『妖琦庵夜話 空蝉の少年』(榎田ユウリ/角川ホラー文庫)
*具体的内容、結末まで触れています。
『妖琦庵夜話 空蝉の少年』(榎田ユウリ/角川ホラー文庫)
「件」の血をひくと自称する占い師が、人の不幸に付け込んで暴利を得て
いるらしい。
「いるんですか? 件」
新人刑事脇坂が見るだけで妖人かどうかわかる妖琦庵の先生に助けを求め
てきたのだった。
てことで第二弾。表紙の究極超人あ~るっぽさは最初のよりは減ってる(笑
第二弾が続いてすぐに出ていたのに気づいてなかった。
一応美青年とか美形とかいうことらしいけど読んでいる最中にはあんまり
美形っぽく脳内再生されないなあ。たいへんコミカルなのでこれは漫画化
されればいいのではないだろうか。もちろん小説としてもすいすい読める
面白さで安心。
今回メインはマメくんかな。野良猫に餌やりしていた仲間の少年テルに
出会い、そのトラブルに関わり助けていく。
ま、野良猫みたいだった少年テルくんは実は女の子!というのが後には
わかる。件の母の双子娘の一人なのね。心の闇は救われました。めでたし
めでたし。
しかし榎田さんは猫にデレデレになって作品の中でも基本的に猫が出て
きてデレデレに可愛がってるなーという印象。最近は作品全部追ってる
わけじゃないのでたまたま私が近頃読んだのがそうだというだけかも
しれないけどー。私ももちろん猫デレデレなのでわかるというかニヤニヤ
して読んじゃうんだけど、でも、もーええやろ、と思わなくもない(^^;
青目が最後にちょっと絡んできて、んー。伊織と何らかの決着はつける
んだろうか。
でもこれ、眠る探偵のシリーズのセルフリメイクなのか? という気が
してしょうがない。京極堂とエノキヅさんと混ぜたよーなキャラと話も
眠る探偵の時も思ったよーな気がする。(けど、読み直したわけじゃ
ないのでぼんやりしたイメージ)うーんー。結局青目と伊織は相いれない
だろうし、どっちかが死んだか、となって終わるしかないと思うんだけど、
それじゃおんなじで、それ、どう決着つけるのかなあ。
たぶんまだ続く、だよね? 楽しみに待ちます。
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