『フェア・ゲーム』(ジョシュ・ラニヨン/モノクローム・ロマンス文庫 新書館)
*具体的内容に触れています。
『フェア・ゲーム』(ジョシュ・ラニヨン/モノクローム・ロマンス文庫 新書館)
元FBI捜査官、エリオット。銃で膝を撃たれ、現在は大学教授になっている。
歴史を教え西部劇をを講義する平穏な毎日。
だが、ある学生が行方不明になったことで、力を貸して欲しい、という父の
友人からの頼みにこたえることになった。現在どう捜査が進んでいるのか、
確かめに行くと担当は元同僚、かつ元恋人の捜査官、タッカーだった。
これは舞台がシアトル。FBIがらみってことで、事件もかなりシリアス。
命の危機があったりして面白かった。
膝をやられて、必死のリハビリの時に背を向けたかつての恋人タッカーが
17ヶ月たった今も許せない。忘れられないエリオット。もともと体だけの
相性のつながりだった、と自分に言い聞かせるものの、再会して動揺して
しまうエリオット。可愛いー。二人とも30半ばって感じだけど、そのいい
大人が、うまく気持ちを伝えられないもどかしさ、みたいのに苦しんでるのが
セクシーだった。タッカーも不器用くんかよ。もー。
そして単なる一学生の失踪、単に家出なんじゃないのかというところから、
だんだんシリアルキラーの疑いが、ってなっていくのも面白かった。
最後のほうはかなりハラハラドキドキで。い、痛いし。
エリオットは膝がまだ痛むのに、無理しちゃって意地はっちゃって、ああー
タッカーが心配するだろ~も~~~と、そういう面でもハラハラドキドキで。
ツンツンデレくんだね、エリオット。可愛い。らぶらぶしーんもよかった。
事件の解決もエリオットのアドバイスが冴えて、タッカーも警察も仕事して
無事できてよかった。それなりにちゃんとみんな優秀なのが素晴らしい。
このモノクローム・ロマンス文庫というのはまだいろいろ、MMとゆー
翻訳小説を出していくのかなあ。表紙は、まあ、うーん。もうちょっと
なんかなーという気がする。あと中のイラストは無理に入れなくていいの
ではないか。微妙にBLっぽくしたいのかどうなのかなんか中途半端な感じ。
文字だけでもえるからこの微妙な絵なら私はいらないー。そこだけが
ちょっと不満でした。
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 『パーフェクト・クォーツ 碧き鮫』(五條瑛/小学館文庫)(2020.12.12)
- 『遠い声 遠い部屋』(トルーマン・カポーティ/新潮文庫)(2020.12.08)
- 『四月の雪』(古川順子/砂子屋書房)(2020.12.05)
- 『歳月の庭』(加藤ミユキ/ながらみ書房)(2020.12.04)
- 『亀さんゐない』(池田はるみ/短歌研究社)(2020.12.03)
Comments