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映画「天才スピヴェット」(3D、字幕)

*具体的内容、結末まで触れています。


映画「天才スピヴェット」(3D、字幕)

スピヴェットは10歳の男の子。カウボーイみたいな父と、昆虫博士の母と、
女優を夢見ている姉と、二卵性双生児の弟と5人家族。
学校の先生に嫌われるほどの天才。スミソニアン協会から発明が賞をとったと
知らされて、東部を目指して一人列車に飛び乗った。

ジャン=ピエール・ジュネ監督のまた不思議な色使いとか楽しみに見に行きました。
今回も、途中で出会うオジサンたちが凄く不思議な深い顔をしていて、こういう、
人間だけど人間じゃないみたいなしわしわな人物見せてくるのが凄い。

双子といっても二卵性。全然タイプの違う弟、レイトン。レイトンは活発で
ちっちゃなカウボーイとして父親に可愛がられていた。スパローのほうは
賢いけどひ弱な感じで、それが自分でもコンプレックス。それでも弟のことは
大好き。でもレイトンは二人で遊んでいる時に、銃の暴発で死んでしまった。
誰もがその話題を避けてバラバラになった家族。
賞をきっかけに家出してスパローは受賞スピーチで弟の死について話す。

まあもちろん最後には家族わかりあってめでたしめでたしなんだけど。
スピヴェットくんが可愛かった~!
カイル・キャトレット。実際9歳?10歳になったくらいかな? そんで語学堪能
で格闘技で子供チャンピオンに3年連続なるとか、天才少年なんだね~。うまく
育って行ってほしい。美少年美青年美中年になっていってほしい~~。

家族の死とか再生とかいうとベタなんだけれども、さすが、単に泣かせるって
ことじゃなくて、感動させておきながらさらっと重さを翻す感じが素敵。
スピヴェットがねえ。
ほんとうに、ほんとに切なくて。
弟はもちろん太陽のようで愛されてる子供だったってことをひしひしとわかって
いる。もちろん自分も大好きだったのに。その死に責任を感じながら誰にも
話せない。父はもともと無口。母は昆虫に熱中。姉は田舎にうんざりしてる。
父のお気に入りカウボーイみたいに自分はなれない。田舎町の学校では先生にも
かしこぶってるつもりか、みたいに嫌われる。酷い。

まだ小さい子どもだから。
という絶対誰もが感じたことのある張り裂けるような痛みがすごく伝わってくる。
だからもー、実は最初っから涙出そうで困る。
さり気なく描かれれば描かれるほど、切ないんだよ。
ずうっとスピヴェットの行方を追いかけて見る映画で、ずうっと見つめて、
ほんとに愛しくてたまらなかった。
大丈夫。
レイトンの死というのはとてつもないことで、大人の家族にも辛くてたまら
なくて、でも君のことも愛してる。愛してるんだよ。おとーさんおかーさん
ちゃんと伝えてあげて、と願ってた。

犬のタピオカもいい味出してたわ~。おねーちゃんも。おねーちゃんがちゃんと
弟の死の時スパローを抱いて側にいてあげててほんとよかった。
おねーちゃんがタピオカと絆つないだのもよかったなあ。
みんなね、少しずつしかできないんだよ。

旅も、よかったし。スピーチはもちろん素晴らしかったし。ヘンな家族も素敵
だったし。スピヴェットほんと可愛い。
3Dは、そう激しいわけじゃないけど、スピヴェットの思考がふわふわ浮いて
きたりするのが楽しかった。
ぽろぽろいっぱい泣いちゃった。ほんとにバランスが上手くて、うまく泣かせ
てもらったなあ。気持ちいい映画でした。

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