« 映画「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」 | Main | 『二度のお別れ』(黒川博行/文春文庫) »

久野はすみ第一歌集『シネマ・ルナティック』批評会

久野はすみ第一歌集『シネマ・ルナティック』批評会
(2014年10月4日・中野サンプラザ)

パネリスト 五島論・佐藤弓生・大島史洋  司会 田中槐


土曜日に批評会行ってきました。受付だったので最初のほうは聞けず。
正式正確な記録ではありません。私個人の主観覚書感想メモです。
何か勘違い間違いがあるかもです。

最初の五島さんの発表は、好きな歌、とても好きな歌、意外で新鮮だった歌、
特徴的だと思う歌、アイデアで勝負する、などのレジュメ。
後々の対話で、一割増の感じ、というようなことをおっしゃったらしい。
ひかれている歌が、私が好きな歌、って思って挙げるような歌と全然重なって
ない。一首くらいか。なるほどー。

次が佐藤弓生さん。途中からお金を数えながら聞いた。
あふれる、感情、夢想。希望とずれ、現実、親子、などのお話。
夢の中のような幻想がありながら、基本は現実に足をおいている、というような
お話だった、と、思う。納得。うつくしいけど醒めている感じもあると思う。
このレジュメでも私が挙げる歌はないなあ。なるほど。

次が大島史洋さん。
未来賞受賞な過去のお話を交えつつ。演技で構えちゃってるところはちょっと
苦手、素直な第二部はちょっと中だるみかも、三部は懐かしい思い出の歌、
という感じのお話。一人の女性の生き方、挫折、悔しさ、素直さ。健康な形で
現れている、というような。
健康な形、というのに納得。
もちろんいろーーんないろーんなたくさんの鬱屈はあるのは当然なんだけれど、
それをこう歌集にしてこういう歌に表現している、その表し方をこう選んでいる
その感じが健康、という感じなのがすごく納得いく言葉だった。

五島さんは大島さんが挙げた歌にあまり納得がいかない感じ、なのか、一割増しで
あまりよいとは思わないけど、というような応酬があり。

なんとなくの印象で私が思った解釈だけど、一割増に短歌らしく仕立ててる歌
があんまりよいと思わない感じ、か。きれいな化粧箱に「短歌」でございます、
と贈答用にしている歌が「一割増」っていってるのか。そうではなくてもっと
さらっと、マドレーヌに直接リボン結んでカフェでちょっと買ってきた、これ
短歌だけどどうぞ、くらいのが一割増になってない歌でよい、ということ、
なのか、なーと。思う。
どっちもよいものだと思う。
大島さんが、歌は自分の生涯の積み重ねになっていかないとつまんないと思うの、
「私」の個性がない淡い歌ばっかりになっていくのはつまんない、というような
ことをおっしゃって、それはそうだなあと納得がいく。

ネットでさらっと流すだけ、ネットプリントでさくっと一枚見るだけなら、
月詠でぽんと出すだけなら、作者の名前がなくてもいいものでかまわないと
思う。けど、長く歌を続けたり、一冊歌集作ったり、まとめて見る、読む、
詠むには、作者の名前がついて読み込む重みとかついているほうがはるかに
面白いと私も思う。
それが現実生身の作者としてじゃなくてもいいんだけどさ。だって実際に本当
の作者の人生とかわかるわけないんだし。
初めて何か歌を読むとき、作者のことなんて知らないよね。それでもいいものは
いい。好きなものは好き。
どっちもよいと思う。どっちか一方がよくて他方はダメっていう話ではない。
でもまあつまり、この歌集には一割増の歌もそうでない歌もあって、ふんわり
面白く読めるし、一人の作者の姿としても読める。

レジュメでひかれている歌があんまり重なってなくて、ああまんべんなくよい
歌で全体のレベルが一定してある一冊なんだなあと改めて思いました。

休憩の後、会場からの発言。
演劇、舞台を構成するようだ、という演劇絡みでのこととか、ノスタルジックな
言葉選びが上手いとか、あとがきがよかったとか、ほんとにいろんな意見が聞け
ました。本をつくった砂小屋書房さんからは、この造本がいかにこだわりの本か、
という話もあって、ほほう~と勉強になったり。
最後に岡井さん。いろいろお互い何言ってるかわかんないところあって、世代が
違うんだしわからないのがほんとで。この久野さんのも私には謎めいていて
それがいいですね。歌集は構成されているから。最近の歌はまたちょっと違う
ようでもあり。など。

久野さんのご挨拶は、演劇では裏方なので、照明があたるとさっとはけるもの
だったので、もうはけてしまいたい、みたいな発言で始まり可愛かった。
次はもっとえぐります、とのことで、次の歌集がますます楽しみです。

私の感想はたぶん年末までには出る同人誌「遊子」に書いて、書いたばっかりで、
うまくまとめられないけど。
やっぱり上手くて、でも大仰さがちょっとひくな、ってとこもあって。
そして気になったしまって自分のこととして考えこんでしまう「母と娘」の歌
があって。なにかと読みながら自分のことを考えてしまう歌集でした。
同じ松山で、長く近くで歌を見たりしてきたからでもあるのでしょう。
あんまり冷静に客観的にはなれないなあ。
参加できてすごく面白い批評会でした。

懇親会も楽しく、息子くんともお話させてもらったりでした。
久野さんの人徳~と思います。素敵な第一歌集、おめでとうございます。

|

« 映画「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」 | Main | 『二度のお別れ』(黒川博行/文春文庫) »

「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事