『コンプリケーション』(アイザック・アダムスン/ハヤカワポケットミステリ)
*結末まで触れてます。
『コンプリケーション』(アイザック・アダムスン/ハヤカワポケットミステリ)
父と同じ名前のリー・ホロウェイ。ある土曜日の朝、父のリー・ホロウェイが
亡くなったという知らせを受ける。
父の荷物を整理していると、気になる手紙を見つけた。5年前に死んだ弟の
ポールの死の真相について、お話したい、という申し出の手紙。プラハで待つ
その差出人の女性ヴェラのところへ、リー・ホロウェイは旅立った。
父の死、謎の手紙、それでシカゴから一気にプラハへ飛んで、そこで巻き込まれる
事件の数々。弟は歴史的価値あるルドルフ・コンプリケーションという時計を
盗み、そして消えたという。リーは弟の跡をたどるうちに、襲われたり事故に
あったり散々な目にあう。いやちょっと休んだら?とまったら?と、読んでると
ハラハラするんだけど。ぼろぼろになりながらもハリウッド映画なみにタフに
動き続けるのね。
でもなんか、あれ?事件てなんだっけ。真相ってなんなの。とわからなくなる。
右手を切断される連続殺人みたいなのも混ざってくるんだけど、それはー、
えーと、その錬金術師が作った魔法の時計?ルドルフ・コンプリケーションの
ねじを巻くのに必要、って感じなのかしら。魔法の時計?
私は結構混乱してしまった。いや、読むのは大丈夫なんだけど、世界観の混ざり
具合というか、どう基準あわせて読めばいいんだろーと思いました。
そして最後の父の手紙。
弟というのは実はリーの別人格である、みたいなことが書いてあった手紙。
リーはそれを認めない。父のほうが妄想してるという。これはー。どっちなの。
リーのほうが妄想なのか。んー。あー、タトゥーか。やっぱりポールは幻なの
かなー。もやっとしてしまって終り。むむー。
ルドルフ・コンプリケーションもどうなったかわかんないし。
プラハという街の幻という感じでしょうか。
個人的には期待したほどは面白くなかった。
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