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『陶酔』『エロティック』『月夜ばかりじゃないぜ』『太陽の恋人』

BLを4冊。『陶酔』『エロティック』『月夜ばかりじゃないぜ』『太陽の恋人』

*具体的内容、結末まで触れています。


『陶酔』(ふゆの仁子/ヴァリオノベルズ 桜桃書房)

精神科医の久恒千尋は、心の悩み相談にきた井上雄一というサラリーマンに
何故がひどく惹かれ、主導権を握られてしまう。
久恒は少年の頃、父から性的虐待を受けていた。克服したはずの過去を思い
出してしまう。

てことで、トラウマなはずの過去を井上にさらに上書きされたい、みたいな
感じでメロメロになっていく久恒であったー。
1997年発行ですね。「陶酔」と「恍惚なれ」という二つになってて、
続いてるけど雑誌掲載になったのは間があいたのかなあ。「陶酔」だけだと
やってない。ぎりぎりのところで放置という鬼畜プレイっすかー。でも父と
のことがあって、それはちょっと可哀想。
最後には井上さんに監禁されたいです、って、えっとー、病んじゃって終り
で、なんとなく物足りない。幸せな結末が欲しいわけじゃないけど、ここで
こういうファンタジーにして終りっていうのはつまんなかったなあ。

『エロティック』(ふゆの仁子/ビーボーイノベルズ ビブロス)

香市は大学生。美貌もあってセックスから始まる関係の数多の恋人と楽しく
やってきたのだが、初めて、真剣な恋に落ちてしまった。軽い関係だった相手
の弟。好みど真ん中の顔である上に、まだ高校生のまっすぐな康志にどんどん
惹かれていく。

てことで、純真年下くんにはまっていく遊び人だった香市くんたちの初々しい
心のすれ違いだとかあれこれ。まあ可愛いお話ですね。タイトルほどえろすな
感じはしないかなあ。やってるシーンはいっぱいがんばってくれてるけどなあ。
2000年のですね。

『月夜ばかりじゃないぜ』(岩本薫/ビーボーイノベルズ ビブロス)

ヤクザの跡継ぎである鳴海。13歳で母を亡くしたときから、教育係りとして
そばで守ってくれた10歳年上の甲斐にいつしか恋をしていた。
だが、叶わぬ思いに家を飛び出し、アメリカで探偵稼業を経験し、日本へ
戻った。同じ新宿である以上、甲斐との関わりもある。
ある女を探してほしいという依頼を受けたが、それは後ろにたちの悪いヤクザ
がいる話だった。襲われる鳴海を助けた甲斐。
ついに、甲斐もまた秘めていた思いを打ち明ける。

って感じで、ヤクザものです。面白かった! シロウトがちょろちょろして
本職に心配させるんじゃねーよっ!と突っ込みたい(笑)でもそうじゃないと
話が動かないからね。鳴海くんは一応腕のいい探偵ってことみたいだけど、
全然腕がよくなさそうです。いやでもちゃんと女見つけてるし、悪くはない
のね。甲斐が完璧超人みたいな感じなので相対的にそう見えるけど。
捕まって媚薬でおかしくなっちゃう、とか、危機の後のついに激しく、とか、
えろしーんもとってもえろくてステキでよかった~。
「今夜、あなたを抱きます」
だってよー!きゃ~!
2002年のでした。

『太陽の恋人』(岩本薫/ビーボーイノベルズ ビブロス)

水城の6歳年下の幼馴染、悦郎はアフリカと写真を愛する大学生。二人は
恋人同士。だが、水城は若い彼に執着してはいけないと、別れなくてはいけ
ないと思い込んでいた。

「風とライオン」という最初の話は、投稿作だったそうで、最初に書いて
こんなに凄いのね、と感激もの。水城の家庭の事情だとか、姉とか母とか、
カミングアウトしてとか、あーでもこういう全部含めてのお話みたいなのが
流行ってたりしたんだっけ? と曖昧に思う。99年の作品らしい。ジュネ
とかよりは後だねえと思う。
お見合い相手の害のないお人形さん純情お嬢さん、みたいなキャラは、ああ
こういうのだっけかなあ、女子のキャラって、っていう感じもする。
好きだからすれ違い、ってのも初々しいわ~可愛いわ~。

「トシウエの恋人」は悦郎が写真家に弟子入りする話。実は水城の学生時代
の知り合いで、というか、体の関係もあったのか!てことで嫉妬してでも
仲直りしてって短編。
この写真家さんのお話はまた別にあるみたい。『だからおまえは嫌われる』
か。読めるかなあ。わかんないけど。
「太陽の恋人」では写真家として成功してる悦郎。美術の企画者?として
ちゃんとしてる水城、って二人ともが大人になって、忙しくなって、でも
これからも一緒にいよう、ってお話。これは書下ろしか。
このノベルズは2003年のですね。
二人は末永く幸せに、ってなっていくのも、ああジュネより後だ、と思う。

恋して結ばれて、そしてその後にも、ってちゃんとお話が続くようになった
のは素敵ねと思う。
なんでもかんでも単純にハッピーエンドになればいいとは思わないけど。
楽しく読みました。

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