« 映画「バレエボーイズ」 | Main | 映画「キングスマン」 »

『世界が終わってしまったあとの世界で』上下(ニック・ハーカウェイ/ハヤカワ文庫)

*ネタバレ、結末まで触れています。


『世界が終わってしまったあとの世界で』上下(ニック・ハーカウェイ/ハヤカワ文庫)


ぼくと、ゴンゾーは幼いころからの親友だ。ゴンゾーは強い。ぼくたちは
<エクスムア州運送&危険物質緊急民間自由会社>の社員だ。危険な現場を
片付ける。
世界は終わってる。近づけない場所だらけ。
人間はパイプラインの側でしか生きられない。


青春SFみたいな感じ?
現在のぼくとゴンゾーがただらなぬ世界に生きている感じから、少年時代から
の回想になって、ともに成長し、軍隊に入り。世界が終わる意味不明な戦闘、
戦争、謎の武器、などで、異様な世界に変わっていくのが描かれる。
ぼくの語りなので、俯瞰的に何かを見られるのではなく、なんだか翻弄され
まくる上巻。どうしちゃったんだ、っていうのはなかなかはっきりわからない。

無茶苦茶になった世界で、パイプを作って人が生きられる環境を作ろう、と、
しているパイパー90に乗り込むぼくら。
そして、<新型>、人間じゃないけど怪物とも言い切れない人々の街、
<発見された千人>と出会う。
轢きつぶしていけ、というエライさんたちと対立してパイパー90から離れ、
ぼくらは、自分たちでやっていく、ってことで冒頭の民間自由会社の時に戻る。

長い~。
んで、火事場での活躍とかあって、<FOX>を浴びちゃって。
ぼくが誰なのか、やっとわかる。
大好きな兄を失ったゴンゾーの哀しみが作り出した秘密の友達。ゴンゾーの
中にいたぼくが、実体化してしまったのだ。
えー。
と、なんかこう、実はもう死んでいる? とか途中思ってたんだけど、SFと
いうかファンタジーというか、んー、なるほど。
ウー老師との修行とかはなんなんだ、とか混乱しちゃったけど。ゴンゾーと
ずっと一緒だったところはともかく。二人離れ離れの時期もあったよね。
んーと、ゴンゾーの中でぼくが優位に在った時があった、みたいなことか、
饒舌な一人語りってことでそれなりの捏造記憶みたいなこと、ってことか。
私にはちょっとわからないー。まあいっか。

で、世界の核のエライさんに利用されそうなゴンゾーを取り戻す、とか、
そいつらは実はウー老師の仇であるニンジャ軍団で最後の決戦、とか。
ドラマチックというかアニメっぽいというかなんかまあ戦って、勝って、
マトリックス風な? 少数の人間を犠牲に人々を守るとかはやめて、もっと
自由を、みたいなところで、ぼくは去っていく。
いいの? 世界の秩序は? と思ってしまう私は自由が怖い奴隷根性が
しみついてる人間なのかなあと思ったりして、自分にがっかりする。

こういう饒舌な荒唐無稽、というのにはもう私はのりきれないかなあ。
ぼくが自分のことを自覚していくあたりの切なさはなかなかくるものがあって
よかったけど。
個人的にはこの作者だからといって次作を手に取ることはないかなー。

で。
訳者あとがきで知った驚愕の事実。ル・カレの息子さんなんだって。
へ~~~~。
作風は全然、全然違いますね。まあもちろんだけど。
私は、おとーさんの小説が大好きです。

|

« 映画「バレエボーイズ」 | Main | 映画「キングスマン」 »

「書籍・雑誌」カテゴリの記事