど、まあわりとわかるけど、父は実はすでに亡くなっていて
地下の秘密研究室では、動物の遺伝子を使って不妊の自分の子をなんとか産ませ
ようとしていた跡が発見される。
動物実験しか成功してないと思われていたけど、兄弟たちは実は実験結果だった。

ガブリエルはフクロウの遺伝子を持つ。エリアスは雄牛。種牛。
フランツは鶏でグレゴールは犬で、ヨセフはネズミの遺伝子を持つ。

なんかこう、無茶苦茶なんだけど、暴力だしお下品だしこわいんだけど、
コメディであって、なんか結局はヒューマンドラマなの。なんでしょうこれ凄い。
酷いのに、妙にフラットに開けてて明るい印象が残る。

とにかく女とやりたいやりたい、って感じ。だけど、女ならなんでもいいんだけど
相手の意志を尊重するようだったり。
女いないから鶏でやる、みたいなんだけど、鶏可愛いって感じで抱っこしたり。
うーん。

ガブリエルとエリアスは最初の実験結果で、でも気に入らなくて里子に出した、
ということだけど、なんか、育った兄弟五人を見ると何が失敗作なのかわかん
ないし。むしろ成功作のほうじゃない??
まあ外で二人、たぶん一応の教育受けた結果なのかなあ。屋敷の三人はたぶん
父が独占して偏ったことしか教えてないみたいだし。
そんな外部からの二人がやってきたことによって屋敷の中だけの秩序が崩壊。
女と自分だけやりそこなったエリアスは、雄牛を殺し、鶏とやる。(やった、
んだよね?)イサクというすごい立派な雄牛は、でも父でもあるわけで。
名前のいろいろは聖書的な絡みがあるの、だろう。私が知識がなさすぎて
よくわかんないけど。
エリアスは養父の死に目にも会えなかった。さらに父殺しをした。
自分から庭の檻に入るの。
戻ってきたガブリエルに、「抱きしめてもいいか?」と聞くの。
も~~~~。
切ない。泣いてしまった

エリアスのほうが2歳上のお兄ちゃんなんだけど、ガブリエル大好きっこで、
まるで弟キャラ。可愛い。ガブリエルのほうはすぐにしこしこ始めちゃう
エリアスのことをホントは嫌いだとか言ってるんだけど。兄弟じゃないか、
っていう情はたっぷりあるんだよねえ。はー。

父と同じく、というか、実験交配で生まれた自分たちもやはり不妊か、と、
真相を知った兄弟たちは茫然とするのだけれども、ラストシーンは、家族に
囲まれての光あふれるシーンだった。
冒頭の子供たちのナレーションに戻る。
子供たち、生まれたの、かな? 彼らの子供たち?

なんかちょっと、迷ってしまって。あれはエリアスが夢見た幸せの幻、みたいな
ことなのかなあと思うんだけど、どうかなあ。
リアリティとかよりファンタジーと思って、まあめでたしめでたしのラストと
思っていいんだろうか。んー。
エリアスだけは鶏抱いていて、エリアスだけは子どもに恵まれなかったような
感じの絵だったと思う。どーなの。エリアスだけまた切ないの? うーん。

こんな無茶苦茶兄弟たちのお話で、でも最後には兄弟みんなのこと愛おしくなる。
すごいなあ。

で。
やはりマッツが~。可愛い。かっこいい。醜くてヘンな役で、それはそれでもう
エリアスなんだけど、でもマッツかっこいい~。もう~どんなマッツでも最高に
ステキだよ~好きだよおおお~。デンマーク語マッツ素敵~~。
これ、ドイツでプレミア上映したときに、ヒューくんも来てて。一緒に見たの
だよねえ??? こ、この映画を一緒に見たのか、と、しみじみ感慨に浸る。
すごい~。も~~。
抱きしめちゃうだろ。
あんなの見終わって隣にいたら抱きしめるしかないだろー。あー。

見に行けてよかった。何回も見たくなってしまう。日本でも発売してお願い;;

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野田地図 第20回公演「逆鱗」


*ネタバレ、結末まで触れています。


野田地図 第20回公演「逆鱗」
作・演出 野田秀樹

松たか子 瑛太 井上真央 阿部サダヲ 池田成志 満島真之介 銀粉蝶 野田秀樹

10日のマチネを見に行きました。@東京芸術劇場

どういう話なのかまったく知らずに見に行った。

水族館に巨大な水槽が設置されるところから始まる。これから、人魚を捉えて
展示する予定の場所。
届けられる電報。他の人には見えない沖の船が見えるという電報配達の青年。
沖の船を恐れている人たち。
水族館に目玉が欲しい館長と、そこにつけこむ人魚学の博士と助手の娘。
助手のザコは館長の娘でもあった。
そして、海底に棲む人魚。

