『羊たちの沈黙』(トマス・ハリス/新潮文庫)
*ネタバレ、結末まで触れています。
『羊たちの沈黙』(トマス・ハリス/新潮文庫)
FBIアカデミィで優秀な成績をおさめているクラリス・スターリングは、行動科学課
のジャック・クローフォドに呼び出された。
頼まれた用件は使い走りのようなもの。連続殺人鬼レクター博士に心理学的
アンケートに協力するよう求めてくること。きっと失敗するだろうが、その失敗
の様子をレポートにして出すこと。正規の職員はバッファロウ・ビルと呼ばれる
連続殺人の捜査で手いっぱいなのだ。
クラリスはレクター博士と面会する。
再読、で、大昔に読んだっきりだけれども、わりと覚えてる気がした。新訳では
ないからかな。新訳になるとやっぱり感じが違うのかな。
あと、名前が多少違っててびっくり。これは記憶になかったな。クローフォド
とかハニバルとか。クロフォードだしハンニバルとしか思ってなかった。
クラリスは健気で懸命で初々しくてこれは可愛がりたくなるわ~。
チルトンはひでー奴だしバーニイ以外の職員はダメダメだし。
ジャックの妻、ベラはこの時に病で、亡くなる。
性倒錯者なバッファロウ・ビルの強烈さは映画で見るより本のほうが酷い気が
するなあ。これ、もしドラマの「ハンニバル」が続いたら、やる予定なのかなあ。
あのドラマの雰囲気で見たい。見たいよー。
でもクラリスとかどうするんだろう。ウィルはここでは伝説の存在として名前が
出るだけ。酒浸りだとか。ウィル。大丈夫なのかウィル。しくしく。
バッファロウ・ビルの事件捜査と、その鍵を握るとみなされるレクター博士の
処遇、逃亡。
ほんと面白い。
私はやっぱり映画が大好きだから、本を読んでもあのキャスティングで映像が
浮かんでくる。けど、ドラマ大好きにもなってるから、マッツなビジュアルの
レクター博士でも浮かんできてすごくときめく。ああああ~かっこいい。うっとり。
チルトンめ。いろいろ酷い扱いされてるマッツレクターを思うと、もえる。。。
レクター博士の手紙。藤色のノート。ジャックにもうつくしい手紙送ってる。
これはドラマでもう出たやつかな。シーズン3見たい。。。
「どんな火がこの世界を焼き払うか
論争を続ける諸学派は
次の事について考えるだけの知恵がない
彼女のこの熱がその火ではあるまいか、と
ベラのことは心から同情申し上げるよ、ジャック。
ハニバル・レクター 」
最後にはクラリスにも手紙を送ってる。
「どうだね、クラリス、子羊の悲鳴は止んだかね?」
返事を新聞広告に出せってねだってる。博士は好奇心旺盛^^
というか、気に入った人間のことはどんどんぐいぐい知りたがるんだよなあ。
人が好きなんだよなあ。
ドラマでもそうだけども、社交的で人当りよく人付き合いもよく、人生を
楽しんでる、っていってたもんね、マッツ。人生を楽しむサイコパスこわい。
最高。
「私には窓がある。
今、地平線上にオリオン座があって、二〇〇〇年までは二度と見られない
明るさの木星がそばにある(時間と木星の高さをきみに告げる気はない)。
しかし、きみにも見えると思う。私たちの星の一部は同じなのだ。
クラリス
ハニバル・レクター 」
博士、ロマンティック~。
同じ星とかいっちゃって。
でもウィルは。ウィルからクラリスに乗り換えちゃやだー。
そんなこんなの妄想も楽しめる再読でした。レクター博士最高。
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