« 『男たちの絆、アジア映画』(四方田犬彦、斉藤綾子 編/平凡社) | Main | 『ネトウヨ化する日本』(村上裕一/角川EPUB選書) »

映画「ダーク・ブラッド」

*結末まで触れています。


映画「ダーク・ブラッド」

砂漠の遺跡を週末旅行で楽しんだ俳優夫婦。だが、車のトラブルで何もない荒野
に立ち往生してしまう。
夜、明かりを見つけた妻バフィは助けを求めにいく。あばら家に一人暮らして
いた青年は夫婦を助けるが、なにかと口実をつけて二人を町まで送っていこう
としない。青年が求めるものは何なのか。

リバー・フェニックス、23歳。この映画の撮影終了しないで亡くなってしまい、
未完のまま放置されていたものを、監督が自身の病気をきっかけに、まとめて
おかなくては、と決意して完成させてもの、だそうです。
リバーの死から20年。完成はしてなくて、やっぱり未完の作品だった。
何か所かは監督の(かな?)ナレーションで出来事が語られる。撮影、できなかった
んだなあと思う。
やっぱり、一つの作品としては私は見られなくて、リバーくん追悼、という、
リバーくんの姿がスクリーンにある、という、そういうものとして見た。

ボーイという孤独な彼。妻は癌で亡くなり、犬と一緒に吠えてみたりする彼。
もっさり小汚い青年なんだけど、やっぱりすごくかっこよかった。凛々しい
鋭い感じの美形なんだよなあ。
迷ってきた夫婦が中年のおっさん俳優とその美しい妻、ということなんだけど、
妻も別にそんなすごく若くてきれい、って感じじゃないのが妙にリアル。
アル中気味なのか。ボーイに執着されて危機感なくいい気になるバフィ。
いやいや奥さん、こんな荒野で若い男にモテて喜んでる場合じゃないよ、殺される
とかなんとか、危機感持とうよ? と、ヘンな感じがする。

お客さんがくるのもいいもんだな、なんて言ってたボーイ。孤独のあまり
ちょっとおかしくなってるのか? と、だんだん理不尽な恐怖がつのる。

あと、原住民は追われ、ここは核実験地の近くで、汚染されているとか、
シェルターをつくっていたりとか、そういう社会問題みたいなものも絡めて
描こうとしていたのかなあと思うけど、あんまり私にはうまく読み取れなくて
核実験地の近くで、とか、って、ちょっと、今、日本であの震災あったあとの
日本人として、そういうちょっと不思議な狂気な背景っていうのはどうなのー
という感じがして、うーん~。わからない。

きちんと映画が完成していればもうちょっとわかるものだったのか、それとも
そもそも映画作品としてどーだったのか、今となっては判断できない。
でも、この理不尽な恐怖、なんだかずれていく感じ、シリアスなのかなんなのか
変にずれている感じ、そういう変な感じがむしろ今時っぽいように思った。
なんか最近、シリアスさと演出のバランスが奇妙に感じるよーな作品が多い
ような気がするの、私。
あんまりまっとうじゃない不思議な感じ。
今見られてよかったかもしれない。

結局、実はボーイは車の修理の手配をしてあげていたのか?
最後、勢いでボーイを殺してしまったハリー。おっさんどーなっちゃうの。
死ぬ間際にバフィの胸にすがったボーイ。でもあれ、結局最後に恋しいのは
ママのおっぱい、みたいな気がして、それどーなのよー、と、思っちゃった。
あと、犬。ドッグ、って呼んでて名前「犬」なのかな。お役立ちわんこで
可愛かった。

でもほんとリバーくんはかっこいい。
今生きていれば43歳くらいってことなのか。おっさんになり、じーさんに
なってゆくリバーくんを見ていたかったよ。ますますかっこよく渋く、年を
とっていってかっこいい俳優でいてくれたら。
もう決してかなわない願い。
改めてかっこいいなあリバー・フェニックス、と、思いました。

|

« 『男たちの絆、アジア映画』(四方田犬彦、斉藤綾子 編/平凡社) | Main | 『ネトウヨ化する日本』(村上裕一/角川EPUB選書) »

「映画・テレビ」カテゴリの記事