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映画「クロニクル」

*具体的内容、結末まで触れています。


映画「クロニクル」

冴えない高校生アンドリュー。いとこのマットくらいしか友達はいない。
ビデオカメラを手にしたアンドリューは、特に目的もなく毎日をただ撮り続ける。
ある時、地面に空いた謎の穴、地下通路の奥へ入り込むマット、アンドリュー、
クラスで人気者のスティーブ。そこには何か光るものがあった。
その後、手をふれずにモノを動かす超能力が身についた三人。始めはレゴブロック
を浮かせるとか、ぬいぐるみを浮かせて子どもを驚かせる、といったささいな
悪ふざけをして楽しんでいた三人。だが、車で後ろから煽ってくるのを、力で
払いのけたアンドリュー。道から転落して池に落ちた車。
アンドリューを叱りつけ、力を使うことにルールを決めるマット。
やがて、力は強まり、アンドリューの暴走が始まる。

二週間限定上映、ってことだったのに、評判がよくて上映期間延びたそうで、
見に行くことができた。実写版AKIRAみたい、ってなコメントを見たりして、
興味が出た。男子高校生版キャリーってのも納得。

かつて消防士だった父は、怪我をきっかけに飲んだくれになり。母は病気。
友達はなくいじめられっ子アンドリュー。マットは親戚だから仕方なく、という
感じで車に乗せてくれるだけ。
カメラを手にして、ただ周りを撮るアンドリュー。周りと距離をとる、バリアに
していたのかなあ。
始めは、アンドリューが撮るカメラ、というだけだったのが、力でカメラを浮かせて
撮るようになったり、ブロガーなのっていう同級生(かな?)の女の子のカメラとか
最後にはテレビとかただそこにいた人のカメラとか、視点が俯瞰になったり広がる。
アンドリュー視点じゃなくてカメラってものの視点。
手持ちカメラですっていう映画、手持ちの限界の謎めいたのとかが、私はあんまり
好きじゃなくて、もっとーちゃんと話を見たい~と思うので、こういう世界の広げ
かたがあるっていうのはすっごい上手いなあと感心した。

三人で親友だぜ!みたいに毎日超能力使って遊ぶようになって、空を飛んだ日には
最高の日だ、って。仲良くなったのにね。
学園祭みたいなもん?タレントショーっていうので、超能力をマジックに見せて、
アンドリューはその日人気者になるのに。よってきた女の子との童貞喪失!が、
失敗しちゃって。それでまたやさぐれるーー。気にすんな、ってのに、気にして
しまうのもわかるけどー。なかなかつらい。

空での喧嘩で、スティーブは雷にうたれなくなる。たぶん、そのときはわざとじゃない。
アンドリューは悲しんでいた。

大事な母親の薬代がなくて強盗始めるアンドリュー。しかし、銃を暴発させて
運悪く大火傷。そこにやってきた父親は、母が死んだことをつげ、お前が出かけて
いたのを探していたせいで、母親についててやれなかった!と、火傷で重態な
息子に向かって毒づく。最低だ。。。
目をさましたアンドリューは、力を爆発させる。もう、自制はきかなかった。
ニュースでそれを知ったマットがかけつけて、必死で説得しようとするのに、もう
暴走するばかりのアンドリュー。
街を壊滅させかねないアンドリューをとめるため、マットは巨大な彫像の槍で、
アンドリューを貫いた。

最初は、高校生男子馬鹿~って感じだったのに。こんな壮大なとこまでもってくとは。
期待以上にすっごい面白くてひきこまれた。
アンドリューがね、もうちょっと、話しができれば。
マットに、ぼくのこと好き?って聞くんだよね。切ない。好きだよ、って言ったのに
ちゃんとそれを信頼できなかったんだな。いじめられつづけてきた。家庭は最悪。
視野が狭くなるのはまだティーンエイジだし仕方ないのかもしれなけど。
最初に車を事故らせて、マットやスティーブが怒ったときに、もっとちゃんと
反省できていれば。
人からぞんざいな扱いばかりうけてきたんだろうなあアンドリュー。でも、母は
愛情もって大事にしてたように思うけどなあ。でもその大事な母が病気で苦しんで
いるから、って、追い詰められちゃったんだよなあ。
切ない。

カメラとめろよ。って、何度もマットは言った。カメラじゃなくてアンドリューと
話をしたいと。
カメラというバリアを持ったことで、人と少し関わって、でもそのバリアが、
なければ。ちゃんとマットと話せていたら、とも思う。哀しいー。
ほんとにみんなでチベットに行けていれば。力のコントロールができれば。
もう少し、もう少し違っていれば。
アンドリューに人を殺させたくなくて、とめようとしたマット。でもそのマットが、
アンドリューを殺すしかなかった。哀しい。
マットは、一人で強く生きていけるだろうか。チベットがきれいだろ、と、
カメラに、アンドリューに語りかけたあの感じだと、きっと大丈夫なんだろうなと
思う。

初監督作品らしい。予算もたいしたことないんだろうけど。手持ちカメラ、という
ミニマムな世界だけど、最後にはどっかんときて迫力あったし。うまい~。
面白かった。見に行っておいてよかったー。

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