人魚を巡って捕まえるとかどうとかのドタバタがあり、でもちらほら挟まれる
言葉、シーンで、あー戦争のことが? と思っていたら、終盤わかる。
人魚とは人間魚雷。特攻作戦に散った回天の話だった。

相変わらずの言葉遊び、連想から膨らむめまぐるしい展開。
楽しく盛り上がって、時折挟まれる不穏な闇の気配から、最後まで一気に
たたみかけられる。135分、休憩なし。魅入られた。

舞台を動き泳ぎ回る魚たち。くるくる仕切るボード。衣装も可愛い。
頭のない巨大な魚とかもちろん明らかに作り物なのに不気味ですごい。
あがったり下りたり、ハッチや水槽の縁になる階段の所好きだった。
わざわざ二回まわるのね。その高低の感じ、可愛かった。

澄んだ瞳の青年が満島真之介で、あーもー確かに澄んだ瞳きらきら、その目、
ああ~っと、やられる。
目がいい、電報を持ってきた青年、瑛太。なんだかほわんとした好青年、それが
巻き込まれ戸惑い苦しむ。
青年たちの死を抱えた人魚。松たか子の語りに始まって終わる。回天の回想の
物語だったのね。

こんなにも、こんなにも、言葉の魔術師つーか変幻自在に言葉を使いぶつける
演劇の、ラストには、もうなんの言葉も放つことはできず、ただ、悲鳴があがる。
悲鳴が。

海の死は死んだ者の時間が溶けだして塩になり、しょっぱくなる。
時間の塩、というのは胸に刺さった。

NINGYOの悲鳴、松たか子の最後の叫びで涙腺決壊。びしょびしょに泣いた。
どんな言葉も出ない。

帰りに「新潮」3月号買ってしまう。「逆鱗」の台本載ってたから。
見終わってからまた初めから言葉を追うとよくわかるし刺さる。
こういう舞台をつくったんだなあ。見に行けてよかった。


 「……私の咽頭部から喉頭部へとつづく、少し手前の筋肉から、音のような
 ものが出て……」

 NINGYO            松たか子
 モガリ・サマヨウ       瑛太
 鵜飼ザコ           井上真央
 サキモリ・オモウ       阿部サダヲ
 鵜飼綱元           池田成志
 イルカ・モノノウ(イルカ君) 満島真之介
 鰯ババア(逆八百比丘尼)   銀粉蝶
 柿本魚麻呂          野田秀樹


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映画「信長協奏曲(ノブナガコンツェルト)」


*結末まで触れてます。


映画「信長協奏曲(ノブナガコンツェルト)」


戦国時代にタイムスリップしてしまった高校生が、顔がそっくりな信長に出会い、
身代わりとなって生き抜いていく。

って、月9ドラマだった時にどんなものかと見てみたらかなり面白くてハマり
ました。ドラマがいい所で終わってて、あ~~~本能寺どうするの!と気になり
つい、映画も見に行ってきた。11日に見ました。

原作漫画が、そもそも面白い、という評判は知ってて、でも読んでなくて、
映画見てやっぱり漫画読みたくなったなあ。
タイムスリップ、歴史のもしもみたいなところ、こいつがこいつになる???
その驚きが新鮮ですっごく面白かったの。まー、本能寺でああなるとこうなる
しかないかなあ、という終りで、まあなるほど、と思う。ドラマの中盤あたり
が個人的には一番面白かったかなあ。
漫画はたぶんまだ続いてる? こういう結末になるのかどうか、気になる。

小栗君は二人の信長を頑張っていたし、かっこよかった。
信長は信長として死に、サブローは光秀となって殺され、死ぬのではなく戻る。
まあそうなるかなと、うん。寂しいけどそう終わるしかないか。
やっぱでも個人的には秀吉のキャラがすっごくよくって!凍った死んだ目をした
山田孝之すごいな最高だなと思った。
深い恨み復讐、復讐を果たしたとしても何一つ救われてなくて、ざっくざっくと
殺した後の死体をも刺し続けるのよかった。
この秀吉の闇よ。これは後年朝鮮出兵だのなんだの残虐行為みたいなことも
やっちゃうな!こわい。面白かった。

まー月9テイストっていうのでしょうか。結婚指輪がみたいなのは個人的には
いらないんですけど、まあ。あとビデオメッセージね。まあ、うん。まあ、
いいけど。帰蝶ちゃん、しわしわになるのは嫌じゃ、と言ってた通り、時代を
経てもぴかぴか綺麗でしたね。まあファンタジー戦国時代だ。リアリティの
問題じゃないんだ。

