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『成澤准教授の最後の恋』『好きで好きで好きで』(高遠琉加/角川ルビー文庫)

*具体的内容、結末まで触れています。


『成澤准教授の最後の恋』(高遠琉加/角川ルビー文庫)
 
フランス文学部准教授、という肩書きを持つ成澤恵。クールな美貌で
翻訳、エッセイでも人気を得ていた。友人の編集者のところの新人、
蒼井は、平凡で地味で、初対面のときにも空気のように印象が薄かった
のだが、ある雨の夜、非常階段から落ちかかるようにしていた彼を
思わず助ける。
それから、ちょっとした興味で、悪戯で、蒼井を担当編集者に指名し、
側におくようになった。
 
成澤先生はわがまま気まま、手に入らない純愛や蒼井が気になって、
欲しくなって。それがだんだん本気に。という黄金パターンですねー。
蒼井くんの片思いを知って意地悪する成澤先生とか可愛かった。
自分がもてあそんでいるつもりなのに本気になっちゃって、でも実は
自分のほうが、片思い相手、もう死んだ相手の代わりに思われてた
なんて、とショックを受けたりして、成澤先生可愛い。
えろしーんもわりと多めかもな。可愛くて愛しくてえろすでよかった。
今は死んでしまったかつての友情とか愛情とか、んーノルウェイの森
パターン~と思ってしまうけどなあ。

イラストが高永ひなこさんだった。中のモノクロのイラストのが好きだった。
 

『好きで好きで好きで』(高遠琉加/角川ルビー文庫)
 
三浦は、高三の冬、同級生の堂島に告白した。一方的な片思いに終わった
それを、忘れたはずだったが、バイト先の花屋で、5年ぶりに再会する。
堂島は、その花屋の娘とつきあっていた。
高校の時のことはなかったこととして、ただの旧友として、なんでもない
つきあいを再開したものの、三浦の思いはまた大きく膨らんでしまう。
 
ノベルスで出ていたものだそうです。「好きで好きで好きで」と、
「ラブソングみたいに」と、文庫での書き下ろし「君がしあわせになる前に」
というお話。
前半後半で受、攻の視点代えて描くっていうのよく見るなあ。そういうもん
なのか。
相手の気持ちが、相手の考えていることが知りたいちゃんと知りたいもっと
知りたい、という欲求に応える手法なんでしょうか。わかりやすくていい。

恋しちゃって、大好きになって、好きで好きで好きで、っていう三浦くん
はまあ、いい。可愛い。
恋されちゃって、大好きになられちゃって、好きで好きで好きになられて、
堂島ー。君はそれでいいのか、と、思わなくもない。
でも。「優しくしたい。冷たくしたい。触れたい。傷つけたい。大事にしたい」
その人のことをそんな矛盾だらけの感情で思って気になって眠れなくて、
まー恋しちゃったので仕方ない。

書き下ろしのは、由布子さんの結婚で、ちょっとまた三浦くんが勝手に
勘違いしてゆれて、というところ。ついでに二人も結婚シーン、みたいに
結局らぶらぶなのね、お幸せに!というお話。
由布子さん、アキなんかと結婚しちゃっていいのか大丈夫か!と、そっち
を心配しちゃうよ。まあねえ。(私がすっかり年寄りになった証だろう)
ともあれたいへん可愛いお話でした。

高遠琉加さんのって、まだ全部読んだわけではないけれども、単発のより
ある程度長いお話のほうがいいなあと思う。しっかり丁寧に描いてくれる
奴の方が好きだ。そしてたぶん、やっぱり最初の頃より格段に上手く深く
書く人になってきているんだろう。書き続けてほしいなあ。
『世界の果てでまっていて』を、書いてー。書いてー。あれの続きが読み
たいなあ。

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