『シルバー・オクトパシー』(五條瑛/徳間書店)
『シルバー・オクトパシー』(五條瑛/徳間書店)
東京。台東区。古くは吉原と呼ばれたあたり。その路地裏に看板のない会社があった。
「シルバー・オクトパシー」という表札だけがあるその会社は、入ってみれば
意外に広く綺麗なごく普通のオフィスのようだ。だが、そこが請け負うのはプロ
の仕事。法律をかいくぐり裏口抜け道を駆使しての危ない橋をきっちり渡ること。
脱北者の女をより安全な人権保護がしっかりした国へ送り出して欲しい、という
依頼が、協力者の突然の不審な死から思いがけない厄介ごとへ転がってゆく。
揉め事解決のプロ集団、“シルバー・オクトパシー”
ってことで、これはもしかしてシリーズになっていくんでしょうか。
銀タコって、冗談ぽ(笑)頭が一つで足が8本、てことで、謎の社長と、それぞれ
プロな8人の社員てことらしい。
ゴスロリファッション、自称21歳(サバよみは10歳以上上らしいw)一見可愛い
外見に似合わぬ口の悪さ、暴力も恐ろしいサオリちゃんいいキャラ(笑)
使えない新人鈴木くんもまあまあ可愛い。若手な國くんはかっこよさげ。
今回は顔見せ程度の人物がいたりで、8人の集団としてとか、謎の社長とか
シリーズになっていろいろ出てくるのかなと楽しみ。
話はさすがの五條さんで、脱北者である妊婦、セリの謎、したたかさがぐいぐい
くる。北のかかわり、拉致被害者絡み、政治家や活動家、いろいろな思惑が
絡み合って面白かった。
もちろんフィクションだけど、なんかこういうのありそうなのかもあったら嫌かも
というところ。
そうサクサクと都合よく情報集まるか~? と思うけど、まあ蛇の道は蛇って
感じで事件が起こればそれに関連していろいろ動きは繋がってくるってもんかな。
北の情勢ってねえ。今はどうなってんのかなあ。
今の所このキャラに惚れ込んだってほどに好きではないけれども、シリーズに
なれば続きはまた是非読みたいと思う。
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