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映画「未来世紀ブラジル」

*ネタバレしてます。


映画「未来世紀ブラジル」


20世紀のどこか。
というわけでもう過去世紀じゃない? と思いながら見ました。
『1984年』ぽいというのはよくわかる。情報管理社会。どこか未来だけど
懐かしい壊れた荒廃の世界。情報局みたいなところ? 一部上流階級がピカピカ
で管理する側、される側はまともな抵抗のすべはなく、爆弾テロが頻発する世界。

サムは上流階級のコネがありながらも出世の見込めない資料整理の仕事でいい
と思っていた。ただ、いつも夢に見るのは美女を救うために戦う翼のある英雄
である自分。ある時夢の中の美女に出会ってしまったことから、なんとか彼女
の情報を得るべく仕事の昇進を願い、彼女のトラブルを解決しようと奮闘し、
だが自分も反逆者の側に追い込まれていた。

コメディなのかな? と最初思う。
名前ばかり知ってて中身はSFだと思ってたけど、これ、ドタバタコメディ?
あとこれ大体夢だな? と思って正直退屈で一瞬寝たりした気がする。
作られたのは1985年くらいで、その当時に、10代で見られたら衝撃も
強くて夢中になったかもしれない。
情報管理社会とか社会格差とか、テロの頻発とか無限に溢れる書類とか
コンピューターはあれどもテレビに夢中とか。ネット社会ってわけじゃない
のがまだ時代かなあ。テレビなんだよね。今だと各自がすきあらばスマホを
いじって勝手な動画みてる、みたいなところなんだと思う。
作られた当時の社会風刺であり社会問題であり、それがたぶん今現代の
社会風刺であるとも深読みはたっぷりできそう。それだけの強度はある作品
だなあと思う。

でも大体夢だな? と思っちゃうのが個人的には弱い。
悪夢の妄想映像表現ってどんどんもっと凄いのがきてる気がするから。
むしろこれとかが原点として今があるんだろうなあ。

お話を理解して追いかけようとするよりは、場面場面の絵面のかっこよさに
ひたすら痺れる感じで眺めるだけでいいのかも。
ほんっとかっこいい。
ダクトマニアなんだろうか。
工場とかダムなの??ぐわーっとコンクリの壁の底って感じの拷問場所とか。
冷たく暗く重々しい街。ゴツゴツ角ばって鉄の塊の車たち。
拘束着。軍服。特殊装備の警備兵。
若返りにいそしむ母たちなど上流階級の不気味な奥様方。
悪夢の中の日本の鎧兜のサムライ。
すごくかっこよかった。

結末は、拷問から救出されて逃げ出せた、夢の女ジルと田舎暮らしへ逃避行、
っていうところで終わりになるというハッピーエンドバージョンにされて、
でもそんなのダメって抵抗して、みたいなごたごたがあったらしい。
それは拷問中のサムの妄想、彼は結局地の底に一人残されたまま、という
ラストのほうが当然いいでしょー。
私が今日みたのはその142分版。

タイトルだけ有名で知ってた、っていうのをちゃんと映画館で見られてよかった。

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