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映画「サイド・エフェクト」

*具体的内容、結末まで触れています。


映画「サイド・エフェクト」

インサイダー取引の罪で、夫、マーティンはは刑務所にいた。だが、ようやく
出所してきて、エミリーはまた幸せな生活を始めると思っていた。
だが、駐車場で車を壁に突っ込ませてしまう。欝症状、発作的自殺未遂、と
疑われ、救急病院で担当した精神科医のバンクス医師の診療所へ通うように
なる。
エミリーは夫が逮捕された時にも精神科にかかっていた。その時の医師は、
シーバート。バンクスはシーバートに連絡をとり、治療をすすめていく。
新しい薬を試し、夢遊病を起こすエミリー。そして、悲劇は起こった。

面白かった。
ミスリードの数々。張り詰める緊張感。不安。真相?これが真相?まだ?
次々に認識が変えられてゆく、頭の中をぐにゃぐにゃ揺さぶられる感じ。
凄い。
ネタバレなしで見られてよかった。知らずに見るほうがいいよー絶対ー。
見終わってやっと深呼吸。もう一度見直してドキドキしたい!

ジュード・ロウが精神科医バンクス先生。彼が主演だったなーと思う。
ポスターでは、ジュードと、エミリー(ルーニー・マーラ)、マーティン
(チャニング・テイタム)、シーバート(キャサリン・ゼタ=ジョーンズ)
の四人の顔で、ジュードくんがこんなに主演だと思ってなかった。
もちろんこの四人が主要キャストで。他の人物はほんとーに脇役だった。
いや、チャニング・テイタムの出番も少なくてあっさり。最近大統領と一緒
に戦ったりしてたよーなマッチョなのに、あんなにあっさりか、と、びっくり。
「マジック・マイク」の時とももちろん全然違う。それはそれでさすがです。

エミリーが本当に、傷ついた小鳥のようだ、という若くて不安定、きれいで
可愛くて、でも実は!という女性で、ルーニー・マーラ素晴しい。
シーバート女医も彼女になら堕ちてしまうよね!仕方ないよね!と納得!
エミリーが入院させられているのを、出しなさい!とやけに強引にバンクスに
せまるなーというあたりで、ビアンな関係だったのだろうな~と察したけど、
その最初の誘惑シーン、ときめいた。ふらっといっちゃう~それは~、と、
ドキドキ。エミリーってば一体。。。
でもエミリーの魔性って微妙に愚かで、そこがどうにも。。。

バンクスがはめられてすっかり周りから孤立、いつまでも巻き込まれた事件
にこだわるオカシイ奴扱いされて。シーバードたちのたくらみにはまって、
仕事も追われ妻にも愛想つかされ、と、どんどん気の毒なことに。そのやつれて
いく姿も素敵だったよジュード・ロウ。このまま狂気におちていくのはバンクス
のほうなのか? と思っていたら、「僕は天才かもしれない」と、反撃に転じる。
そのやり口がなあ。
精神病扱いされて担当医師ににらまれたら、もうダメだ、という絶望感が凄い。
こわい。

そもそもが抗うつ病の薬の副作用(サイド・エフェクト)というタイトルな
わけで。みんな薬の一つや二つ飲んでるさ、という社会の中の怖さがあって。
そこでの騙しとか殺人とか、怖すぎる。
エミリーがマーティンを恨むのもなんか怖いし。マーティン捕まっちゃった
けど、だからってすべて彼のせいだ、って、殺意にまで至るか? そこがすでに
病的なのかなあ。
シーバートのところへ行ったのも最初は純粋に治療のためだったのかどうか。。。
ともあれ、彼女とそういう関係になって、詐病が上手くなる。
誰でもいいから、と、たまたま担当になったバンクスを陥れることにする。
でも、精神病患者、となってしまっては決定的に立場が弱くなるでしょーよー。
そこの心配しなかったのがエミリーの微妙な愚かさ、と、思う。シーバートを
そんなに信頼してた?うーん。

やられたらやりかえす。倍返しだ!10倍返しだ! とばかりに、バンクスは
シーバートとエミリーを排除する。うーんうーん。そりゃそうなんだけど、
でも正義が勝った!てなすっきり感はしなくて、不安とか恐怖に突き落とされた
気分で終わった。
薬怖い。
精神病怖い。
精神科医怖い。
ま、もちろん、映画だけど。フィクションだけど。
上映時間106分。めまぐるしくみっしりきっちり。セリフも説明も最小限な
感じ。それでも背後の物語もしっかり感じさせる。面白かった~。
いろーんな表情のジュード・ロウを堪能してさらに大満足!素敵でした。

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