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『繚乱』(黒川博行/毎日新聞社)

*結末まで触れてます。


『繚乱』(黒川博行/毎日新聞社)

かつて大阪で暴力団対策係だった堀内と伊達。堀内は依願退職の後、東京で
暮らしていた。そこへ、堀内よりあとに警察を辞めた伊達がやってくる。
今は競売屋の調査の仕事をしているという。
堀内は誘われるままにまた大阪へ行って競売物件の権利関係を探る仕事を始めた。
パチンコ屋、パルテノン。競売になるという噂から探っていくうちに、そこに
絡むヤクザや大物企業の背後関係が明らかになっていく。


『悪果』のコンビ再び、ですね。出版社変わってる。『悪果』は角川で、2007年
発行、これは毎日新聞社で2012年か。コンビ同じだけどお話は別物。
もう二人は警察じゃない。でも警察仲間とのつながりでいろいろ情報とったり、
もう競売の下調べなんて範疇を越えて、悪い奴らにいろいろ白状させて、ついに
は金せしめてって。もうすっかり自分らがヤクザっすね。まあ、前作の時から
なんとかシノギつくって金儲けようって話なんだけど。

疫病神シリーズのコンビよりもうちょっと陰惨な気がしてしまうのはなんだろ。
会話の軽さがちょっと少な目かなあ。
堀内のやさぐれっぷりが陰気かなあ。かっこいいんだけど。
伊達には妻子がいるから、って庇おうとするのは、伊達のほうにひかりを
託しているから。堀内はどんどん虚無的になっていってるような感じ。
刺されたり当たらなかったけど撃たれたり。
この最後はどーなんだ。死んじゃったの?刺されて倒れて昏くなって、って。
続きが書かれるんならなんとか助かったってことになり、このままなら死んだ、
って思えばいいのかな。
このさっくり突き放した終りは凄く好きだ。

喧嘩っ早い伊達のほうが陽気で、それほどでもない堀内のほうが死に近い。
いいコンビ。二人で暴力団追いこんだりシノギ見つけたりするのが面白い、
っていう、やっかいな楽しみにはまってる。
情報吐けって爺をロープで吊るしたり、えげつないことしてる~。
みんなしたたかで怖い。
面白かった。

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