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『誰もが怖れた男』(ジョゼフ・ハンセン/ハヤカワポケットミステリ)

*ネタバレしてます。


『誰もが怖れた男』(ジョゼフ・ハンセン/ハヤカワポケットミステリ)


保険調査員ブランドステッター、シリーズ4作目。

ラ・カレタ。その町の警察署長だったベン・オートンが殺された。容疑者として
捕まったのはクリフ・ケアリー。活動家としてオートンと対立していた男。
だが、デイヴはおざなりな捜査に不審を持ち、オートンの死に責任があるのは
誰なのか、調べていく。保険の受取人だった家族、かつて受取人だったけれど
外された娘。不審な脅迫状。父親へのあてつけのように結婚した娘と夫は姿を
消した。ベンが死んでいた現場に入れ替わり立ち代わり居合わせたことがわかって
くる人々。テレビリポーターや芸術家のなりそこね。本当に手を下したのは誰か。

デイヴの父親が病気で倒れてた。ダグとの仲は冷えて、別別の相手とつきあい
始めてる感じ?デイヴはモテるね~。ローカルなテレビ局の若者がついてきて
協力してる。
ゲイ・パレードのことがちらっと出てきたり、殺されたオートンはガチガチに
保守で、ゲイとか黒人とかに激しい差別を持つ人物。最初容疑者にされていた
のも運動家だし。差別と対立がかなりはっきり描かれていると思う。
けど、それはそれとしてやはりミステリというかハードボイルドというか、
デイヴは淡淡と話を聞いて回り状況を把握し、人の秘密を知っていく。
ベン・オートンはよきアメリカ人のフリをしながら、娘の付き合う相手が黒人
だということで許さず、麻薬所持の罪をきせて逮捕させた。愛人を作ってもいた。
家族や小さなテリトリーの中では威張りくさっていた。

結局犯人は、愛人の兄でメキシコから美術品を密輸していたフランクリン。
揉め事は犯罪絡み。ベン・オートンの醜い側面を知ったところで、もうすでに
死んでいる。息子はこれからも盲信してこの小さな町で暮らすんだろう。
デイヴにくっついてきたがったセシルは兄の手によって引き離された。
小さな町の保守的頑強な人々。息苦しかったなあ。

この本が書かれたのは1978年か。(この翻訳出たのは1985年)アメリカでは
こういうゲイの権利活動が盛んになっていたころなんだね。
差別はなくなったとは言えないけれど、変わってきてもいる。長い時間がかかる
ものだね。

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