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映画「ギリシャに消えた嘘」

*結末まで触れています。


映画「ギリシャに消えた嘘」

舞台は1962年。ギリシャ。
観光ガイドをしているライダル。アメリカ人で、父と折り合いが悪く、ついに父の
葬儀にも帰らなかった青年。裕福そうな観光客と見えたチェスターとコレットと
いう夫婦に目をつけ、ガイドをしていつものようにちょっとした誤魔化しで手数料
を儲けた。
共に食事を楽しんだあと、コレットの忘れものに気づいてホテルへ届けに行く。
チェスターは実はアメリカからの逃亡者で、追手を弾みで死亡させてしまっていた。
たまたま死体遺棄に手を貸すことになったライダルは、そのまま彼らの逃亡にも
手をかすことになる。

パトリシア・ハイスミス原作らしい。「太陽がいっぱい」なんかをひきあいに
出しての紹介で、ヴィゴ・モーテンセンだしなんか面白そうかも、と思って見に
いってきた。作られたのは2014年だけど、とてもクラシックな印象のする映画。
上映時間96分てことだし、ほんとコンパクトにテンポよくさくさく進む。
なのに正直眠たくなったりもする。悪くないと思うんだけど。

チェスターが実は詐欺師で、架空の石油会社かなんかの株かなんか売って大儲け
したものの、出資者の怒りを買って探偵やら組織やらに追われてる身、とか。
コレットは若くて美人、愛してるけど単なるお飾りの愚かな妻って感じ。
ライダルはチェスターが父親に似ている、というところから気になってしまって
いろいろ深く関わってしまうけれど、所詮反抗期な若者、って感じかなあ。
ライダルが、ああも深入りしてチェスターやコレットに執着してしまう感じを
もっとねっとりじっとり見せるシーンが欲しいなあ、と、個人的好みとしては思う。

チェスターを追いつめるために、警察だかFBIだか? の手先となって
トルコで待ち合わせ持ちかけたりするシーンは、ちょっと、おっ、と思って
わくわくした。
けどわりとあっさりと終りを迎える。最後にはチェスターはライダルは関係ない、
と自分の罪を告白して死亡。
チェスターが莫大な金額奪った詐欺師って感じがあんまりしなくて、なんとなく
適当にやったことがなんとなくうまくいっちゃって、逃亡のあてもないのに
なんか逃げちゃって、という行き当たりばったりな愚かな感じが、なんか、
もうちょっとなんかないのか、と物足りない気はする。でもまあそういう、小悪人
くらいの男、ってことなのかなあ。もうちょっとなんか。なんか、もったいない。

それでも酒でぐでんぐでんになったり煙草ばかすか吸ってたり、優雅にしてる
時には白いスーツ、みたいな、クラシカルなスタイルのかっこよさはたっぷり
堪能できて、よかった。いいよねえ。胡散臭いアメリカ人、ギリシャ旅行。
すっきりとした佳作、って感じでした。

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