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映画「泣く男」

*結末まで触れています。


映画「泣く男」

ゴンは殺し屋。
ある時、まるで関係ない子どもを誤って殺してしまった。
酒浸りになり荒れるゴンを呼び出した組織は、ゴンが殺した男が秘密ファイルを
最後に送った三人の相手を始末するよう命じる。ゴンの標的はモギョン。男の
元妻で、ゴンが殺してしまった子供の母親だ。

「アジョシ」の監督の作品ってことで、予告なんかでもまたすごくかっこよさそう
だったのでとっても期待して見に行った。
期待を裏切らないかっこよさ!!!
やっぱり銃だとか爆弾だとか、小物の使い方が痺れるかっこよさ!燃える。
主演チャン・ドンゴン。良く知らないんだけど、どっちかといえば甘いマスク、
って感じなのに、この映画では捨てられた野良犬って感じが凄かった。やっぱり
目が、素敵で。うっとり。
甘いイケメンを痺れるようなハードな男に撮る監督天才か。

標的となる母親。モギョン。
母親であり、子どもを愛していたんだけれども、株トレーダー?企業買収?
なんかそういうバリキャリな仕事に熱心で、子どもを手放した、みたいな
感じだったようで。
寝たきりの母の病院にはいくけど、ちょっと辛く当たったりもして、なかなか。
単に可哀想な被害者の母、というよりは、自分のための身勝手さがあるみたい
な感じが、複雑。子どもを失った悲しみのあまり自殺、というところをゴンが
身勝手な!とばかりに助けるんだよ。嗚呼。
最初登場したときには、あんまりぱっとしないな~と思った女優さんなのに、
進むにつれてどんどんすっぴんになっていき、物凄く綺麗になった。最後には
イノセント、って気がした。すごい。
女優とっても凄いのか監督天才か。

ゴンは殺し屋として街でやさぐれながら生き残ってきた、って感じ。
ああなるほど「アジョシ」の訓練された戦いのアクションみたいなのとは
また違うアクションだなーと思った。凄い。
殺し屋仲間、なチャオズと、最後には手をとって。
殺し合っても、共に戦ってきたという絆があるのか。
何もかもに疲れて、モギョンに殺されることを選んだゴン。贖罪、か。

あとから、その前に、かつて母があかすりをして働いていた銭湯にいって
泣いてきた、というシーンがあって。母にいい子、と言われてた小さい頃の
ことがあって。母の身勝手に砂漠に捨てられたんだけど、それでも母への
想いは消えていなくて。どうして今俺はこんなことしてるんだ、ということ
だったのかなあ。何の罪もない子どもを殺してしまった男になるなんて。
反省とか後悔とかではなく、本当に、生きてきたことに疲れたんだろう。

梅酒。たぶん古い梅酒だよね、あれ。痺れるほど甘い酒だ、って言うの。
家庭で梅酒をつける、というようなことと完全に無縁で、ゴンは知らなかった
んだなあと。そういうことを見せるんだ。すごく上手いなあと思った。

全体的な説明は少なくて、えーと、なんかとりあえず中国とロシアの闇社会
のマネーロンダリングをパアにしちゃったんならそりゃーあんた命はないね、
ってことだ。だからってモギョン殺してもしょーがないだろーと思うけど、
まあ、終りの方ではモギョンもしたたかなことやってたしな。凄い。
ざくざくと人は死ぬし、銃撃戦だけじゃなくナイフで切りまくりとかもあり、
血みどろだったり痛そうだったりで大変だった。

早く見たい見たいと期待しまくっていったけど、期待しすぎたってことなく
ほんとによかった~。痺れます。

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