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『映画比較劇場』(北野ルル/沖積舎)

『映画比較劇場』(北野ルル/沖積舎)
 
同人誌に連載なさっていたのを本にまとめたものだそうです。
二つの映画を取り上げて、比較してみて。コメントと短歌つきの
映画紹介、という形は面白いなあと思いました。
とりあげている映画も新しいもの古いものいろいろ。著者の好みや
社会を見る目、というのも見えてきます。
連載のうちに比較だけでなく、単体でとりあげる映画になったり。
平成6年から平成17年までという長期のものをまとめたのだなあと
納得。

私も映画が好きです。レンタルはしないので、基本的には映画館で
見るのみ。それとテレビ頼りだなあ。物凄く好きになると買う。
けど、買ってしまうと満足してあまり繰りかえしてみたりしてない。
映画館で集中してみる映画が好きです。あと音響ね。うちのテレビ、
そりゃブルーレイでクリアに細部まで見られるのはいいけど、やはり
音響がなあ。映画館で体感するようなわけにはいかない。

映画評はどれもクールで、たまにさりげなく皮肉めいているのが
面白かった。
バカな男とか耐え忍ぶ女とか旧弊な日本映画っぽいのはお好きでは
ないようで。まったく同感。

新旧「太陽がいっぱい」のところは特に惹かれた。
私、アラン・ドロンのやつも名作特集みたいな時に映画館で見た。
正直、若き日のアラン・ドロンを知らなかったので、スクリーンで
見たあの青い目には射抜かれました。なんてなんてなんてなんて
なんて素敵なんだ。これは。スター、というのを目の当たりにした
思いだったなあ。
「リプリー」は、殺されちゃうほうのジュード・ロウのが断然好きで。
トムの不安に焦点がいってもなんか。まあそうかなあ、という程度の
印象しか残ってない。私は太陽のほうが好きだったなあ。
と、そんな思いを共感しながら読みました。「リプリー」のほうの
リアリティーを書かれていて納得。でも太陽のほうがいいよね、と、
なんか語り合いにいきたくなる気がしました。

映画と一緒に紹介するべきかもだけど、んーと。でもまあ、いくつか、
好きだった歌。素敵です。
 
  二百年生きていまだも青年の香を放ちつつこころ老いにけり
 
  血を包む袋であれば人間のぢきにやぶれてしまふかなしさ
  
  フランス語と英語の違ひ「プレヤン・ソレイユ」と「リプリー」の響き
 
  誰もむかしこどもたつたがかなしくてかなしくてもう想ひ出さない

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