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『麒麟騎手 寺山修司論』(塚本邦雄/沖積舎)

『麒麟騎手 寺山修司論』(塚本邦雄/沖積舎)

塚本による寺山修司論。6つの論があって、それから、塚本から寺山への手紙集。
「雁の涙」と章題がついたそれは、1954年、寺山18歳(塚本34歳か)
から、1972年寺山36歳(塚本52歳)というものが収められている。
塚本からの手紙をとっておいたんだねえ。

この本が最初に出たのは1974年らしい。寺山の死は1983年だそうなので
まだ二人とも生きてる時に、書簡公開するものなのかあ、と、ちょっと不思議な
気がする。で、私が買ったこれは2003年のもの。改装版だそうだけれども、
どう違うのかは不明。年譜のところかなあ。
そして塚本の年譜は2000年までで、病気入院あたり。塚本の死は2005年。
私は短歌に興味持ってはいたものの、まだ全然何も知らなくて、塚本邦雄の名を
まともに知ったのはすでに死後だったなあ。

寺山修司についても、大学の演劇部に入った頃、名前を認識した程度で何も
知らない。正直歌集もまともに読んでない。なんとなく、演劇の人、という
印象。そしてもっさりしたおじさん、という印象。でも、この前世田谷文学館
で、寺山修司展を見て、手紙や葉書を見て、きゅんきゅんきてようやくファン
になってしまった。何を今更なんだけどー。
そしてこの本で、塚本の熱烈な手紙の数々を読んで、またしてもきゅんきゅん
してしまって身悶え。凄い。完全にラブレターでしょ。愛されまくりの寺山。
特に二十歳前後の寺山への愛は凄い。三日と開けずに手紙出すとか。もー。
岡井隆の名前も頻繁に出てくる。前衛短歌運動みたいなことをやってた頃なのか。
手紙のやりとりだよねー。塚本も寺山も病床にあって、という時期のようで、
体を大事にね、と労わり励ましてる塚本が健気で可愛い。寺山のお手紙も一緒に
あればいいのにー。ないのかなあ。なんとなく妄想で補ってしまうけれど、
愛される天才病弱美少年とその才能と美貌に夢中の大人、って感じになって
私の脳内が妄想で暴走で大変なことに。風木みたいなことになる(笑)竹宮恵子
の絵でこのへん漫画家してください(笑)

寺山が美少年だったのか、は、私にはわからないのだけれども。
写真の印象は中年のおじさんのあたりしかわからなくて、若き日に出会った
彼らには美少年だったのかなあ。

手紙のなかに出てくる「バロン」というのは中井英夫なのかな。
「伯爵」といってるのも同じく?それとも別にまたいるのか?私はあまり
詳しくないので微妙にもどかしい思いもしつつ。でも本当に面白い。短歌界
というか、塚本寺山岡井でなんかこう世界を動かすみたいなところがあった
んだよねーというのが物凄い。かっこいい。痺れる。
岡井失踪で寂しい、みたいなことを書いてたりして、ああもう。きゅんきゅん。
三人の中では塚本が一番年上で、8歳違いで岡井隆、15歳違いで寺山修司、
ということですね。
そういう年齢の幅というか違いがよかったかな、みたいなことを岡井先生が
お話されてたことがあるような気がする。
なーんかいいな~。
塚本が熱心に愛する人だったのね、と思う。
寺山はもうほんとマルチに多才で全部で天才で凄くて、短歌とは離れて
我が道を突き進む感じで。岡井先生はじっくりがっつりという感じかなあ。
塚本については私はとにかく怖い印象なんだけど(実際のところ何一つ知らない
んだけど、何一つ知らないのに怖いと思わせる怖さ)こういう手紙見ると
気に入った相手のことはとことん愛するのかなあと思う。いいな~。

ものすごく面白かった。
もっとちゃんといろいろ知りたいと思った。せっかく短歌が近いところに
いるんだから、ちゃんと勉強しろよ自分と思った。
(こんな不純な動機で知りたいとかっていうのはダメだろうか。うーん。
こんな不純なワタシなので人に聞くのがなんかうしろめたくて^^;)
読んでみてよかったー。

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