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『ヤンキー進化論』(難波功士/光文社新書)

『ヤンキー進化論』(難波功士/光文社新書)

不良文化はなぜ強い

2009年刊行。
上下ジャージ、金髪リーゼント、女物のサンダルをつっかけ音をたてて歩く。
変形学ラン、特攻服、バイクや変形車で暴走。
そんな古典的ヤンキーは今はコスプレ的なものだけれど、ヤンキー的なもの、
地元密着、仲間大事、筋の通らないことにはケンカ上等、明るいコミュ力、
みたいな精神は今広く愛されている。
みたいな感じかなー。
広義でのヤンキー的なもの、縦社会でしたたかに生き残る力、というのが
見直されている感じがここしばらくあるような。もちろんネガティブな面での
「下流社会」とか「格差社会」での底辺層、みたいな捉え方もあるけれど。
体育会系とヤンキー的なところは親和性が高い。

杉本哲太の名前もちらっと出てきて、先日までやってたドラマの『隠蔽捜査』
を連想した。変人竜崎を演じてた杉本哲太。竜崎も幼馴染の伊丹もトップ官僚
だけど、竜崎は降格人事で警察署長へ。(降格でも署長です)そこで型破りな、
しかし正しいと信じる道を突き進む、という風で、いつの間にか周囲のおっさん
たちを心服させていく竜崎。ハイパーエリートの世界だけどとってもヤンキー
風味だったのねえ、と思った。「男」に惚れるみたいな。「漢(おとこ)」だ!
みたいな感じ。

この本は「ヤンキー」という名前の発生をひも解いて、60年代70年代
80年代さらにその後と歴史的変遷の紹介があり、メディアでの扱いがあり、
ざっくりとわかりやすかった。
でもなんか、そうなのー? という気もしないでもない。
著者はイギリスでの留学経験から、英国でのラッズ・カルチャーと重ね合わせて
ヤンキーを見るようになったそうだ。ラッズ・カルチャーとかよく知らないけど
イメージは「トレイン・スポッティング」ね。なるほど。
でもなあ。社会構造がものすごい違うんじゃないの? と思うんだけど、んー
まあそうなのかなあ。私がそもそもどっちについても何も知らないからな。

さくっと表層的には流れがわかって面白かった。けど、なんかもうちょっと
知りたいところがわからないような気もして、こんなもんかなあという感じ。

最後に大学の先生らしく、就職活動においてヤンキー的な学生が勝ち残ると
いう話など。確かにやる気や気合や物おじしないコミュ力とか、ヤンキー風
な学生って求められる新卒像なような気がする。
オタク寄りの自分はだから社会が怖い(笑)
でもこの就活の話とか私にはかなりどうでもいい。いや求められる若者像と
して認識しておくべきなのか。

この中でたっくさん紹介されている漫画や映画や雑誌を読んでみるのがいいの
かなあという、ガイド的なところは充実かもしれない。
能年ちゃんが主演するんだっけ。「ホットロード」の映画化が今頃~とか、
やっぱりヤンキー的な魅力は不滅なんだろうなあ。

 はじめに
 第一章 「ヤンキー」とは誰か?
 第二章 ヤンキー以前
 第三章 「東京ヤンキー」の時代
 第四章 暴走の季節とヤンキー
 第五章 さまよう「ヤンキー的なもの」
 第六章 ヤンキーとツッパリ
 第七章 親衛隊文化とヤンキー
 第八章 ヤンキーメディアの隆盛
 第九章 拡散するヤンキー
 第十章 おわりに―格差社会の中で
 あとがき
 索引・用語解説

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