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『服従の絆』(ジョゼフ・ハンセン/ハヤカワポケットミステリ)

*結末に触れています。


『服従の絆』(ジョゼフ・ハンセン/ハヤカワポケットミステリ)


マリーナの船上生活者たちへ立ち退きの危機がせまっていた。所有者である
実業家、レ・ヴァン・ミンが殺された。容疑者は立ち退きに先頭きって反対
していたアンディ・フラナガン。彼の弁護人であるトレイシー・デイヴィスは
フラナガンが無実であると信じ、何か見つけて欲しいとデイヴに頼む。
仕事から引退するつもりでいたデイヴは、あまり期待しないように、と言い
ながらも、調査を始めた。

ブランドステッターシリーズの10作目。
冒頭デイヴは引退するから、という宣言した手紙をあちこちに送っている。
けれど、世話になっている弁護士グリーングラスの縁があって、断ることが
できない。
でも、やり始めたらやめられず、またなんか危険な目にあいつつ、やり遂げよう
としてしまう。引退なんかできない性分かなあ。
訳者あとがきによると、デイヴは65歳ってことらしいから、そりゃあもう
引退しなさいよー、と思う。セシルにどんだけ心配させるの。

えーと、事件そのものは、移民であり成功したヴェトナム人のもとで、働いて
いた従業員が密かに麻薬密売に手を染めていて、ということがわかってくる。
デイヴがなんとかうまくやろうとするものの、まー簡単にはうまくいかないよね。
やっぱりデイヴが突っ走るのがハラハラするし、周りともうまく連携とれて
なかったして、ほんと心配しながら読んだ。
死にたがりなのかデイヴ。もう引退してくれよデイヴ。ゆったり暮らせばいい
じゃないかー。

ヴェトナム人でありながらアメリカで成功した実業家。とはいえ、一家一族の
古い考え方があり、異質な存在としてある。
貧しい船上生活者がいる。
淡淡と、そういう世界の話を聞き秘密を暴いていくデイヴ。
デイヴは、金持ちだし名声もあるし。それなのに弱者の側、っていうのが
変わらずにある。これからはますます老いて、という問題も出てくるのかなあ。
シリーズはあと2作。楽しみ。

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