テレビでやるのを待ってもよかったかな。。。とちょっと思いつつ。
でも面白く見て、こう締めるのかなるほどねと満足はしました。

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映画「オデッセイ」


*結末まで触れています。


映画「オデッセイ」


火星探査中、予測以上の嵐によって、ワトニーは吹き飛ばされ、死亡したと
思われた。
全員の共倒れは避けねばならない。船長のルイスはワトニーの捜索は諦め、
脱出を決意した。
だが嵐のあと、ワトニーは意識を取り戻す。
残されたキャンプ地、食料は31日分。次の火星探査機がくる予定は4年後。
植物学者でもあるワトニーは、生き延びるための問題解決に取り組む。


6日に見に行った。火星で一人ぼっち。そうだジャガイモを育てよう!
それには土と水を作らねば。って。
火星でダッシュ村、みたいな噂通り、途方もない極限状態の中で、ぼやきながら
船長が残した音楽の趣味に文句をつけながら、そこにあるもので生きる努力を
始めるワトニーのキャラがすっごくよくって、最高だった。
原作は未読。
原作が凄い面白いって評判を知った時には映画化の話もあって、映画見るかなあ
と思って読まずにおいた。
原作好きな人からするとなにかと物足りなさそうで、うーん。
私は未読でよかったような気がする。映画最高に大好きになったしだから本も
読みたくてとても楽しみ。火星や宇宙船や設備や装備の絵を思い浮かべながら
読めたら私にとってはありがたい。

コメディ部門にノミネートされてたとか、意外とユーモア、というのは、予告で
ワトニーがビデオ記録とりながら「サプラーイズ」ってへにゃっと言ってるのを
見た時から感じられてて、すごく楽しみだった。

そして音楽~~~。80年代ディスコミュージックなんて最悪だ、みたいに
言いながら、そういうのかかるとすごく楽しい。
そしてそして。D・ボウイ。スターマンかっ。
見る前とか、途中とか、結構勝手に心の中で、スペースオデティとかライフオン
マーズとかジギーとか流してました。けど、スターマンだ。

通信が繋がって、ワトニーを救助に行く、って途方もないけど強いシンプルな
目標に向かって、まさに地球人の叡智きわめて、プロな人々がそれぞれに必死に
でもわくわくとしながら協力しあっていく。
ユーモアで楽しいと思いつつ、ちょいちょいうるっときてたけど、スターマンの
あとにはもうずーーーっと涙が止まらなくて。ボウイのことも思ってしまって。
火星とボウイはなんか近しいでしょ。地球からいなくなったボウイのことも
どうしても思ってしまう。
泣いた。

ワトニーがああいう感じだからユーモアのある普通っぽさを感じたけど、でも
人類の中の最高のエリートだからこその宇宙飛行士なんだよなーと思う。
船長たちクルーも。NASAでなんとか頑張る人たちも。でも普通っぽくて淡々と
やるべきことを想定し実行し解決していくの凄いかっこよかった。
プロフェッショナル。
かっこいいよう。
大袈裟ぶらずに仕上げてるのがほんとかっこよかった~。
ことさらに家族愛だのなんだのの方向にいかず、大変なことになったけど
なんとかしよう、っていうのがねえ。かっこいい。
ジャガイモの偉大さに感激。ジャガイモに精神薬砕いてまぶしてる、食べる、
いやーケチャップきれちゃって、っていうユーモアにあわせて、やっぱり
気が変になりそうな限界状況であることにかわりなくてっていう、わめいたり
するシーンを入れなくてもわかるし刺さってくるし、もーほんと見ていて
すごく愉しかった面白かったけど辛くて辛くて胸が潰れる思いもして、凄かった。

人類に知恵があるって素晴らしい~。
火星はあまりに遠くて絶望的な赤い世界で、それでもできることはある。
火星のあとに見る地球の青。なんてうつくしい。
生還後に、わざわざ誰かと抱き合ったりするシーンはなくて、でも訓練校で
若い連中に心から敬意払われてるちょっとした仕草をうけるのがステキだった。
マット・デイモンを初めて心からかっこいいと思いました。ごめん凄いのに。
登場人物みんな好きになれたよかっこいい。ギークなテイストも可愛かった。
本読もう~っと。楽しみ。

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映画「ブラック・スキャンダル」


*結末まで触れています。


映画「ブラック・スキャンダル」

ボストン。ジミー・バルジャーは密かに町の裏家業を牛耳っている悪党だった。
その弟ビリーは議員として町の権力者となっていく。
FBIで業績を上げて町に戻ってきたコナリーは、イタリアンマフィアを排除する
ためにジミーと手を組み、情報を流すようになった。
幼馴染、仲間の絆として次第にジミーの悪事の分け前にあずかるようになった
コナリー。
エスカレートしていく悪事。不正。


