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『妖埼庵夜話』(榎田ユウリ/角川ホラー文庫)

*具体的内容に触れています。

『妖埼庵夜話』(榎田ユウリ/角川ホラー文庫)

その探偵、人にあらず

妖人DNAが発見されたのは7年前。人類とは異なる遺伝子。ヒト変異型遺伝子
を持つものは、常人とは違う特性を持っていた。河童のように水中に適した者、
猫又のように、人間離れしたしなやかな動きができるもの。超人的な能力は妖怪
になぞらえられ、妖人と呼ばれるようになる。外見は人間とあまり変わりない。
能力を発揮しないものもいる。
その異なる遺伝子を持つ者をどうするか。まだ社会は定まっていない。
そんな中、警察に妖人が関わる犯罪を主に扱うY対という課が設置された。

と、そんな世界のお話。基本的には今の日本と変わりないけど、そこに「妖人」
がいる、という設定。妖怪じゃなくてあくまで人の突然変異としての存在。
んで、茶道の先生の洗足伊織がY対と協力して探偵役。伊織さんはどうやら並外れた
能力を持つ妖人らしい。
いつも粋な着物姿、馬鹿と蝦蛄が大嫌い、立て板に水の饒舌理屈嫌味ばんばんの偏屈。
扱うのが妖怪、(ま、妖人だけど)とくれば、どうしたって京極堂を連想する。
んでも実は家族をつくりたいんだとか、因縁ありげな、悪い妖人?な青目に執着
されてとか、えーとー、榎田さんご本人の眠る探偵だっけ、あれも連想する。

でも明智と二十面相の昔から、天才名探偵の孤独に寄り添うことができるのは一方の
悪の天才だというのは王道パターンですね。伊織も青目もとっても美形らしいので
もえる楽しみもあり。これは「ユウリ」名義なんでそっちにはいかないけど、十分です。

んが、表紙が、その伊織さんなんだろーけど。カバーイラスト中村明日美子で、
綺麗美形には違いないんだけど、でもこれ、究極超人あ~るに見えて仕方ない。。。
R・田中一郎。。。半眼の片目、もう一方の目は黒髪で隠れていて。本文の描写もそう
なんだけど。けどけどけどけどでも。この表紙のおかげで、シリアスな話の中でも
脳内であ~るが「やは!ごはんだ!」とか言わんばかりにかけめぐってどうにも。。。
まあいいけどさ。。。

お話は、うーんと。心を病んでる人。幼児虐待の過去話。女の子同士のざらっと
どろっと嫌な後味を残して、なかなかでした。
新人刑事、乙女系男子?な馬鹿とか、小豆洗いな可愛いキャラ、マメくんとか、
悲しいことになっちゃう座敷童子キノくんとか、ユーモアも可愛いもたっぷり。
さっくさっくと読みやすい。
ホラー文庫だけど別にホラーっていうような怖いとかはない。人は死ぬし後味は
嫌な感じだけど、う~ん~。
これはシリーズになるのだろうか。まずは登場人物お披露目というところな感じ。
榎田さんはどちらかというと長編になってシリーズになって2,3作いくあたり
のほうが面白くなるかもなあ、と、思う。また文庫で出れば買うかな。
でもなー。京極堂や眠る探偵の影響忘れさせるほどになるのかなあ。なんでこの
設定なんだろうという疑問は今のところ深い。あとやっぱり、R・田中一郎な
見た目は、もう無理なんだろうけど、なんとかしてほしい(^^;

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