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『ハンニバル・ライジング』上下(トマス・ハリス/新潮文庫)

*ネタバレ、結末まで触れています。


『ハンニバル・ライジング』上下(トマス・ハリス/新潮文庫)


1941年。リトアニア。レクター城に暮らすハンニバルの一家はドイツ軍を
避けて森のロッジに避難する。8歳だったハンニバル。幼い妹ミーシャを
守るのがつとめだった。
3年半、隠れて暮らしたが、ソ連軍とドイツ軍との戦闘に巻き込まれた。
家族を失い、下っ端協力者たちに捕まるハンニバルとミーシャ。凍りつく
冬の飢えの中、男たちは手に入るあらゆるものを食糧とした。

ハンニバルの若き日々。ってことで、これも再読。
リトアニアの貴族の少年が、過酷な戦争被害の中生き抜いて、復讐を遂げる、
という話としてはすんなり面白い。
けど、レクター博士なのに~と思うと、すんなりわかりやすすぎてテンション
下がる気がする。
あと、孤児になったハンニバルを引き取る叔父夫妻、妻の紫夫人ね。
この辺の日本趣味の感じが、やっぱどーしても違和感というか笑っちゃうと
いうか。いいんだけど。凄いいろいろよくやってるなあと思うんだけど。
なんで伊達政宗。いいけど。紫。源氏。ハンニバル光るの君なわけ?? えー。

妹を食べたからカニバリズムに目覚めた、って単純なわけではない感じかなと
思ったけど、それにしてもなんかもうちょっと。わりとあっさりしてて、それは
まあそれでいいんだけど、それにしてもなんかもうちょっと、と思ってしまう。
すんなり読みやすすぎるのかなあ。新しいから。んー。

映画も見たなあ。素晴らしくうつくしくかっこいい若ハンニバルで、それは
好きだった。
マッツハンニバルをイメージしてみると。ん~。なんかちょっとやんちゃな
感じがしてきそうで、それも楽しい。

千代、って、紫夫人のお付きの娘で、あ~、そういう子だいたんだった、と
思い出した。
超絶賢い子どもだったハンニバルと、家庭教師ヤコフ先生っていうあたりは
かなりもえる。
復讐は。なんか。そんな感じに行き当たりばったりに都合よく上手くいくのか?
という気がしてしまうのが物足りないのかも。緻密さに欠ける。
でもまあ、わりと博士って行き当たりばったりな、なんかとにかくやってみる
って感じの適当さはずっとそんな感じだったっけなーと、思った。
うまいことクラリスに助けられたり。
超絶悪運のいい男、ハンニバル・レクター。


  彼は一人で食事をし、いささかの孤独も覚えなかった。
  ハンニバルは心の長い冬に踏み込んでいたのだ。ベッドでは熟睡し、人間
 と違って悪夢に襲われることもなかった。


と、人間じゃないっぽく締められている。ミーシャを思って悪夢に叫ぶことは
なくなった、と。
でもでもっ。この孤独を忘れたハンニバルに孤独を思い出させるのが、ウィル
なんだー。ドラマハンニバルでは。うるる。一人で食事をするより、ウィルと
食事をしたいって思うようになるんだー。うるる。ドラマ凄いなあ。


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