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『霊応ゲーム』(パトリック・レドモンド/早川書房)

*結末まで触れています。


『霊応ゲーム』(パトリック・レドモンド/早川書房)

1999年のロンドン。特ダネを得たいと思っているティムは客を待っていた。
40年ほど昔、カークストン・アベイ学園の事件を知っているはずの客の男。
そして彼は語り出す。まだ14歳、15歳の少年達が引き起こした出来事を。

てことで、英国、名門パブリックスクール、14歳の少年、という素敵な舞台で
起きた、少年たちのいじめや嫉妬や友情のもつれ、パワーゲームなお話。
そこに何か悪魔的な力が加わって。
すごく耽美少女漫画風味で楽しかった。

いじめられていた少年ジョナサン。誰とも友達になろうとしない孤高の存在だった
リチャード。生徒からも先生からも一目おかれ畏怖される存在だった彼が、
ジョナサンと友達になったことから学園内に不穏な出来事が起こり始める。
死と崩壊。

リチャードの嫉妬と独占欲が異常に強くて、リチャードに心酔していたジョナサン
がだんだん彼を恐れるようになり、助けを求める。
少年たちのそれぞれの事情が明らかになってきて、リチャードの心の闇もわかる。
母を亡くした哀しみ苦しみを誰も救うことができなかった。

ヴィジャ盤、降霊術みたいなのって、一応オカルトってことになるのかな。
こっくりさんみたいなことなんだよ、ね。それを使って遊んでみたことから、
何か悪魔的な力がリチャードたちに宿った、ってこと、で、いいのか。
ミステリな感じと思って読んだんだけど、どっちかというとオカルトな結末。
でもそれが本当かどうかはわからない。んー。
冒頭の、事件を知る客、は、ニコラスで、事件の生き残りの少年、てことね。
彼にも実はパワーが宿っているのか。わずかでも? 
本当は全部少年の集団のヒステリックな思い込みとも言えるし、でも実は
悪魔がー、っていってもいい、って感じかなあ。

いろいろもえるシュチュエーションではあったけれども、少年たちの心の傷が
丁寧に描かれていて、それがむしろわかりすぎてしまったなーと、個人的には
マイナス。
ともあれ、2000年に出た本、ですね。文庫化ってことで知ることができて
読んでよかった。

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