実話ベース。以前本を読んでる。
物凄い劇的な盛り上がりがあるでもなく、淡淡と進む。
ジョニデは本人そっくりに、頭はげてるじゃーん、て思う出落ち感があるけど、
それでも横顔がシルエットになったりしたら、物凄くきれい。隠しきれない
ハンサムさ。それで酷薄つーか、さくっと人殺ししていくのがこわい。
余計な警告も脅しもなし。さくっと。こわい。。。
奇天烈なメイクや衣装じゃなくてリアル悪役をジョニデもっとやればいいのに。
迫力あった。

弟、政治家になるビリー、ベネたん。出番少な目だったけど、よかった。
政治家っぽいっつーか、にこやかに挨拶、パレードで挨拶、とってもらしい感じ。
母の前では可愛い兄弟で、ベネたんが朝食用意してたりして可愛かった。

兄がいよいよ駄目で逃げる前に電話してきて。もーお互い大人おっさんなのに、
可愛い弟よみたいにいいお兄ちゃんな感じで喋ってるのが切なかった。

ずっと、子どもの頃からの憧れや仲間ってところが根っこにあって、どんどん
ヤバくなるのに悪い方へ悪い方へはまっていくのをどうにもできない感じが
ヒリヒリと怖い。
司法取引でどんどん刑が軽くなるのもすごいな~と思う。逃げ続けて12年。
ジミーが捕まったのは割と最近だった。
こういうのが実話、ね。大変だなあ。。。

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映画「SAINT LAURENT サンローラン」


*結末まで触れています。


映画「SAINT LAURENT サンローラン」

イヴ・サンローラン。フランスファッション界、モードの帝王と呼ばれた男。
女性のスタイルを内面から変えたと言われる売れっ子。だが、成功の裏では
苦悩と頽廃堕落孤独の中にあった男。


ピエール・ニネくんがやってた、公認(?)なのと同時期に作られてるけど
(2014)あっちが先で、こっちは去年末公開になりました。
ちょっと遠かったので、近くでやらないかな~と待ってた。やってくれてよかった。

ギャスパー・ウリエルくんのサンローラン。「ハンニバル・ライジング」で
青ざめた美貌って感じの青年だったのが美しいまま育ってるねえ。今回のも
綺麗だった。
ニネくんのとどうしても比べて見ちゃうけど、こっちのほうがダークサイド寄り
とでもいいますか、闇を抱えてそれを周りにも零しちゃう、魔性の男って感じが
してすごい素敵だった。
ニネくんの場合天使すぎる魔性、守ってあげなくちゃってなってた。
ウリエルくんは堕天使な感じ。やっぱり危うくてステキすぎるんだ。

物語というか、ストーリーは時系列ではなく。ピエールとの関わりは少な目、
愛人(?)に溺れる感じのほうが多かったかなあ。まあなんにせよセクシーで
ステキ全裸とかあってうっとり。

サンローランがデザインを作り出し、それを実際形にして服を縫い上げていく
お針子さんとかスタッフの仕事もけっこう描かれていた。
うーん、あんなナーバスな上司の下で働くのは大変すぎるだろ、という気がする。
けれども、仕事だけれども、それ以上に芸術を作り出していく、というチーム
だったのかなあと思う。
ピリピリするけどサンローランは繊細で優しくてというのをみんなが遠巻きに
見守る感じ。何人かの腹心が、ぐいぐいスバスバ引っ張ってったのかなあ。
あんなにハラハラさせられながらも、愛され魅力があってカリスマだったのだろう。
どんなに映画化され語られても、実際のところがわかるわけじゃないけどさ。
生きているうちから伝説。生きているうちから何度も死亡説が流れたとか。
ほんと私が何も知らなくてファッション界のことも何もわからなくて、そういう
伝説の感じが実感できるわけじゃないんだけど。
近くにいて魅せられてしまった以上、虜になってしまう魔性の男だったのかなあと
想像する。
最後には死亡説を書き立てようとした新聞記者かなんかに、生きてるよほら、
って姿を見せるところで終わる。ニッと笑った顔のラストカット。綺麗だ。

晩年の老いた姿をやってたのはヘルムート・バーガーなんですってよ。
私はあんまりよく知らないとはいえさすがに名前は。確かに大変雰囲気あって
見入ってしまう人物でした。

ファッション舞台なわけで、衣装も、最後のショーも綺麗だった。
さっすがに美女山盛り出てくるし。
何よりイヴが着てる服、スーツがステキだったなあ。
眼福映画です。

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