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マラリー。 『ヴォカリーズ』批評会。

23日には、マラソンリーディング2014に少し行ってきました。
カウンターで飲み物を渡すお手伝いをして。朗読の声だけを聞いてました。
当たり前だけどそれぞれ個性的だしそれぞれの声があってそれぞれの息遣いが
ありました。声という消えてゆく言葉だけで情景を脳裏に描くのはなかなか
集中力がいるなー。けどただぼんやりと流して聞いたりしてもいいなあ。

カフェにざわざわと人が集まってきて、みんなが楽しそうにあいさつしたり
お喋りしてたりの幕間時間も含めて、イベントですね。沢山の人がひしめき
あって熱気があって、私は少し離れてただその場にいただけなんだけど、
なんとなく面白かったです。
3部の前に退出。それでも4時間あまりはいたかな。
こういうイベントを企画し運営した皆様に心から感謝。集まっていたたくさんの
楽しんだ人たちありがとうございました。せっかくなんだから自分もちゃんと
挨拶したりお喋りしたりできればいいのになーと思いながらあんまりできず。
ま、そーゆーもんだな~私。


24日には「徳高博子第三歌集『ヴォカリーズ』批評会」 行ってきました。

個人的覚書メモ。正確な記録ではありません。私個人の主観で聞いてるので
発言など間違いがあるかもです。

パネリスト:尾崎まゆみ、江田浩司
レポーター:飯田彩乃、柳原恵津子  司会:黒瀬珂瀾

最初に、レポーターの二人からレジュメをもとに発表。
飯田さん。第二歌集『ローリエの樹下に』からの変化、表紙にふれつつ
ミュシャ的世界からボッシュ風世界観へ? というところから入って、美しさ
の裏側まで入り込む視線の表現への言及。父への想いの強さ、一方母とは遠い
感じ。魔女という言葉の表すもの、変化など。社会詠へのチャレンジは始まった
ばかりだろうか、ということ。

指摘はいずれも納得でした。表紙の絵柄からまず変化を見るの面白かった。

柳原さん。キーワードと沢山の歌の引用。タイトル『ヴォカリーズ』とは
母音の歌。本能的な声としての歌を求めていくのではないか。
薔薇というモチーフの多さ。卵。連作の構成や歌集全体の構成など。

薔薇は多いよねえと私も思っていて、でも卵は気づいてなかったな。関係を
築くのも断つのも自分から能動的にしているというのはなるほど。強いんです
よね。熱量が多いという話。

それからパネリストのお二人の発言。
レポーターの二人はテキストに即してよくお勉強されてますね、など。
でももう少し踏み込んで、なんてこととか。
私は第一は読んでないのでわからないんだけれども、でもまあ、第二からの
変化などなどからめつつの、美しい世界ではなくもっとグロテスクな表現への
注目のお話等々。音としての歌へのこだわりとか。
江田さんはグロテスクさとか、「母と娘」というテーマをもっと、とか求めて
らした。

私は自分で読んでいたところだと、華麗な美的な世界だなあ、という印象が
強くて、グロテスクなところまでよくは捉えられてなかった。
美しさと、それ以外の裏側とか音へのこだわりとかのいろんな読みを聞けて
面白かったです。
あと社会詠は、まだもうちょっとみたいな意見があったけど、私は生なままの
今読めたのは面白かった。「悲劇について」の一連。おっしゃることは凄く
よくわかったのですけど。でもそれが自分の身近に起きた、まさに今の徳高さん
でなくては書かなかった一連だと思う。確かにもうちょっと上手くというのは
ほんとわかるけど。まーそれは私の好みかなあ。

毎度ながら批評会ではほんとうに沢山の人の沢山の読みが聞けて面白い。
そういう風に読むのか、とびっくりしたり感心したりする。
そして結局何をどう読むか、って、読み手の問題が大きいのですね。
会場からの発言のいろいろも面白かったです。

『ヴォカリーズ』私が好きな歌いくつか。

  殺さるるほどの悪意に遭ひしこと思い出づ レタスちぎりゐて

  黒き二羽が白き一羽を追撃す青うつくしき空の贄とし (ルビ、贄にへ)

  映すひとを亡くしし鏡そののちは己が光に輝きて在り

  何ものか水面に皺を産み継げりその何ものかに魅入られてゐつ (ルビ、水面みなも)

  大人しき隣人たちは彼の家の悲劇について語らざりしを

  薔薇はすべて男が産みし花にしてみどりごたちはゐない薔薇園

  なにゆゑに蟻を攻めねばならぬのかわからざるまま熱心になる

  眼を閉ぢてからだの力を脱いでみる 風を容れるやうに赦さう

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