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『闇に消える』(ジョゼフ・ハンセン/ハヤカワポケットミステリ)

*ネタバレしてます。


『闇に消える』(ジョセフ・ハンセン/ハヤカワポケットミステリ)


デイヴ・ブランドステッターは保険調査員。車が川に落ち大破した事故で、死亡
したとみられているフォックス・オルソンの件を調べに来た。遺体が見つかって
いないのだ。
家族に、町の人々に話を聞く。ラジオで人気者のフォックスはみんなに愛されて
いた。だが、デイヴが調査を進めるにつれてオルソンの隠された姿が浮かび
あがってくる。彼は本当は生きていて姿を消しただけなのではないか。

ゲイの探偵役のハードボイルド小説シリーズらしい、と知って読んでみた。
1983年刊行。んが、裏表紙には「異色のホモセクシャル探偵シリーズ第三弾!」
て書いてあって混乱。
訳者あとがき によると Fadeout(1970) 本書 ということでこれが一作目、
らしいんだけど。『死はつぐないを求める』『トラブルメイカー』という
二作目三作目が日本で先に翻訳されてるのかな? よくわかんないけどそれも
読んでみるつもり。
『闇に消える』ではいきなり恋人が亡くなってて哀しみの中にあるデイヴ、
って感じなので、もしかしてさかのぼってこれより前の話があとに書かれたり
してるのかなあ。
Death Claims(1975) Troublemaker(1973) らしい。どーなんだろう。

オルソンは実は生きているのではないか。ということで話を聞き周り、やがて
真相に至るというのは実に正統派というかクラシックなスタイル。一見幸せ
だったはずの彼の姿のまわりには明るいひかりばかりではない。
終盤明らかになっていく怒涛の勢いはすごく面白かった。

実はかつて愛し合った友達恋人と20年以上経ての再会。ってことではしゃい
じゃったりしてたのね、という二人の感じは少し描写があるだけだけどとても
可愛くて素敵だ。直後に悲劇に突き落とされるとわかってるから余計に切ない。
そこに重ね合わせるように、長く一緒に暮らした恋人を亡くしたばかりのデイヴ
の辛さと、それでも哀しみから前に進み出す感じも悪くなかった。
デイヴにずっと憧れ恋してたっていうアンセルモくん可愛い。しっかし若者に
押し切られるおっさんて、都合よすぎるもえもえか!いいなーもー。

おかまだホモだと非難されるところもあり、そういう時代な感じはさらっと
でもしっかり描かれていて辛くもある。この小説が出て30年、40年か? 
同性愛は異常じゃないとか同性カップルの結婚も認められることが増えている。
でも差別や偏見がなくなったわけではない。たぶん差別や偏見て、なくならない
んだろうな。
でも同性愛はあり。普通にあり、っていう認識を、広くみんなが持つといいな。
こういうシリーズにしても、注目すべきはそこじゃなくて、ってこと。
前半やや退屈しつつも、読後には面白かったと満足しました。

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